ビジネスUXの投資効果とは? 〜採用で向上する生産性を数値で評価する
前回の記事「UIとUXとの違い、そしてビジネスUXとは何か?」では、UXやビジネスUXの概念的な話を書きました。今回は海外の先進的な事例を基に、ビジネスUXを導入したことにより生産性が向上した事例をご紹介します。第1回で提唱した課題が、どのように解決されるかをご覧ください。日本国内の事例はこのコラムの第4回から第6回でご紹介します。
BUX事例(1):現代カード「INTOHシステム」
〜ユーザーに合わせた操作画面で生産性をアップ〜
最初に韓国を代表する現代(ヒュンダイ)グループのカード会社、現代カード社のBUX事例です。
以前の現代カードの業務システムでは、全ての業務を一つの統合画面で構成しており、ユーザーの業務種別や職位ごとの個別の Viewが提供されていませんでした。一つの画面に全ての機能を表示した画面構成のため、業務担当者から「使いにくい」との不満が多く、業務生産性の向上に悪影響を与えていました。そこで、システム再構築の対象となった現代カードと現代キャピタルで使用されている基幹系システム「INTOH」を、業務生産性向上を目的にBUXを実現することになりました。
同社がUX専門コンサルティングを受け、業務プロセスとワークフローを最大限効率化した画面構成を弊社のUX開発プラットフォーム「XPLATFORM」で実現しました。
その結果、以下の採用効果を得ることができました。
- 業務生産性、平均 6.4%アップ
- 業務処理時間、平均 8%短縮
機能面の利便性と操作にかかる時間が上記のように大きく改善され、業務ユーザーの満足度が高まりました。この効果を見た他部門でも業務システムの再構築の検討が始まったそうです。
話は採用効果に戻りますが、現代カードが行ったことは、統合運営管理してきた既存の画面を、業務及び職位ごとに分かれたユーザー中心の操作画面に再構成したそうです。それにより業務ユーザーの満足度が大幅に向上しました。各業務の特性を生かした"View"がデザイン面や機能面において利用者の業務内容や職位レベルごとの要求通りに構成され機能したため、顧客窓口の対応も速くなり、業務処理改善においても大きく役に立ったと評価されています。
既存システムでは考慮しなかった、利用者の処理時間短縮についてのUI設計がされたことにより、プロジェクトの初期計画時の目標である業務精生産性の数値を上回り、10-15%の業務生産性の改善を実現しました。
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