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  インタビュー

“フリーランス”は選択肢の1つ。ランサーズが描くフリーランスの未来とは

2018年7月13日(金)
佐藤 まり子

はじめに

2018年4月4日、ランサーズは『進化するフリーランスの未来 ~フリーランス実態調査2018~』を発表しました。2015年に同調査を開始して今年で4年目。フリーランスを取り巻く環境、そして人々の価値観はどのように変化してきたのでしょうか。この調査結果について、ランサーズ マーケティングコミュニケーション部の伊藤 麻美さん、潮田 沙弥さんにお話を伺いました。

2018年現在のフリーランスの実態、そしてフリーランスが抱える課題を解決するためにランサーズが提唱する施策とは―。

2018年におけるフリーランスの実態とは?

『フリーランス実態調査2018』で目立った傾向や特徴的なことはありますか?

ランサーズ株式会社 マーケティングコミュニケーション部 BCグループ 広報 伊藤 麻美さん

  • 伊藤:2015年からフリーランスの人口と経済規模の推移を出していますが、2018年では副業系すきまワーカー複業系パラレルワーカーの人口が伸びているのが特徴です。

    2015年から2018年、タイプ別の人口変化
    出展:『進化する「未来の働き方」 フリーランス実態調査2018』より

    ただ、フリーランス全体の人口は微減。その理由は、労働力の流動化ではないかと分析しています。つまり、フリーランスになってもそれ一本で働くわけではなく、複業をしたり、正社員に戻って副業をしたりしているわけです。

    経済規模は18.5兆円から20.1兆円に増加したが、フリーランス人口は1,122万人から1,119万人へと微減
    出展:『進化する「未来の働き方」 フリーランス実態調査2018』より

副業は正社員が本業の傍らでするイメージがありました。フリーランスも本業以外の仕事は副業になるのでしょうか?

ランサーズ株式会社 マーケティングコミュニケーション部 BCグループ 広報 潮田沙弥さん

  • 潮田:まず、私たちランサーズでは、業務委託の仕事の請け方でフリーランスを4つのタイプに分類しています。

    ランサーズが定義するフリーランスの種類
    出展:『進化する「未来の働き方」 フリーランス実態調査2018』より

    この中で、フリーランスの副業に関しては一社に雇用されつつ業務委託で本業以外の仕事を請けている「副業系すきまワーカー」が当てはまります。雇用形態に関係なく2社以上と業務委託の契約を結んでいる場合は「複業系パラレルワーカー」です。

    「自由業フリーワーカー」は納品物ありきの契約ですが、「複業系パラレルワーカー」は時間給や一定期間内で契約する働き方です。コンサルティングなどの職種では、そういった契約をされている方が多いようです。「自由業系独立オーナー」は、いわゆる個人事業主や法人経営者、一人オーナーですね。

この4つのフリーランスの種類の男女比や主に占める年代はどのようになっていますか?

  • 伊藤:調査結果を見ると、副業系すきまワーカーは20~30代の若年層が多く、複業系パラレルワーカーは男性が増加傾向にあります。自営業系独立オーナーはシニアの男性、自由業系フリーワーカーは女性の在宅ワーカーが多いです。

    フリーランスの種類:性別と年齢
    出展:『進化する「未来の働き方」 フリーランス実態調査2018』より

フリーランスとノン・フリーランスの違いはなんですか。その定義をもう少し詳しく教えてください。

  • 潮田:1年間に業務委託でお仕事をした方広義のフリーランスとしてとらえています。

    例えば、派遣社員をしながら、他社でも派遣社員で働いている場合は、派遣会社に雇用されているため我々のフリーランスの定義からは外れます。派遣社員で働きながら、業務委託でクラウドソーシングしている方はフリーランスに入ります。その場合は副業系すきまワーカーですね。基本的にランサーズの調査は「業務委託のあり・なし」をベースに考えています。

    雇用×雇用の場合、就業時間が長い企業に管理を負う責務が生じます。しかし、就業時間外に行われる業務委託契約に関しては外部の業務になります。「副業解禁」の是非が議論されていますが、業務委託は原則個人の意志によるもので、自分自身の余暇の時間を家族との団らんに使うか、クラウドソーシングで新しいスキルアップのために副業にチャレンジするのかは企業が監視する必要はありません。

    あくまでも副業は生き方の手段の一つなので、人生設計の一要素としてしっかりと伝えていかないと、副業解禁、副業元年の議論がミスリードされるのではと懸念しています。

フリーランスが抱える課題を解決する戦略を発表

フリーランスのメリット・デメリットにはどんなものがありますか?

