GitHubのオシャレなオフィスと国土地理院のギャップが楽しい
ソースコードリポジトリサービスのGitHubのイベント、GitHub Universeでは日本から国土交通省国土地理院の藤村英範氏(地理空間情報部普及課 課長)がパネルセッションに参加し、オープンデータとGitHubを活用した地理情報システムの紹介を行った。
藤村氏は、過去の火山噴火や洪水、震災などの災害に際して地形がどのように変化したのかを写真や地図をフルに活用した事例を紹介。地理データをオープンデータとして利用し、それらを処理するプログラムをGitHubで公開することで開発が素早く行われたことを紹介した。GitHubを使ってコードを公開しているリポジトリーは20以上に及び、国内の政府機関の中でもGitHubを活用している度合ではトップレベルではないだろうか。
15分程度という限られた時間内ながら「日本の災害」という3.11の震災以降、欧米では注目されがちなテーマだっただけにセッションに参加した人の注目度も高く、セッション後も質問に追われていたのが印象的だった。
イベント2日目はデトロイトで貧困にあえぐ住民が水道代を支払えない状況を改善するためのNGO、Detroit Water Projectの紹介もキーノートの中で行われ、GitHubを中心にして単に開発者をサポートするだけではなく、その先にある「ソフトウェアが如何に社会に貢献するのか?」を紹介し、参加者の中で「社会貢献を支援するGitHub」の認知度をあげようとするGitHub本社の意図がみえた内容だった。
イベントとは前後するが、サンフランシスコの市内にあるGitHubのオフィスを訪問した。サンフランシスコジャイアンツのホームスタジアム、AT&Tパークにほど近い倉庫跡を改造したお洒落なオフィスだ。このお洒落でクールなオフィスから社会を変えるソフトウェアを作る人たちを支援したいという気持ちが湧いてくるのだとすると日本のIT企業もカタチから入ってこういうクールなオフィスを作った後は是非、社会を変えるソフトウェアをカタチにして行って欲しいと切に願う。
セールスとマーケティングは3階、デベロッパーは2階、というように分けられており、デベロッパーが座る2階のスペースは少し照明を落として静かな雰囲気を保つようにしているというのが分かる。
紹介してくれたPR担当のケイト・グアレンテ氏も「デベロッパーが居るところではあまり声を出さないでね」と小声で囁いてくれるなど、GitHubの中でもデベロッパーが最大限に尊重されているのがよく分かるエピソードだった。
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