世界の舞台へチャレンジ。ロボットプログラミングを競うWRO Japan決勝大会を密着取材!

2012年10月4日(木)
Think IT編集部

【高校生部門】カラーキャリーロボ

ロボットは4箇所に置かれたブロックの色を識別し、それぞれ決められたポールにブロックをはめ込むのですが、その作業の正確さと速さを競うことになります。さすが高校生とあって、求められるレベルもグッと上がります。効率よい動きができるでしょうか。

見学ツアーをガイドするアフレル軽部氏によると、青や黒はどっちも色が濃いから、ロボットのカラーセンサーが間違えてしまうことがあるとか。正確に判断するために、10回測った平均値を取得するなど、一人でこなすには大変な作業量です。しかし、ここはWRO。選手たちの創造性、問題解決能力、論理的思考力の育成とともに、「チームで協力して成し遂げる」という体験を通した教育の場です。チームで課題を成し遂げるべく、協力してアイデアを出しあいます。

ロボットがカラーセンサーを使って検知中!?こんなにでっかいロボットもさっと動きます。
成功に思わずガッツポーズ! 手を握り合う選手たち!
プログラム通りに動いている?心配そうに見つめる選手。
競技コースを見ながら、どういったプログラム調整を行うか、チームで相談しています 競技開始直前!ロボットを本番コースに置き、センサーでコースデータを最終確認中

アイデアを伝えるプレゼンシート

大会当日の朝、会場では持参したプレゼンシートを一生懸命に壁に貼る選手たち。

昨年からWRO Japan決勝大会では制作したロボットやプログラムについて発表する機会が設けられました。緊張しながらも、メンバーと協力してアイデアを伝えようと頑張る選手たち。このような競い合う場が、将来のものづくりの若手を鍛えてくれる素晴らしい機会ではと感じました。

 審査員の前で一生懸命プレゼンテーションする選手たち

テーマに沿って自由にロボットを作る「オープンカテゴリー部門」

さてこのWRO Japan決勝大会のもう1つの柱、こちらはオープンカテゴリーのプレゼンコーナーです。オープンカテゴリーは、与えられたテーマを研究し、テーマに沿ったロボットを自由に作成するという形式の競技です。

今年のテーマは「社会の一員としてのロボット」。小学生3チーム、中学生3チーム、高校生5チームが出場されました。審査本番を前に、高校生チームが必死に練習している姿が印象的でした。また、お芝居風に役になりきってプレゼン発表するチームもありました。選手たちの工夫と努力に胸が熱くなります。

高校生のプレゼンテーションの様子

このオープンカテゴリーでは、前述した「社会の一員としてのロボット」をテーマにチームでアイデアを出しあい、1辺が2mの立方体に収まる大きさで、1つの作品を制作します。出場チームは、ロボットを製作するだけでなく、審査員にむけてプレゼンテーションをします。なんと国際大会では英語でプレゼンをすることになります。

世界へのチャンスが広がるWRO

このWRO Japan決勝大会で、先鋭22チームがWRO国際大会への切符を手に入れました。選出チームは、11月にマレーシア クアラルンプールで開催される国際大会に出場します。
→ WRO Japan決勝大会の表彰結果はこちら

世界標準のロボットキット・教育用レゴ マインドストームを用いるWROは、選手たちが仲間と協力し世界大会を目指す中で、成長の可能性が無限に広がります。

ロボットの動きに思わずガッツポーズや感嘆の声が!選手もスタッフも思わず笑顔に。

プログラミング学習の成果をロボットの動きで見える化し、小学生からエンジニアまで楽しめる教育用レゴ マインドストーム。「ここにいる選手たちは特別か?」「数学、理科や技術の特訓を受けたのか?」というと実はそうではない方も多いのです。今年から中学校ではプログラミングが必修授業となり、以前から必修となっている高校の教科・情報とあわせて、学校ではコンピュータ、プログラを学習する場面が多くなっています。

ロボットプログラミングの家庭用学習教材として、アフレル社が扱っているデスクロボ等がありますが、こうした教材を家庭で使っているうちに、楽しみながらロボットやプログラムに関心を深め、大会を目指した方々も多いのです。はじめは小さなスタートが、世界への第一歩へつながる醍醐味があると思うと、夢が広がるのではないでしょうか?

閉会式が終わり、今年のWRO Japan決勝大会が幕を閉じました。1時間ほどの体験ツアーでしたが、見ていたお子さんたちからは「ロボットやプログラミングに興味がわいた!!」というコメントをもらうことができました。来年は、ぜひWROに参加してもらえることを期待しています。選手たちのこれからの活躍を楽しみして、今大会のレポートを終わりたいと思います。

<写真撮影:富士通コンピュータテクノロジーズ 写真倶楽部>

【参照リンク】

(リンク先最終アクセス:2012.10)

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