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なくならないFAXを活用して、システム面でどう業務効率を向上させるか

2014年3月11日(火)
吉政 忠志

今日はFAXの話です。Web系のエンジニアであれば、FAXのことを意識しなくてもよいでしょう。しかし、業務系で受発注関連のシステムのエンジニアであれば、FAXは避けられないのではないでしょうか?

今日はOCRを使用せずに、またトラブルも少なく、FAXを活用したシステムを構築するといったテーマで書きます。

なくならないFAX

FAXは今や一般的な会社では必ず設置されており、完全に普及しきったFAXですが、単機能FAXの年間出荷量はピーク時よりも落ちるものの、オフィス用途での複合機の年間出荷量も年間1%前後で伸びているのをご存知でしょうか?市場ではデータ入力されたデータが飛躍的に伸びているので、入力されたデータの伸びにどうしても目が行ってしまいますが、一方でイメージデータでのFAX通信も確実かつ緩やかに伸びているのです。総務省発表のデータを見てみても平成22年度のFAX普及率が41.3%に対して平成23年度は45%と微増しています。

周りを見渡してみると、コンシューマーにおいてはパソコンやスマートフォン、タブレットなどが普及し、FAXを使うことがなくなりつつも、結局、企業間のやり取りでは、紙が残ります。特に、お見積書、発注書など受発注関連ですと、市場全体のほとんどがデータではなく、紙かFAXになっているのではないでしょうか?

4年前に独立し、インク代が勿体無いことからペーパーレス化を推進している筆者の会社でも、請求書や注文書はFAXか郵送でお願いしますと言われることが少なくありません。

実際にFAXを活用したビジネスの事例集を見てみると、受発注関係や官公庁系に多いように思えます。データ通信を行わない企業間の受発注において迅速に送れるのがFAXであり、より多くの方が利用する官公庁のサービスとしてFAXをはずすことができないということでしょうか。

> FAXを活用したシステム事例集

OCRを使わずにFAXをシステムで活用する

システム開発時、取引先に対して「FAXをやめてください。」と言うのが難しい場合、FAXを活用した業務システムを作るしかありません。過去には、「OCRにしましょう!」といったようにFAXデータをデータ変換するような提案もしてきましたが、今回はその方法ではなく、OCRを使わずにFAXをシステム活用する方法を解説します。

OCRの読み取り精度は世界中のどのOCRでも100%ではありません。よって、読み取りエラーを修正するタスクを容認できるシステムやお客様でないと提案できません。状況によってはOCRを活用せずに、イメージファイルをイメージファイルとして扱った方がシステム面では効率な場合があります。OCRを活用するから読み取りエラーが起こり、そのたびにイレギュラーな作業が発生し、結局、顧客満足度が上がらないことが多いのではないでしょうか?

そこで、FAXで受信したイメージファイルのテキスト情報を、OCRを活用して読み取ることを諦めて、FAXデータを受注システムに自動的に格納し、入力者がイメージデータとして閲覧し、入力作業を行ったり、作業後にワークフローで回覧して、回覧後、自動採番してイメージファイルとして保管しておくようなことを行うだけで、かなりの効率が上がります。そして、エラーによるイレギュラーな業務がお客様側で発生しにくくなります。

それでは実際にOCRを使用せずにFAXをシステムで活用した事例をご紹介します。

吉政創成株式会社 代表取締役

IT業界のマーケティング分野で20年近い経験を持つマーケッター。株式会社トゥービーソフトジャパンをはじめとするベンチャー企業から大手企業まで幅広くマーケティング支援を行う。現在はマーケティングアウトソーシング会社である吉政創成株式会社の代表取締役を務めつつ、PHP技術者認定機構 理事長、Rails技術者認定試験運営委員会 委員長、ビジネスOSSコンソーシアム・ジャパン 理事長も兼任。

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