米Red Hatが「Red Hat Enterprise Linux 7.2」を発表、2016年はOpenStack普及元年なるか、ほか

2015年11月27日(金)
吉田 行男
米国Red Hat社は、19日、Linuxディストリビューション「Red Hat Enterprise Linux 7.2」の一般公開版(GA)をリリースしました。

こんにちは、日立ソリューションズの吉田です。

今週は急に寒くなり、北海道の札幌では11月としては62年ぶりに40センチ以上の降雪がありました。関東地方でも12月中旬並みの寒さということで、慌ててコートを取り出した方もいるのではないかと思います。

今週もOSSに関する注目すべきトピックをとりあげましたので、ゆっくりとご覧下さい。

米Red Hat、「Red Hat Enterprise Linux 7.2」を発表

米国Red Hat社は、19日、Linuxディストリビューション「Red Hat Enterprise Linux 7.2」の一般公開版(GA)をリリースしました。3月に公開された「Red Hat Enterprise Linux 7.1」に続く最新版で、コンテナ関連、セキュリティ、ネットワーク、システム管理などにフォーカスして開発されています。同社は併せて、ARMアーキテクチャ向けの「Red Hat Enterprise Linux for ARM 7.2 Development Preview」も発表しました。これは今年の6月にパートナー向けに公開していたもので、パートナーはこれを利用して新しいARMベースのシステムや機能を開発できるとしています。

(参照記事:https://osdn.jp/magazine/15/11/21/083200

現代OSSを「3匹の子ぶた」で再認識 ― NTTコミュニケーションズのエバンジェリスト

NTTコミュニケーションズ社で技術開発部担当部長を務める村上守氏のインタビュー記事です。村上氏は、「ソフトウエア開発にはパラダイムシフトが起こっている。しかし、日本企業のシステム開発者は、それに気付いていない、というよりは、気付こうとしていない」と指摘しています。「これからのソフトウエアは“とりあえず出してマーケットの声を聞き、ダメだったら次の一手を打つ”というアプローチ。そうでなければ生き残れない」と述べ、「3匹の子ぶた」のように時間をかけて良いものを作ったものだけが生き残るという戦略は通用しないと言っています。

(参照記事:http://japan.zdnet.com/svc/nls/?id=35073585

WordPress、JavaScriptベースの「Calypso」およびMacアプリを発表

WordPress.comの運営元である米国Automatic社は23日、WordPress.comおよびJetpackの刷新と、WordPress.comのMacアプリのリリースを発表しました。WordPress.comはPHPで開発されていますが、そのコードの一部は「Calypso」プロジェクトの下でJavaScriptにより土台から再構築されています。また、このコードはオープンソースとしてGitHubで公開されています。WordPress.comは、オープンソースブログ・CMSソフトウェアであるWordPress.orgをWebホスティングするレンタルブログサービスです。

(参照記事:http://www.itmedia.co.jp/news/articles/1511/24/news071.html

OpenStack、Docker、Apache Sparkなどが対象:特定処理の高速化をFPGAで実現 ― ザイリンクス、IBM

米国ザイリンクス社は16日、米国IBM社と複数年にわたる戦略的提携を締結したと発表しました。IBMのPower SystemsにザイリンクスのFPGAを組み込んで特定処理のアクセラレーターとして利用することで、エネルギー効率の高いデータセンター向けシステムを構築します。両社はソフトウエアやミドルウエアを共同開発し、機械学習やネットワーク機能の仮想化、ゲノム解析、ハイパフォーマンスコンピューティング、ビッグデータ解析などのアプリケーションに対応する予定です。

(参照記事:http://www.atmarkit.co.jp/ait/articles/1511/20/news124.html

2016年はOpenStack普及元年なるか

10月に東京で「OpenStack Summit Tokyo」が開催され、大変な盛り上がりを見せましたが、ビジネスという視点では、必ずしも順調とは言えない状況です。OpenStack Summit Tokyoでは、エンタプライズでの事例も出始めており、また資格試験等が実施され、技術者不足という問題点が解消されれば、2016年は、本格的にOpenStackの普及が進むではないでしょうか?

(参照記事:http://itpro.nikkeibp.co.jp/atcl/watcher/14/334361/112300424/

編集後記

今週は、先週までの嵐のようなイベントが一段落ついて、穏やかな一週間でした。来週からは12月に入り、忘年会などで忙しい日々を過ごすことになると思います。
今年一年を振り返りながら、また来年に向けての抱負を考えるなど、頭の中を整理するのにはとても良い時期になりました。

イベントのご案内
OSSウォッチ番外編 ~ 吉田行男と振り返る今年のOSS業界

Think ITで2014年11月7日に第1回が公開された「週刊OSSウォッチ」。11月20日公開分でなんと50回を迎えました。
そこで、著者の吉田氏をはじめ、OSS関連のゲストをお呼びして今年1年を総括するイベントを開催します。

【開催概要】
開催日:2015年12月11日(金)
時間:19:30~22:00(19:00受付開始)
内容:
 (1)19:30~20:30 吉田さんご講演+OSS関係者パネルディスカッション(仮)
 (2)ラウンジでビアバッシュ!
会費:無料

まだまだ参加者募集中です。
参加をご希望の方は、下記イベントサイトよりお申し込みください。
http://connpass.com/event/396/

2000年頃からメーカー系SIerにて、Linux/OSSのビジネス推進、技術検証を実施、OSS全般の活用を目指したビジネスの立ち上げに従事。また、社内のみならず、講演執筆活動を社外でも積極的にOSSの普及活動を実施してきた。2019年より独立し、オープンソースの活用支援やコンプライアンス管理の社内フローの構築支援を実施している。

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