グーグル、「Project Sunroof」にGoogle Mapsのデータを活用
カリフォルニア州マウンテン・ビュー発の最新ウェブアプリは、太陽光エネルギーへの切り替えで節約できる金額を提示し、環境にやさしい選択肢を勧めるものだ。グーグルの新しいプロジェクトである「Project Sunroof」は、Google MapsやGoogle Earthから航空画像、太陽の角度、周囲の影、さらには地元の天候までを取り出すことができる。
グーグルはProject Sunroofを「太陽光エネルギーの宝の地図」であると説明する。住所を入力することで、そこに1年でどれぐらいの太陽光が当たるかを見ることができる。そして色分け地図とともに潜在的に節約できる金額が表示される(通常支払っている電気代を入力することで、さらに正確な金額が表示される)。太陽光エネルギーに切り替える意志が固まった場合のために、ウェブアプリは地元のソーラーパネル設置業者も教えてくれる。
JWT Intelligenceによると、環境に配慮した取り組みや事業内容は今年のビジネストレンドでもあり[PDF]、環境にやさしい新興企業がすでに数多く出現、または出現予定であるという。グーグルが他の企業にデータを提供するかどうかは不明だ。しかし、この分野の企業はプロジェクトの今後をしっかりと見守っておいて損はしないだろう。
Sunroofの開放
発表後の公式ブログで、グーグルのカール・エルキンは、このアイデアを思いつくに至った経緯を述べている。「私はボストンを拠点とする太陽光プログラムであるSolarize Massachusettsでボランティアをしています。自宅でも太陽光エネルギーを活用しているので、『自宅の屋根は太陽光エネルギーを得るのに十分でない』とか『太陽光発電は値段が高すぎる』と考える人が非常に多いことに驚いています。多くの人がお金を節約する機会と環境に配慮する機会を逃しているのです」
エルキンはProject Sunroofをグーグルの「20%ルール」を利用して始めたという。20%ルールとは、従業員が勤務時間の20%を自分のプロジェクトに割くことができるシステムである。
膨大なデータベースにアクセスし、分かりやすいフォーマットで有用な情報を引き出すことは、まさにグーグルにとって得意分野だと言える。
現時点では、検索可能なデータベースはサンフランシスコ湾岸地帯、カリフォルニア州フレズノ、ボストン市近郊に限られているが、アプリ開発者によるとアメリカ合衆国全土をカバーするのも「時間の問題」だという。グーグルの優れた検索能力を考えれば、「フレズノの家にソーラーパネルを設置する価値はあるか?」という検索をかけた場合に、このアプリの結果が追加されてもおかしくない。
また、Project Sunroofは環境にやさしいエネルギー源を約束するグーグルの(Alphabetの、だろうか?)姿勢ともうまく結びついている。グーグルのデータセンターの多くは、再生可能なエネルギーを利用しており、また同社はアフリカでもっとも大きな太陽光発電所にも出資している。
グーグルは、自社サービスを基に第三者が商品やサービスを作り上げる際に、ツールや情報を提供してきた。検索トレンドデータを利用可能とし、Google MapsやGoogle EarthのAPIを外部開発者に提供しているのと同じことをSunroofのデータ利用にも適用したら、代替エネルギー事業に拍車をかけることになるかもしれない。
画像提供:Google
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※本記事はReadWrite Japanからの転載です。転載元はこちらをご覧ください。
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