サーバーの仮想化に重要な2つの技術
企業インフラを変革させるIBM Cloud Burstとは
これまで解説したモビリティ、アプライアンスといった仮想化機能の組み合わせにより、柔軟なインフラを構築し、企業ITインフラをクラウド時代にむけて変革させていくことが可能です。また構築するインフラの目的やイメージがはっきりしている場合には、これらの機能をすでに組み込んだシステムやインフラツールを購入するという選択肢も考えられます。
2009年7月にIBMが発表したIBM Cloud Burstは、必要なものを完備したプリパッケージのサービス・デリバリー・プラットフォームであり、以下のような機能があります。
・コンピューター、ストレージ、ネットワーキングの各リソース (仮想化されたリソースを含む) を予約するためのセルフサービスポータル・インターフェース
・自動化されたリソースのプロビジョニングおよびプロビジョニング解除
・VMWare 仮想マシンなどの最も一般的なリソース・タイプに使用できるプリパッケージされた自動化テンプレートおよびワークフロー
・クラウド・コンピューティングのサービス管理
・弾力性を実現するためのリアルタイム・モニター
・エネルギー管理
図3はCloud Burstの概略図で、これまで解説した機能を新しいサーバーにすでに構成し、利用可能な状態にして提供しているものです。
今後はこのように仮想化機能および仮想管理ツールを構成したアプライアンスも業務に応じてでてくる可能性があり、新規システムにはこのようなアプライアンスの活用も考慮するべきでしょう。
最適な企業インフラの仮想化に向けて
仮想化の機能は、運用管理の機能も組み合わせることで、高度化してきます。これまでのITインフラをどのように変化させていくべきかをアプライアンス・ソリューションのケースも視野に入れながらデザインすることが重要です。
また仮想化におけるソフトウエアのライセンス料金の変化などの外的な要因を熟慮しながら、自社のインフラの仮想化ロードマップを作ることが、最適なインフラを実現するための確実な一歩となるでしょう。
次回はブレードの仮想化にどう取り組むか、またシステム構成のポイントについて解説します。
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