OpenStackの市場動向と商用ディストリビューションの登場
2014年10月27日(月)
OpenStackを検討している会社が急増している
私は営業やプリセールスという立場で日々お客様と会話しているのですが、今年度に入ってからOpenStackの導入を検討する企業がとても増えたと体感しています。仮想化基盤として既に導入しているVMware vSphereや、Amazon Web ServicesやMicrosoft Azureなどの先行するクラウドサービスはあるものの、下記の点でOpenStackを評価していると聞きます。
- ベンダーロックインを排除したい
- コストを削減したい(ライセンス、ストレージ、ネットワーク)
- オープンイノベーションを実現したい
特に、「ライセンスコストやストレージコストを削減したい」や「ネットワークの下り転送量の従量課金が高くて、どうにかしたい」というコストに関する要望が多いです。米国では、MetacloudがAmazon Web Serviceとコスト比較してみたり、Piston CloudがTCO Calculatorを公開しコスト計算を容易にしたり、比較検討のための情報を提供し始めています。
今までは通信会社やインターネットサービスプロバイダーを中心にパブリッククラウドのサービス基盤としてOpenStackの導入を検討することが多かったのですが、米国では今年に入ってから上記以外の業種の導入事例が増えています。下記の図はOpenStack Foundationが実施した利用者調査を集計したものですが、オンプレミスのプライベートクラウド用途での導入が増えていることを確認できます。多業種に渡ってプライベートクラウドが増えてきたことがOpenStackディストリビューションの増えた理由だと筆者は考えています。
次回はいよいよ連載の本題であるOpenStackディストリビューションの比較検証と、たまおきが注目する最新技術トレンドを紹介したいと思います。
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