グーグル、VRで自由に地球を見られる「Google Earth VR」をリリース
今週は、VR体験の品質をより高める可能性のある情報が相次ぎました。低スペックPCでのVR稼働や、高解像度・広視野角のHMD、高速通信システムなど、どれも今後のVRに大きく関わってくる情報ばかりです!
IMAX、視野角が210度・解像度が5120×1440のVRコンテンツ制作を支援する5,000万ドルのファンドを発表
IMAXは、同社が世界中で展開しようとしているVR体験施設「VRセンター」での「新しいプレミアムレベル」な体験を提供するために、5,000万ドルのファンドを発表しました。視野が210度(HTC ViveとOculus Riftは約100度)、解像度が5120×1440(同2160×1200)という高スペックのデバイス「StarVR」を利用して、より広い視野でVR体験を提供できます。
しかし、この高い性能に見合ったVR体験がなかったため、IMAXはStarVRの価値を引き出せていませんでした。コンテンツを揃えるためIMAXは、Acer、CAA、China Media Capital、Enlight Media、Raine Group、Studio City、WPPといった投資家とともに、第1弾となる5,000万ドルのVRファンドを用意しました。このファンドの目的は、今後3年間で最低でも25の新しいインタラクティブな体験を作り出すことです。これらは、「新しいプレミアムレベル」となるハイクオリティなVR体験を作り出します。
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IMAX「新しいプレミアムレベル」のVRコンテンツ制作を支援する5000万ドルのファンドを発表
http://www.moguravr.com/imax-vr/
ジャガー、電気自動車「I-PACE」の発表会をVRで実施! ロンドン・ロサンゼルスで66名が同時参加
11月13日、自動車会社のジャガーは、ロサンゼルスで同社初となる電気自動車「I-PACE」を発表しました。I-PACEはテスラ社のTesla Model Xの競合に当たるSUVで、発表では、HTC ViveとControllerが使われ、参加者が体験できるような仕組みが盛り込まれていました。イベント会場には、6人がけの円形のテーブルがいくつか置いてあり、その上にはViveとコントローラーが用意されていました。
自動車会社は、ショールームでの効果や開発の効率化を狙ったVRやARの活用に以前から取り組んでいました。しかし、今回のジャガーのように、参加者の体験を重視して、人々の記憶に残るようなコンテンツを提供するという考え方は今までとは異なるアプローチです。このような体験を提供することで、ジャガーへの興味が増し、将来的に販売につながっていくことを考えているのではないでしょうか。
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ジャガー、電気自動車「I-PACE」の発表会をVRで実施 66名が同時参加
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過熱する中国のVR 「独身の日(11月11日)」前後で売上1,000万円以上のデバイスも!
11月11日に行われた中国最大のオンラインショッピングイベント「双十一」は、開始から52秒で売り上げが10億元(約157億円)を超え、1時間後には353億元(約5,574億円)を超えました。双十一に先立ち、11月1日にアリババ・グループがVRショッピングアプリ「BUY+」を公開し、VRショッピングは注目を集めていました。しかし、今回の双十一では「BUY+」はほとんど使用されなかったとのこと。アリババ・グループによると、「BUY+」は16日から一時停止するとのことです。「BUY+」があまり使用されなかったことから、VRショッピングはまだ日常になじんでいないことが伺えます。それでは双十一前後でVR関連製品の売り上げはどうだったのでしょうか。11月1日から15日の12時までの期間中、中国国内における代表的なVRメーカーの売り上げは下記のとおりです。
- 暴風魔鏡(Uvistar):836278元(約1,320万円)
- Deepoon VR(大朋VR):738608元(約1,170万円)
- 小派VR(pimax VR):472851元(約750万円)
- 小烏看看(Pico VR):446190元(約700万円)
- IDEALENS:59483元(約90万円)
- 3Glasses:9396元(約15万円)
これらVRメーカーの売り上げの合計は、257万元(4,060万円)。これは、双十一の開始から12時間の総売り上げの0.003%程度に相当します。
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加熱する中国のVR 「独身の日」前後で売上1,000万円以上のデバイスも
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MIT、HMDの体験向上へ向けたワイヤレスVR向け高速通信システム「MoVR」発表!
