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  インタビュー

クラウドべースのセキュリティを展開するウェブルートがMSP向けのプログラムを発表

2017年4月6日(木)
松下 康之 - Yasuyuki Matsushita
クラウドに蓄えられたデータベースを活用してWindows PCやMacなどへのアンチウイルスソリューションを提供するウェブルート株式会社が、日本でのマネージドサービスプロバイダー向けのプログラムを発表した。

PC上にシグネチャーデータを置かないアンチウイルスソフトウェアで知られているウェブルート株式会社が、マネージドサービスプロバイダー向けのプログラムを発表した。これまではパートナー経由のサブスクリプションでサービスを展開していたが、そのセキュリティサービスをマネージドサービスプロバイダーが自社サービスとして組み込んで、顧客に提供できるようにするという。

マネージドサービスプロバイダーは、IT運用管理の専任スタッフを用意することが難しい中小企業を主な顧客として、インターネットを経由してIT資産の運用管理をサービスとして提供するベンダーを指す。運用管理の対象となる業務内容は、日本ではサーバーの運用などからデスクトップPCの管理まで幅広い。AWSやAzureなどのパブリッククラウドを横断的に管理するなどのサービスもメニュー化されており、オンプレミスのIT資産だけではなくパブリッククラウド上の資産も合せて管理できるところが、これまでの運用管理のアウトソースとは違う側面だろう。

しかし社内に存在するデスクトップPCやノートブックPCなどのセキュリティについては、相変わらずPCにインストールするアンチウイルスソフトなどに頼らざるを得ず、その場合も部門で購入したPCによってはWindowsのバージョンが異なったり、アンチウイルスソフトの対応が違っていたりと総務の担当者にとっては頭が痛い問題が山積みだ。それらの回答として、クライアントPCにはシグネチャーを置かないクラウドベースのセキュリティとして、ウェブルートのソリューションは効果がある。

ウェブルートのアンチウイルスソリューションは、クラウド側にウイルスに関するデータベースとシグネチャーを配備し、クライアントPCには最小限のエージェントだけが稼働するというアーキテクチャーだ。シグネチャーは常に最新のものをクラウドから更新し、悪意のあるサイトやURLなども世界中のデータを活用して、既知のウイルスだけではなく未知のウイルスやマルウェアなどにも対応できるという。

それらのソリューションを、マネージドサービスプロバイダーのサービスの一環として組み込んで提供することが可能になったというのが、今回の発表のコアの部分だ。では日本ではどのように展開を行うのか。今回、マネージドサービスプロバイダー向けのイベントのために来日したCharles Tomeo氏(Vice President、Worldwide Channel & Technical Sales)とWilliam Fletcher氏(Strategic Account Manager for MSP)に話を聞いた。

左:Sales VPのTomeo氏、右:Fletcher氏

左:Sales VPのTomeo氏、右:Fletcher氏

今回の来日はマネージドサービスプロバイダー向けのプログラムの発表ということですが、そのプログラムの目標はなんですか?

Tomeo氏:今日のプログラムの発表から最初の3ヶ月は、マネージドサービスプロバイダーに向けた情報発信、それにパートナーに向けた教育に多くのリソースを割り当てたいと思います。日本においては、これから1年で50から100社をめどに推進していきます。教育については、日本MSP協会を中心に活動を展開していこうと思っています。

このプログラムでは通常の販売パートナーではなくてマネージドサービスプロバイダーに焦点を当てていると思いますが、その意図は?

Tomeo氏:現代のマネージドサービスプロバイダーは、サーバーの管理などをリモートから顧客に対して行うことが通例となっていますが、クライアントPCのセキュリティに関しては、これまでのアンチウイルスソフトを入れるという方法では非常に手間がかかってしまっていたのです。それに対してウェブルートのソリューションでは、クライアントPCにインストールするエージェントはシグネチャーを持たないため、クライアントPC上でシグネチャーを更新するという手間がありません。それにエージェント自体も非常に軽量にできていますので、クライアントPCに対する負荷も軽いのです。この特徴を分かっていただければ、他社との違いや管理の容易さを実感していただけると思います。

Fletcher氏:USではRMM、つまりリモートモニタリング&マネージメントという仕組みで、マネージドサービスプロバイダーが全米に拡がる顧客を遠隔から運用管理するというソリューションが広がっています。例としてカーディーラーの顧客を紹介しましょう。この顧客の場合、各拠点にあるIT資産の量はクライアントPCが10~20台程度と非常に少ないのですが、全米にネットワークがありますので合計では25,000台を超えるクライアントPCを管理する必要があります。そのような場合に、マネージドサービスプロバイダーの担当者が足を運んで管理を行うのは現実的ではなく、遠隔地から手間をかけずに管理を行うことになります。ウェブルートのソリューションは、そのようなRMMの環境にはうまくフィットします。

Tomeo氏:USでは、この分野で定評のあるKaseyaとコラボレーションを行っています。Kaseyaのプラットフォームに、ウェブルートのソリューションを組み込んで利用できるようプラグインを提供しています。Kaseyaは、日本ではキヤノンマーケティングジャパンがサービスとして展開をしています。

参考:Kaseya

エンドポイントセキュリティ、特にアンチウイルスは日本ではトレンドマイクロ、シマンテック、マカフィーが寡占していますが、マネージドサービスプロバイダーがこの3社ではなくウェブルートのソリューションを選ぶポイントは?

Tomeo氏:アンチウイルスについてよく聞く話は、顧客がソフトウェアを選ぶ際に単に価格が安いからということで選択したとしてもソフトウェアをインストールしたり、更新したりする手間を忘れているということですね。単価が安いというだけでそれを購入しても、手間が増えては意味がありません。マネージドサービスプロバイダーが提供する価値とは、価格以上に「人的労力を下げられるかどうか?」が実は重要なのです。その意味では、ウェブルートのクラウドベースのエンドポイントセキュリティは大きな違いがあります。実際にマネージドサービスプロバイダーが提供するセキュリティでは、弊社のシェアは非常に高いものがあります。

日本でマネージドサービスプロバイダーとしてこのプログラムに参加している企業は?

Tomeo氏:今回はプレスリリースとしては入れられませんでしたが、インテックやテクノルなどは既に参加していただいています。

今回の発表はエンドユーザー向けではなく、あくまでもマネージドサービスプロバイダーに向けた地味なものであったが、クラウドベースのアンチウイルスを展開するウェブルートのソリューションは、マネージドサービスプロバイダーにとっては非常にマッチしたサービスの構造とビジネススキームになっていると感じた。とはいえ、やはり3大アンチウイルスベンダーの壁は高く厚い。ウェブルートがどれだけ食い込めるか、今後注目したい。

著者
松下 康之 - Yasuyuki Matsushita
フリーランスライター&マーケティングスペシャリスト。DEC、マイクロソフト、アドビ、レノボなどでのマーケティング、ビジネス誌の編集委員などを経てICT関連のトピックを追うライターに。オープンソースとセキュリティが最近の興味の中心。

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