  • 伊藤:フリーランスは、会社員と比べて仕事に対する満足度モチベーションが高いです。フリーランスは会社員と比べて単独活動のため、経理や法務、労務などの専門領域における業務分担や人事領域の成長機会など全て自身で行わなければならず、不慣れな作業に多大なコスト(時間やお金)がかかっています。中小企業庁の「小規模事業者の事業活動の実態把握調査」によるとフリーランスの課題は「顧客獲得」を筆頭に、「社会保障」「モチベーション維持」「専門スキル・経営知識の習得」など様々な課題を抱えています。

    フリーランスの実体:自由な働き方の満足度
    出展:『進化する「未来の働き方」 フリーランス実態調査2018』より

    弊社は今まで仕事マッチング・プラットフォームとしてフリーランスの顧客獲得を支援してきましたが、フリーランスが抱える課題を踏まえて「フリーランスの自由な働き方が最大化できていないのでは」と議論しました。そこで昨年、新成長戦略を発表し、フリーランスの総合的支援をしていく「ランサー生活圏構想」を打ち出しました。そして今年1月より融資サービスなどフリーランスを支援するサービスをリリースし、それらのサービスを統合した「Freelance Basics(フリーランスベーシックス)」も発表しています。

    ランサーズが提唱する「ランサーズ生活圏イメージ図」
    ランサーズ独自の評価システム「タレントスコア」を元に融資の審査なども行う

実績に不安があるフリーランスや新卒フリーランスのサポートも

まだ実績がないフリーランスへのサポートはありますか?

  • 伊藤:会社員からフリーランスになった途端に会社員時代には当たり前に受けられていた専門領域ごとの業務分担や成長機会などがなくなります。その会社員が持つ優位性をフリーランスにも提供し、リソース差分をなくしていくことでフリーランスが会社員と同じく安心・安全な環境で働ける土台を作ろうとしています。

    例えば、これから実績を積みたいフリーランスには「教育」を提供できればと。正社員であれば研修がありますが、フリーランスは自力で専門スキルや会計・法律知識を学ばなくてはいけません。Freelance Basicsでは「成長」「安心」「生産性」の3つの観点とそれに紐づく5領域(「コミュニティ/教育」「金融」「補償/保険」「専門家支援」「業務効率化」)でフリーランスを支援していきます(6/28発表のプレスリリース「フリーランスのバーチャル株式会社化を実現する「Freelance Basics」開始」)。

    ランサーズが2018年6月28日に発表した「Freelance Basics」。
    会社員の優位性をフリーランスにも提供し、リソース差分をなくすことを目指す

新卒フリーランスの要望も増えているのでしょうか?

  • 伊藤:アメリカの調査では、いまミレニアル世代にフリーランスが増えているそうです。日本でもその傾向は強まると考えています。フリーランスに取材をすると、新卒でフリーランスになった方もいらっしゃいます。

    会社員・副業・フリーランス…働き方には色々な選択肢があります。その選択ができる環境も重要です。環境を用意しなければ新卒でフリーランスは選べないと思うので。

教育を必要としているフリーランスも新卒の方が多いのですか?

