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初期のBIアーキテクチャ

2010年3月2日(火)
平井 明夫

はじめに

筆者がThink ITに寄稿するのは、これで4回目になります。

最初の記事は、2004年に「システム企画担当者のためのBIシステム導入の勘所」というタイトルで連載しました。この記事では、BIシステムの導入方法論を解説しました。

次の記事は2005年で、「BIツール選択に失敗しないために」というタイトルで、BI製品の選定方法を解説しました。

前回は、2006年に掲載された「統合化が進むBIツール」というタイトルの記事で、ここでは、各製品ベンダー担当者からの寄稿も含めて、当時のBI製品の最新動向を解説しました。

今回久しぶりに執筆を依頼されたわけですが、これまでの3回の連載で、BIシステムの基本的な部分は、あらかた語り尽くした感がありました。

しかし、一方で、前回執筆後の4年間で、いかにBI製品ベンダーに変化があったかということにあらためて驚かされました。

前回2006年の「統合化が進むBIツール」では、Oracle、Cognos、Hyperion、BusinessObjects、Microsoft、以上5つの主要ベンダーの担当者に寄稿していただきました。ところが、現在2010年においては、これら5社のうち3社、すなわち、CognosがIBMに、HyperionがOracleに、BusinessObjectsがSAPに買収されています。

筆者がBIに携わり始めてから20年近くになりますが、過去これほどの変化が短期間に起こったことはなかったかと思います。また、BIだけではなくIT全体のアーキテクチャが、クラウド・コンピューティングに代表される激しい変化の波に晒(さら)されているのではないかと思います。

このような変化の時代だからこそ、BIの生い立ちから始めて、現在に至る経緯や最新動向、さらにはクラウド・コンピューティングに影響を受ける将来のBI像までを時系列に解説することで、読者の皆さまにBIをより深く理解していただけるのではないかと考え、今回の連載のタイトルを「歴史で読み解くBIのすべて」とさせていただきました。最後までお付き合いいただければ幸いです。

それでは、連載第1回の今回は、BI以前のシステム・アーキテクチャから始めて、初期のBIアーキテクチャが確立するまでの歴史を解説します。

BI登場以前(1980年代)

1980年代といえば、いまだにメインフレーム・コンピュータがIT市場の中心であり、ようやく、パーソナル・コンピュータ、ミニ・コンピュータ、ワークステーションといった分散型あるいは部門用途・個人用途を意図したアーキテクチャが発達を始めた時代でした。

この時代のシステムのアーキテクチャは、汎用機はもちろんのこと、システムの部門別導入を可能にしたミニ・コンピュータも含めて、データの管理、アプリケーションの実行からユーザー・インタフェースの制御までをすべてサーバー(当時の言葉で言うとホスト)で処理していました。

この当時のクライアントはコンピュータではなく、あくまでも端末(ターミナル)であり、既に普及し始めていたPC(パーソナル・コンピュータ)も、サーバーに接続して使用する場合は、端末のエミュレータとしての役割しか果たしていませんでした(図1)。

株式会社アイ・ティ・アール リサーチ・フェロー

外資系ソフトウェアベンダーやITコンサルティング企業において、20年以上にわたり、BIツール製品のマーケティング、BIシステムの導入支援に携わる。2013年よりITRのリサーチ・フェローとして活動。現在は、事業企画コンサルタントとしてIT企業の新規事業立上げ、事業再編を支援するかたわら、ITRアカデミーにおいて、データ分析スキルコースの講師を務めるなど、データ分析を中心としたテーマでの講演・執筆活動を行っている。

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