ブロックのようにサービスを組み合わせて使うAmazon Web Services
AWSを企業内のプライベートクラウドとして使える“VPC”
ここで1つ、特に最近注目されているサービスを紹介しておきましょう。クラウドを利用するにあたっては、セキュリティが懸念事項とされることがよくあります。実際には、AWSは各種のセキュリティ規格の認定を受けており、極めて安全性が高いサービスです。
→ AWS セキュリティ&コンプライアンスセンター
とはいえ、企業内でAWSを利用したい場合には、EC2のインスタンスとインターネットとのアクセスポリシーを自社に合わせて運用したいといったこともあるでしょう。そういった場合に便利なサービスなのがVPC(Virtual Private Cloud)です。
VPCを使うと、AWSのデータセンターの中の一部を、IPSecによるVPNを通じて企業内のネットワークと接続し、企業内ネットワークの一部であるかのように利用できます。すなわち、AWSのデータセンターの一部を企業内のプライベートクラウドとして活用できるのです。
企業内のコンピューティングの負荷も、1日、1週間、1ヶ月、1年といった時間の中で大きく変動します。これまでの物理的なシステムのサイジングでは、ピーク時の負荷に合わせて計画せざるを得ませんでしたが、VPCを活用することではるかに柔軟なリソース調達と運用が可能になります(図5)。ビジネスのサイクルがどんどん短くなってきている現在、この柔軟性を十分に活かすことで得られる最も大きなメリットは、単なるコスト削減ではなく、ビジネスの方針や規模の変更に柔軟に対応できることでしょう。
現時点では、VPC内で使えるサービスはAWSのすべてのサービスではなく、利用できない機能も多少あります。しかし、VPCで利用できるサービスはこの数か月間にも急速に充実してきており、遠からず不足を感じることはほぼなくなるでしょう。
AWSのユーザーグループ「JAWS-UG」に参加してみよう
ここで、AWSのユーザーズグループについても触れておきましょう。日本でのAWSのユーザーズグループは、Japan AWS Users Group = JAWS-UGという名称で、とても活発に活動が行われています。JAWS-UGの支部は、ほぼ日本全国に広がっており、毎週のようにどこかで勉強会が行われています。
Webではhttp://jaws-ug.jp、Twitterでは#JAWSUGのハッシュタグでやりとりが行われているので、読者の皆さんも近くの勉強会に参加してみてください。
次々に更新されるAWSの最新情報をキャッチするための参考サイト
AWSのもう1つの特徴、それはサービスの追加や機能強化のスピードです(加えて料金の値下げもかなりの頻度で行われています)。ほとんど毎週のように何らかのアナウンスが行われており、その頻度が落ちる気配もまったくありません。基本的に、AWSではそれまでのサービスが廃止されたりすることがなく、機能強化は後方互換性が保たれたまま行われてきています。
そのため、新しい情報にキャッチアップできるよう、情報源に目を配っておくことはとても重要です。新しいサービスがリリースされたり、機能強化が加えられたりすることで、それまでは自分たちで作り込まなければならなかった機能が、AWSが新たに提供するサービスを利用するだけで済んでしまうようになることも珍しくないので、先ほどの#JAWSUGに加えて、以下のサイトは見ておくようにしてください。
また、AWSに関する公式のホワイトペーパーや技術資料は、AWSの日本語公式ページにまとめられています。
特に、「AWS クラウドサービス活用資料集」のリンク先にあるセキュリティ関連の資料(「セキュリティプロセスの概要」など)は、非常に充実していますので、ぜひ一読されることをお勧めします。
1年間の無料枠を使ってEC2やDynamoDBを試してみよう
AWSでは、新しくアカウントを取得すると、一定の無料利用枠が1年にわたって利用できます。この無料利用枠の対象は、EC2のインスタンスやS3、RDS、DynamoDBなど、多岐にわたります。
→ AWSクラウドサービス無料 利用枠のご案内
従量課金制のサービスを使うのが不安、という方も多いと思いますが、無料利用枠を利用すると共に、ビリングアラート(請求通知)の機能を使えば、課金が無料利用枠を越え、一定額に達した時点でメールを受け取ることもできます。
→ 【AWS発表】 AWSクラウドの利用料金を監視・通知できるように(Amazon Web Services ブログ)
特にこの1年ほどで、無料利用枠で試せることがとても増えてきています。EC2のインスタンスとしてWindows Serverが使えるようになったり、リレーショナルデータベースサービスのRDSに無料枠で使えるマイクロインスタンスが追加されたり、NoSQL系データベースサービスのDynamoDBにも無料枠が設定されたりしたので、いろいろ試してみるのに不足はないでしょう。
AWSのアカウントの取得は公式ページから行えます。まだアカウントをお持ちでない方はぜひ取得していただいて、これから一緒に、新しい世界の探求に乗り出しましょう!
【参照リンク】
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