米Googleが機械学習システム「TensorFlow」をOSSとして公開、「Docker 1.9」リリース、ほか
こんにちは、日立ソリューションズの吉田です。
そろそろ、紅葉の便りも届くようになり、秋が本格化してきました。一日の中での寒暖の差もあり、体調を崩しやすくなっていますので、ご注意ください。
今週もOSSに関する注目すべきトピックをとりあげましたので、ゆっくりとご覧下さい。
米Google、機械学習システム「TensorFlow」をOSSとして公開
米国Google社は9日、「ディープラーニング(深層学習)」などを実行できる機械学習システム「TensorFlow」をオープンソースソフトウエア(OSS)として公開しました。TensorFlowを開発したのは「MapReduce」や「Google File System」などの開発者として知られる同社シニアフェローのJeff Dean氏のチームで、2011年から人工知能システムの開発を進めていました。GoogleのCEOであるSundar Pichai氏は同社公式ブログでOSS化の理由を「Google社内よりも社外で使われる方が、より多くのインパクトを与えられると考えた」と説明しています。
(参照記事:http://itpro.nikkeibp.co.jp/atcl/news/15/111003663/)
「Docker 1.9」リリース、複数のホストにまたがる仮想ネットワーク構築機能が搭載される
米国Docker社は3日、オープンソースのコンテナ技術「Docker 1.9」を発表しました。8月に公開された「Docker 1.8」に続く最新版で、本リリースの最大の特徴はマルチホストネットワーキングに対応し、Docker Engineで複数のホストにまたがる仮想ネットワークを作成できるようになりました。また、永続的ストレージ関連も強化し、Docker 1.8ではサードパーティのストレージシステムを利用してDockerボリュームのバックアップをできるようにするボリュームプラグインを導入しましたが、1.9ではこれをさらに強化し、ボリュームシステムを再度、設計し直しました。
(参照記事:https://osdn.jp/magazine/15/11/06/150900)
Pivotalジャパン、.NETとDockerに対応する「Cloud Foundry 1.6」の国内販売を開始
Pivotalジャパンは6日、PaaSを実現するためのソフトウェア群「Pivotal Cloud Foundry」の最新版の国内販売を開始したと発表しました。Pivotal Cloud FoundryはOSSである「Cloud Foundry(CF)」のPivotalによるディストリビューションで、最新版となるPivotal Cloud Foundry 1.6では、よりアジャイルなアプリケーションの開発・実行に向けた強化を図っています。主な強化点は、(1)アプリケーション開発における.NETとDockerのネイティブサポート、(2)IaaS環境へのOpenStackとMicrosoft Azureの追加、(3)マイクロサービスとSpring Cloud Serviceの統合、(4)継続的なデリバリーに向けた各種ツールとの連携、の4つです。
(参照記事:http://it.impressbm.co.jp/articles/-/12984)
「OSSはイノベーションの牽引役になった」:レッドハットCEO
レッドハットは4日、都内で「Red Hat forum 2015」を開催し、プレス向けの説明会で米国Red Hat社のCEOジム・ホワイトハースト氏が、同社の戦略を説明するとともに質問を受け付けました。「Fortune 500のうち90%が当社の顧客であり、あらゆる大手企業がオープンソースに依存していることを表している。また、今まではコスト削減の対象であったり、ベンダーのプロプラエタリシステムに縛られないためといった役割があったが、ここにきて、イノベーションを牽引役として活用されるようになっている」と説明しました。
(参照記事:http://japan.zdnet.com/svc/nls/?id=35073098)
OSS構成管理ツール「Puppet」のユーザ会が日本でも発足、「ユーザ同士の横のつながりを広げたい」
10月28日、都内において日本で1回目となる「Puppetユーザ会」(以下、ユーザ会)が開催されました。「Puppet」はサーバーの設定やアプリケーションの導入・設定といったセットアップを自動化するツールで「構成管理ツール」「構成自動化ツール」などと呼ばれています。同種のツールとしては「Chef」や「Ansible」などのツールが有名です。今回のユーザ会は、Puppetについてのさまざまな情報交換ができる場を提供することが目的のようです。
(参照記事:http://cloud.watch.impress.co.jp/docs/news/20151105_728677.html)
今週は、Linux Foundation主催の「Enterprise User's Meeting 2015」が開催され、米国での最新の活用状況やOSSに対する考え方を聞くことができ、大変有意義でした。
他にもさまざまなイベントが開催されており、とてもすべてに参加することはできませんが、ニュース記事などで情報を入手し、最新の動向に触れていきたいと思います。
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