データ分析エンジニア対象「BIGDATAダッシュボード勉強会」レポート
思考を停めないBIツール
企業のビッグテータにおいて社内活用で重要位置を占めるBIツールについては、Tableau Japan株式会社よりセールスコンサルティングマネージャーの並木氏が登壇した。TableauSoftwareはアメリカに拠点を置き、今年5月にニューヨーク証券取引所に上場を果たした、BIツール分野で注目される企業だ。
デモではTableau Desktopバージョン8中心に「家具販売実績データ」(Excel 8,400件)を用いた。データは3、4クリックで分析できる状態が整う、データモデルやデータのロードと言った作業はTableauが自動化してくれる。ユーザーは意識することなく売り上げのデータモデルを比較することができる。また製品カテゴリーを深掘りし、更に利益を比較する際も、ドラッグ&ドロップ(Tableauではドリルダウンと呼称)で比較でき、グラフ形式・色も表示形式も即座に変更することができる(様々な形式のグラフはTableauユーザーコミュニティーで更新されている。同社では比較の際に3Dグラフは意味がないと判断し、非対応)。また都道府県情報がデータに含まれる場合はPCのロケーションと併せて判別することで、自動で緯度経度を当てはめ地図データで表示することも可能だ。如何に伝えるか(ストーリー)を重視し、複数のデータを様々な切り口で瞬時にビジュアライズ化することを実現する。バージョン8には新たに予測分析機能を補完している。
ビッグデータにも十分対応
別のデモでは約700万件のフライトデータを用いてTableauを動かすが、動作については前述の「家具販売実績データ」とまったく変わらないパフォーマンスで動作していることが確認された。同社のBIツールにもOpenGLを利用しており、速度とビジュアルの両立を果たしている。創業メンバーはレンダリング・ソフトとして著名なRenderManの開発にも携わった経歴を持っていることから、データの1つ1つを点でとらえ、点の集合体としたデータ群をビジュアル化し分析して行く思想が根底にあると思われる。
分析やビジュアル化に専門知識を必要とせず直感的な操作でユーザー扱えるBIツールにも関わらず1,000ドルから基本利用ができ、トライアル版に関しても同機能で動作するのは、企業にとって気軽に活用可能なツールと言えよう。
OSSを活用したダッシュボード
トレジャーデータ社のサービスをサポートしているサイオステクノロジー株式会社でクラウドソリューション部に所属する大村氏が登壇、同氏の開発したダッシュボードのデモを行った。
気軽に可視化
同社のサービス業務の現場でTreasure Dataを導入する際に「溜まったデータを気軽に可視化したい」との要望が多く上がっていた。しかもExcel以外で情報を気軽に共有することも同時に求められていた。そこで、シンプルに蓄積されるデータを、時間軸を横軸に集計値、平均値を表示できる様にRuby on Railsを用いて、Treasure Dataの基本機能である定期PUSH機能を活用している。これにより、生データやTreasureDataのアカウント情報に一切触れることなく、安全に可視化することができている。アプリではアカウント毎に表示情報を管理、制限できる。シンプルで限定的ではあるが高価なBIツールを導入する前などの場面でも気軽に情報共有することができる。今後、時間軸以外でのグラフ作成やユーザーへのメール配信機能などの補充を予定。近日オープンソースとしての公開も予定しているとのこと。
分析・可視化についての知識情報源
「BIGDATAダッシュボード勉強会」は今回が初開催であり、対象は「データ基盤/分析エンジニア、デジタルマーケティング・オンラインゲーム等でデータ分析に関わっている方」とあったが、特別な知識を持ち合わせない現場レベルのユーザーでも十分に参考になる講演内容だと感じた。
次回開催予定は未定だが、業務の現場でデータにまつわる総てのユーザーの情報・知識の情報源となり得る機会なので、興味のある方は次回の開催をチェックしてみては如何だろうか。
【関連リンク】
(リンク先最終アクセス:2013.08)
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