  • 伊藤:いえ、いまはまだ30代・40代の方が多いです。フリーランスとして更に活躍したいと考える方や、フリーランスになるための学び直しの機会を求める方たちです。ランサーズがスキル獲得と仕事の機会を提供することで、フリーランスとしての第一歩を後押しできると考えています。

フリーランスは、充実した人生を送るための選択肢の一つ

特に女性はライフイベントで大きく人生が変わりますし、フリーランスは女性にマッチした働き方かもしれませんね。

  • 伊藤:そうですね、ランサーズのユーザーさんにも、結婚や子育てのためにフリーランスになられた方がいらっしゃいます。中には子育てのためにフリーランスに転向された男性もおられます。まだ少数ではありますが。

    また、これまではライフステージの変化や副収入がフリーランスや副業という働き方を選択するきっかけに挙がっていましたが、新しいスキルの習得成長のためという人も増加しています。

子育てが一段落した女性が自分の人生を充実させるために、それまでのキャリアを生かしてフリーランスになる場合もありそうですね。

  • 伊藤:これまでは、スキルや営業力がないとフリーランスになるのは難しかったのですが、プラットフォームの成長に伴い、ビジネス系の職種の副業が伸びています。広報や秘書などの事務職でのフリーランスも増え、女性が活躍できる場が広がっています。

フリーランスの生活と収入の関係

実際にフリーランスの収入はどのようになっているのでしょうか。

  • 潮田:フリーランス実態調査によると一人当たりの年間報酬額は昨年と比較して13%も増加しています。特に副業者は20%以上の増加率でした。自営業系では一般正社員の平均年収とほぼ変わらないです。

    フリーランスの種類:フリー年収と対個人年収比率
    出展:『進化する「未来の働き方」 フリーランス実態調査2018』より

  • ただ、フリーランスになってからは自分で会計も経理も全部やる知識はないので、ランサーズの「Freelance Basics」でそこを支援したいと考えています。先日も税理士の先生に費用項目について聞いた記事を公開したのですが、とても好評でした。

    特に経理では「どのような項目があるのか」を理解していないケースや、契約書においてもフリーランスの20%が契約せずにお仕事をしてトラブルになるケースなどがあります。フリーランスにとって専門知識がないまま働くことは非常にリスクが高いので、月額480円で専門家の支援が受けられるサービスなど、専門家による支援の幅を広げていく取り組みを行っています。われわれが提供するコミュニティの中で財務・法務面をサポートしていくので、リテラシーを高めていただければと。

フリーランスの生活圏をサポートしたい

今後、一番力を入れていきたいのはどの部分でしょうか?

  • 潮田:これまでランサーズは仕事の獲得だけをサポートしてきました。しかしいま「フリーランスの生活圏をサポートする」という大きな変換期にいると考えています。働き方の選択肢も非常に流動化しているので、それに合わせてサービスも拡充しています。

    契約、税務、教育、コミュニティ、融資など、社会保障では追いつかない部分を事業としてサポートしていければ、よりフリーランスの方々が働きやすい土台が作れるのではないではないかと考えています。例えば、職種ごとのコミュニティやフリーランスに限定したシェアハウスを作るなどですね。

  • 伊藤:また、いつでも会社員からフリーランスになれる、フリーランスから会社員に戻れるという、価値観の変革もしていきたいです。そういう環境が整えば、個人にとって自分らしい働き方を選択しやすくなり、個人が持つ能力や才能(タレント)を最大限に発揮できる社会になると思います。フリーランスが抱える課題を解決し、自分らしい働き方をサポートするということですね。

今回のインタビューでは、伊藤さんも潮田さんも常ににこやかに対応していただきました

* * *

2018年、ランサーズよりFreelance Basicsの一部である教育支援やコミュニティ形成など、フリーランス向け支援サービスのリリースが発表されました。

フリーランス向けクレジットカード『FreCa(フリカ)』を開発
フリーランス向け、「ベーシックワーク制度」の実証実験を開始
『フリーランス専用のコワーキングスペースを無償提供開始』

独自の調査をもとに、フリーランスを支援し経済圏を作ろうと試みるランサーズ。単なる仕事紹介プラットフォームとしてではなく、そこで働くフリーランスの生活にまで考えを広げ、より働きやすい未来を描いています。

フリーのライター&Webディレクター。2017年5月にオランダに移住しWeb構築やライティングなどを中心に活動中。オランダでは剣道用品の販売も。持っている資格は剣道五段、TOEIC880点。趣味は旅行と読書と寝ること。https://1design.jp/
Twitter:https://twitter.com/mariko_cabin442
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