MITのコンピュータサイエンス及び人工知能研究所(CSAIL)の研究者は、VRヘッドマウントディスプレイ(VRHMD)をワイヤレスで使用することのできるシステム「MoVR」のプロトタイプを発表しました。MoVRは、「ミリ波」(mmWaves)と呼ばれる特別な高周波無線信号を使用して、数ギガビット/秒でPCとの通信を可能にします。mmWaveは、VR、高速インターネット(5G)、および癌診断などに有望な用途を持っていますが、反射や小さな障害でも波の伝搬がうまく機能しないという欠点があります。したがって、VRエンターテイメントのために正しく機能するには、送受信を行うデバイス間に障害物がないことが必要です。
この技術を開発した研究グループのディナ・カタビ教授は、研究においてはHTC Viveでシステムをテストした時、どのVRHMDでも動作できたと言います。またMoVRのハードウェアは将来的に小型化し、複数のデバイスを1つの部屋の中で使用することができるとのこと。信号がブロックされることもなく、同じ空間でマルチプレーヤーのVR体験が可能になります。
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MIT、ワイヤレスVR向け高速通信システム「MoVR」発表
http://www.moguravr.com/mit-movr/
グーグル、VRで自由に地球を見られる「Google Earth VR」をリリース
11月16日、グーグルはSteamで自由に地球を見て回れる「Google Earth VR」(EarthVR)をリリースしました。Earth VRは、Google Earthと同じ高解像度の衛星画像、航空写真、主要な都市や観光地の高精細な3Dオブジェクトを、1人称視点でシームレスに体験できます。Viveを装着しControllerを持つと、視界に小さな地球が現れます。右手のControllerのトラックパッドを使うと地球へ近づくようにズームしていき、国の名前や、町の名前、建物の名前が見えてきます。左手のトラックパッドは動く向きを変えることができ、両手を使って自由に地球上を見て回ることができます。
今のところ、Earth VRには検索機能がないので、前述したような移動方法は手動に限られますが、好きな場所を保存する機能があるので、お気に入りの場所を保存してすぐに呼び出すことができます。Earth VRはGoogle Earthと同じく「見る」ことを重視したコンテンツです。使われている写真や3Dモデルはどれも繊細ですので、Viveで体験するとかなりの没入感を感じることができます。
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グーグル、VRで自由に地球を見れる『Google Earth VR』をリリース
http://www.moguravr.com/google-launches-earth-vr/
Oculus Riftはアップデートで、より低スペックなPCでもVR体験が可能に!
初めて消費者市場に参入する新技術と同様に、VRは一般消費者にとっては比較的高価なエンターテインメントです。Oculus RiftやHTC Viveのようなヘッドセットの購入だけで、10万円近い費用が必要です。加えて、VRを体験するための高スペックを持つPCも必要となり、必要な機材のすべてを揃えるためには、最低でも20万円近くかかります。一般的に、PC向けのハイエンドなVRコンテンツを体験する場合、映像を平均90フレーム/秒で描画する必要があります。
しかし今回、先週のアップデートでOculus Riftのプラグインに搭載された「Asynchronous Spacewarp(非同期スペースワープ)」は、フレーム補間技術を使用して、90フレームの半分となる毎秒45フレームのフレームレートで滑らかな体験を生成することができます。このような低フレームレートのサポートを可能にすることによって、ヘッドセットを動作させるのに必要な描画性能を半減させました。今回の新技術により、NVIDIA 900シリーズまたは1000シリーズGPU(GTX 960以上)またはAMD RX 400シリーズのカードでVR体験を楽しむことができるとのことです。
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Oculus Rift、より低スペックなPCでVR体験が可能に
http://www.moguravr.com/oculus-rift-lower-end-pc-vr/
SteamVR、描画処理を補完する新技術をアップデートで追加
http://www.moguravr.com/steam-vr-asynchronous-reprojection/
※本ニュース記事は「Mogura VR」から提供を受けて配信しています。
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