スケールアウト型OSSクラウド基盤に最適なUbuntu Serverをひも解く 4

[入門編] RHELユーザーが知っておきたい、Ubuntu Serverとのコマンド・サービスの違い

今回は、前回の内容の補足として、RHELやCentOSに慣れたユーザーの方向けに、Ubuntu Serverとのコマンドの違いや、設定ファイル、管理方法などを紹介していきます。dpkgコマンドでUbuntu Serverのパッケージを管理するRHEL/CentOSの管理や利用には慣れているが、Ub

古賀 政純

2014年1月16日 20:00

今回は、前回の内容の補足として、RHELやCentOSに慣れたユーザーの方向けに、Ubuntu Serverとのコマンドの違いや、設定ファイル、管理方法などを紹介していきます。

dpkgコマンドでUbuntu Serverのパッケージを管理する

RHEL/CentOSの管理や利用には慣れているが、Ubuntu Serverには不慣れというユーザーのために、主なコマンドの違いを掲載しておきます。RHEL/CentOSではパッケージ管理のrpmコマンドがお馴染みですが、それに相当するdpkgコマンドの主な利用例を示します。以下の表以外にもdpkgコマンドの様々なオプションが存在しますが、Ubuntu Server入門者の方は、まず下記のオプションを理解しておけばよいでしょう。

図1:dpkgコマンドとrpmコマンドの代表的な利用例の比較(クリックで拡大)

apt-get, apt-cache, apt-cdromを使いこなす

Ubuntu Serverのソフトウェアパッケージ管理にはdpkgコマンドの他に、apt-getコマンド、apt-cacheコマンド、apt-cdromコマンド等が存在します。RHEL/CentOSでは、yumのリポジトリを作成し、yumコマンドでパッケージの検索、取得、インストールを行います。一方、Ubuntu Serverの場合は、apt-get, apt-cache, apt-cdromを使い分ける必要があります。dpkgコマンドはdeb形式のパッケージを個別にインストールする場合に使用しますが、apt-getコマンドは、依存関係を解決しながらインストールできます。RHEL/CentOSのパッケージ管理用のyumコマンドとUbuntu Serverでのapt-get, apt-cache, apt-cdromコマンドの主な利用例を示します。

図2:yumと同様にapt-getコマンドもインターネット経由でリポジトリ情報を取得して依存関係を解決しながらソフトウェアパッケージのインストールを行うことができる(クリックで拡大)

各種設定ファイルやログファイル、管理コマンドの比較

RHEL/CentOSとUbuntu Serverでは、ランレベルやディレクトリ構成、設定ファイルなどが異なります。以下では、Ubuntu Serverの管理者が最低限知っておくべきOSの設定項目を厳選して掲載します。Ubuntu Serverの入門者はまず最低限これらの設定ファイルの中身やコマンドの挙動を知ることから始めてください。ハードウェアに関する管理コマンドはあまり違いがありませんが、ブートローダーの設定はUbuntu ServerとRHEL/CentOSで大きく異なりますので注意が必要です。また、RHEL系でのデフォルトのランレベルは5ですが、Ubuntu Serverでは2ですので注意してください。

図3:Ubuntu Serverで採用されているGRUB2はRHEL/CentOSで採用されているGRUBと管理の作法も大きく異なるため注意を要する(クリックで拡大)

代表的なサービスの管理方法の比較

サービスについての管理手法においても、Ubuntu ServerとRHEL/CentOSで大きな違いがあります。ここでは、スケールアウト基盤でよく利用されるSSHサービス、Apache Webサービス、NFSサービス、NFSサービス、DHCPサービス、TFTPサービスについての管理手法の違いを掲載します。

図4:設定ファイル自体の記述については、Ubuntu ServerとRHEL/CentOSであまり差がない。設定ファイルのディレクトリ構成やserviceコマンドで指定するサービス名に違いが見られる(クリックで拡大)
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