米PivotalがHortonworksと提携、「Node.js Foundation」設立、注目を集めるベアメタル、ほか

2015年2月20日(金)
吉田 行男

こんにちは、日立ソリューションズの吉田です。

2月の半ばを過ぎ、さまざまなイベントが本格的に開催されるようになってきました。先週は「Japan SoftLayer Summit 2015」、今週は「Developers Summit」と目白押しです。相変わらずインフルエンザも流行っているようで、大勢の人が集まる場所に出かける時は、注意が必要です。

今週も注目すべきトピックをまとめましたので、ゆっくりとご覧下さい。

米国PivotalがHadoopでHortonworksと提携、Greenplum、GemFire、HAWQはオープンソース化

米国Pivotalは超並列処理(MPP)データベースのGreenplum Database、No SQLインメモリデータベースであるGemFire、Hadoopに対する高速SQLクエリを提供するPivotal HAWQをオープンソース化すると発表しました。企業のIT調達において、オープンソースが要件となってきていることを踏まえ、同社のPaaS基盤ソフトウェア「Pivotal Cloud Foundry」で成功しているモデルを、データ関連製品に適用するとのことで、今回の発表により、同社が提供する「Pivotal Big Data Suite」の中核がオープンソースになりました。
(参照記事:http://www.atmarkit.co.jp/ait/articles/1502/18/news047.html

Red Hat、OpenStackとの統合を強化したEnterprise Virtualizationの最新版

「Red Hat Enterprise Virtualization 3.5」では、オープンスタンダードに基づいてミッションクリティカルなワークロードを標準化したサービスを提供し、仮想化インフラのプロビジョニング、設定、およびモニタリングに対する可視性を向上しました。新機能としては、oVirt Optimizerとの統合による高度なリアルタイム分析を通したコンピュートリソースの最適化であるとか、NUMAサポートによる性能が向上した非常にスケーラブルなワークロードのデプロイメントが可能になります。
(参照記事:http://news.mynavi.jp/news/2015/02/17/206/

日立の米国子会社が、OSSのビッグデータ分析ソフトを買収

日立は、米国・日立データシステムズを通じて、データ分析やグラフ作成などをマウス操作で支援する「Pentaho」を買収しました。「Pentaho」は、OSSの強みを生かし同じくOSSの「Hadoop」との連携を得意としているソフトウェアで、世界で180カ国、1,200社の顧客企業で活用されています。日立は今回の買収により、「ビッグデータの利活用基盤の構築を支援し、社会イノベーション事業のグローバル展開を加速する」と発表しています。
(参照記事:http://itpro.nikkeibp.co.jp/atcl/news/15/021200501/

独立非営利団体「Node.js Foundation」設立、米国Joyentに加え、米国IBMやMicrosoftらが参加

米国Joyentは2月10日、非営利団体「Node.js Foundation」の立ち上げを発表しました。Node.jsはGoogleが開発するJavaScriptエンジン「V8」をベースとするJavaScript実行環境や関連ライブラリを提供するプラットフォームで、Joyentが開発を主導するとともに支援も行っていました。今回のFoundation設立により、透明性とオープンなガバナンスモデルを確立し、コミュニティ主導となるようにすることが目的です。なお、創立メンバーには、Joyentのほかに米国IBM、米国Microsoftなど5社が参加しています。
(参照記事:http://sourceforge.jp/magazine/15/02/12/153000

ベアメタルクラウド—2015年のクラウド市場を占う注目のキーワード

最近、クラウド分野で「ベアメタル」という言葉をよく聞くようになりました。「ベアメタル」とは、「むき出しの金属」という意味ですが、サーバで使われるときは、OSも何も入っていない状態のサーバを意味し、物理サーバのことになります。したがって、「物理サーバを仮想サーバのように使える」サービスのことを「ベアメタルクラウド」と言います。IBMのSoftLayerなどは、すでにベアメタルクラウドのサービスを提供していますし、IaaS基盤ソフトであるOpenStackやCloudStackも、物理サーバの管理に対応してきています。今後のクラウド市場での注目キーワードであることは、間違いありません。
(参照記事:http://thinkit.co.jp/story/2015/02/17/5587

◆編集後記◆

天気予報がはずれるといろいろと文句を言いたくなりますが、今冬の天気予報は、むしろはずれて良かったというような印象があります。「寒気団の襲来により雪が降ります」という天気予報を今年は何回も聞きましたが、都内ではそれほどでもなく、昨年に比べると過ごしやすい冬という印象です。まだまだ、油断をしてはいけないかも知れませんが、このまま、春に向かっていってほしいものです。

2000年頃からメーカー系SIerにて、Linux/OSSのビジネス推進、技術検証を実施、OSS全般の活用を目指したビジネスの立ち上げに従事。また、社内のみならず、講演執筆活動を社外でも積極的にOSSの普及活動を実施してきた。2019年より独立し、オープンソースの活用支援やコンプライアンス管理の社内フローの構築支援を実施している。

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