ZabbixでSoftLayerを監視してみよう!

2015年6月3日(水)
三島 匡史

仮想サーバーにおけるZabbix Agentを使った監視

仮想サーバーにZabbix Agentをインストールし、Zabbix Serverによる監視を行います。

1.リポジトリの登録

今回の環境は、Zabbix ServerはZabbix2.4なので、Zabbix Agentも2.4を用います。仮想サーバーのOSはCentOS7なので、インストールするために次のようにリポジトリを登録します。

# yum install http://repo.zabbix.com/zabbix/2.4/rhel/7/x86_64/zabbix-release-2.4-1.el7.noarch.rpm

2.エージェントのインストール

yumコマンドにてエージェントをインストールします。

# yum install zabbix-agent

3.エージェントの設定

エージェントの入ったサーバーのホスト名とZabbixサーバーのIPアドレスを指定します。ホスト名はZabbixServerとエージェントの間での識別に利用され、Zabbix Serverでの監視の指定時にも使用します。

# vi /etc/zabbix/zabbix_agentd.conf
 Hostname=zab2 ←修正

 Server=XX.XX.XX.1 ←修正

4.エージェントの起動とサービスの登録

Zabbix Agentのサービスの登録、起動を行います。

# systemctl enable zabbix-agent
# systemctl start zabbix-agent

サービス登録の確認

# systemctl --full list-unit-files |grep zabbix-agent
  zabbix-agent.service                  enabled  ←enabledになっていることを確認

サービス起動の確認

# systemctl --full | grep zabbix-agent
zabbix-agent.service    loaded active running   Zabbix Agent  ←runningになっていることを確認

5.ホストの登録

ホストを作成します。「設定」→「ホスト」→「ホストの作成」の順でクリックします。

  1. 「ホスト名」には3で指定したホスト名「zab2」を入力します。
    ここでは「新規グループ作成」にzabbixと入力し、グループを新規に作ります。
  2. 「エージェントのインターフェース」には仮想サーバーのIPアドレスを入力します。
  3. 続けて「テンプレート」タブをクリックし、「新規テンプレートをリンク」にて「選択」を押下し、テンプレートを選びます。
  4. ここでは「Template Os Linux」を選びました。その後、枠内にある「追加」をクリックします。
  5. 最後に一番下の「追加」をクリックすると、ホストが追加されます。

6.グラフの確認

仮想サーバーの監視データが取得できるようになったので、グラフを確認します。「監視データ」→「グラフ」の順でクリックします。ホストに「zab2」を選択し、グラフに「Memory usage」などを選択し、監視とグラフの生成が確認できます。

ベアメタルサーバーにおけるIPMIを使った監視

1.IPMI

SoftLayerでベアメタルサーバー利用する場合、IPMI(Intelligent Platform Management Interface)を使った監視を行えます。IPMIは物理サーバーのハードウエア管理を行うための標準的なインターフェースの仕様です。各社名前が異なりますが、最近のサーバーはIPMIに対応した専用のネットワークインターフェースが用意され、OSを介さずに直接サーバーのCPU、ファン、電圧等の物理情報を取得したり、物理的な電源のオン/オフを行うことができます。

1.ベアメタルサーバーのIPMI設定確認

ベアメタルサーバーを作成後、「Device List」から該当サーバーを選択し、「Remote Management」タブからIPMIに関する情報を確認できます。

「IPMI Status」が「On」であることを確認します。IPMIへの接続にはここに表示されているIPアドレス、ユーザー名、パスワード(Showチェックボックスにチェックし表示)が必要になります。この情報にてZabbixの設定を行います。

2.Zabbix Serverの設定

Zabbix ServerにてIPMI monitoringは有効になっていますが、StartIPMIPollersの設定がデフォルトでは0になっています。StartIPMIPollersはIPMIポーリング監視プロセスの起動数を指定するため、このままだとIPMIポーリング監視プロセスが起動せず、IPMIでのポーリングが行えません。IPMIでのポーリング監視を行うためには、次のようにStartIPMIPollersに1以上を指定し、Zabbix Serverを再起動します。

# vi /etc/zabbix/zabbix_server.conf
  StartIPMIPollers=3 ←修正
# systemctl restart zabbix-server

3.ホストの登録

ホストを作成します。「設定」→「ホスト」→「ホストの作成」の順でクリックします。

  1. 「ホスト名」には「zab3」を入力します。
  2. ここでは「新規グループ作成」に「IPMI」と入力し、グループを新規に作ります。
  3. Zabbix Agentを使わない場合、「エージェントのインターフェース」は削除します。
  4. 「IPMIインターフェース」の追加をクリックし、1で確認したIPアドレスと、ポート番号623を入力します。

IPMIタブをクリックし、次の設定を行います。

認証アルゴリズムMD2
特権レベルユーザー
ユーザー名1で確認したユーザー名
パスワード1で確認したパスワード

最後に追加をクリックし、ホストを登録します。

4.アイテムの登録

「設定」→「ホスト」→登録したいホストの行の「アイテム」→「アイテムの作成」の順でクリックします。

アイテムの設定を行います。

  1. 名前には任意の名前を入力します。ここでは「SoftLayer_ipmi」としています。
    タイプには「IPMIエージェント」を選択します。
  2. キーはSoftLayerのIPMIからデータを取得するためのキーを指定します。ここでは温度を取得するためのキーを指定しています。
  3. ホストインターフェースにはホストの設定にて登録したIPMIインターフェースを選択します。
    IPMIセンサーには任意のセンサー名を指定します。
  4. その他必要に応じて設定し、最後に一番下にある追加をクリックします。

5.グラフの追加

「設定」→「ホスト」→登録したいホストの「グラフ」→「グラフの作成」の順でクリックします。

グラフの設定を行います。

  1. 名前には任意の名前を入力します。ここでは「SoftLayer_ipmi」としています。
  2. アイテムの欄の追加をクリックします。「アイテムの登録」で作成したアイテムを選択します。
  3. その他必要に応じて設定し、最後に一番下にある追加をクリックします。

グラフの確認
「監視データ」→「グラフ」。ホスト名とグラフ名を指定し、グラフが表示されていることを確認します。

6.グラフの確認

IPMI経由での監視データが取得できるようになったので、グラフを確認します。「監視データ」→「グラフ」の順でクリックします。ホストに「zab3」を選択し、グラフに「SoftLayer_ipmi」を選択し、監視とグラフの生成が確認できます。

テコラス株式会社
OSSを中心とした技術教育事業の開発・運営、インフラエンジニア、プロダクトマーケティングの経験を活かし、現在はテコラス株式会社にてサービスの企画に従事。日本CloudStackユーザー会ボードメンバー。趣味は料理、水耕栽培など。呑みの誘いは断らないが信条

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