宜野座IDC(宜野座村ITオペレーションパーク内)

2012年1月19日(木)
Think IT編集部

地震が少ないという“地の利”を県外ユーザーに訴求

前述のように宜野座村では、宜野座ITオペレーションパークを軸に地域の活性化を図ろうとしており、同施設への県外企業の誘致に力を入れてきた。それとともに、東日本大震災以降、災害対策ニーズの高まりを受けて地震が少ないという沖縄県の“地の利”を県外ユーザーにアピールし、宜野座IDCの利用企業を獲得するための取り組みも積極化している。

そうした取り組みの一環として宜野座村、宜野座IDCを運営するNTT西日本-九州およびレキサスは2011年11月18日、宜野座IDCの見学会を開催した。このイベントは、データセンターの移設などを検討している企業/団体を対象にしたもので、沖縄県内外の企業や地方自治体のIT担当者など約75名が参加。宜野座IDCの見学に加え、同施設を紹介するプレゼンテーションや有識者による講演が行われた。

[写真7]沖縄県宜野座村役場 企画課 主任 金武(きん)誠氏

プレゼンテーションには、沖縄県宜野座村役場から企画課 主任の金武(きん)誠氏(写真7)が登壇し、宜野座ITオペレーションパークの概要について解説した。金武氏は、同施設の狙いとして「新規産業の創出」「雇用機会の拡大」「定住人口の増」という3点を挙げ、宜野座村および宜野座ITオペレーションパークには、その実現に必要となる「はたらく環境」「くつろぐ環境」「住む環境」が整備されているとアピールした。

例えば、沖縄県では自家用車による通勤が一般的であるため、宜野座ITオペレーションパークは約730台の駐車場を用意している。また、宜野座村は沖縄県本島のほぼ中央に位置しているため島内のどこからでも通勤できる距離にあるうえ、村内には宜野座インターチェンジがあり、交通の便も良好だ。実際に宜野座ITオペレーションパークの就業者は、島内のさまざまな地域から通っているという。

同施設の就業者は453人(2009年9月時点)で、その7割以上がコールセンターなどに勤める女性であるため、パウダールームを設置するなど女性の就業者も働きやすいように配慮されている。また、海のそばという立地条件を活かし、海を見渡せるカフェテリアやウッドデッキを採用したテラスを設置するなど、就業者が勤務の疲れをいやすための空間づくりにも力を入れている。

また、金武氏は、宜野座ITオペレーションパークの災害対策についても言及した。同氏は、地震の発生が少ないという沖縄県の土地柄ゆえに震災リスクは小さいとしたうえで、さらにリスクを減らすために免震構造を採用していると述べた。この免震構造は前ページで紹介した積層ゴムアイソレーターと鉛ダンパーを使ったもので、別の施設で阪神淡路大震災相当となる震度7にも耐えた実績があるという。

今後も宜野座村では、宜野座ITオペレーションパークへの企業誘致および宜野座IDCの利用者獲得に力を入れていく構えだ。なお、本稿で紹介したのと同様の見学会が2012年2月17日にも開催される。地震に強いデータセンターへの移行やバックアップセンターの設置を検討しているIT担当者は、レキサスのWebサイトを参照してほしい。
→参照:宜野座村ITオペレーションパーク 見学&セミナー(pdf)

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<サイト最終アクセス:2012.01>

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