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Azureを採用した3社が事例を披露、de:code 2018プレスラウンドテーブル

2018年7月9日(月)
高橋 正和

 5月22日〜23日に開催された、日本マイクロソフトの技術者向けカンファレンス「de:code 2018」。会場では、基調講演にも登壇したJulia Liuson氏(Corporate Vice President, Developer Division)を囲むプレスラウンドテーブルが開かれた。

 このプレスラウンドテーブルでは、Azureを採用したクラウドネイティブアプリケーションの事例が、株式会社イノベーション、株式会社オルターブース、クラウドキャスト株式会社の3社によってそれぞれ披露された。

左から、松村優大氏(株式会社オルターブース)、矢ヶ崎哲宏氏(株式会社イノベーション)、Julia Liuson氏、星川高志氏(株式会社クラウドキャスト)
左から、松村優大氏(株式会社オルターブース)、矢ヶ崎哲宏氏(株式会社イノベーション)、Julia Liuson氏、星川高志氏(株式会社クラウドキャスト)

マーケティングオートメーションサービスをAWSからAzureに移行

矢ヶ崎哲宏氏(株式会社イノベーション)
矢ヶ崎哲宏氏(株式会社イノベーション)

 株式会社イノベーションは、法人向けインターネットマーケティング支援の会社だ。法人営業のプロセスの前半としてオウンドメディア事業を、後半としてセールスクラウド事業を展開している。今回の事例となったのは、セールスクラウド事業のマーケティングオートメーションサービス「List Finder」だ。

 List Finderは、これまでAWS上で動いていたが、Azureに全面移行中だという。「今のAzureは3〜4年前と別物になっていると感じる」と、同社の矢ヶ崎哲宏氏はコメントした。

 List Finderではその性質上、アクセス計測のトラフィックがスパイクし、増減が激しい。それに対しては、Azure Functionsを採用し、さらにAzure Service Busで緩衝しているという。

 アプリケーション本体はすべてコンテナベースにし、WebApp for Containerで動かしている。コードはGitHubで管理し、そこからCircleCIによるCI/CDで、Azure Container Registryに登録し、自動的にステージング環境にデプロイ。リリースしてOKとなったら、Blue/Green deploymentによりプロダクション環境と入れかえる。

 今後については、AKS(Azure Kubernetes Service)の活用や、コグニティブサービスの積極利用、開発環境とプロダクション環境の差異をなくすこと、Webでなくコードで操作するInfrastructure as Codeを進めることなどを矢ヶ崎氏は語った。

List Finderのシステム構成
List Finderのシステム構成
CI/CDの構成
CI/CDの構成

.NET CoreでマイクロサービスとAzure Functionsを活用

松村優大氏(株式会社オルターブース)
松村優大氏(株式会社オルターブース)

 株式会社オルターブースは、「クラウドを最大限に活用し社会課題を解決するテクノロジーカンパニー」をビジョンにしていると、同社の松村優大氏は説明した。その手段としてAzureを活用し、Microsoft Partner of The Year 2017を受賞しているという。

 その一つである、素材の配合を好みに合わせて調合してオリジナルソースを作るフードテックサービス「{ MySauce (Factory); }」では、.NET Coreを使ったマイクロサービスとして構成されていることが紹介された。

 松村氏は、AzureやMSを使ってよかったことを説明。Azureについては、PaaSでサービス継続性が向上することや、Azure FunctionsやLogic Appsでマイクロサービスを実現することを挙げた。また、Visual Studio Team Servicesについては、CI/CDパイプラインを手軽に構築できることを挙げた。さらに、.NET Coreについては、効率よく高品質なアプリケーションを開発可能として、.NET Coreのパイオニアを目指すと語った。

 また、Microsoftへの要望も松村氏は語った。Azure SDKやAzure FunctionsにおけるPHPの拡充、Azure上でSSL証明書の発行や管理ができるマネージドSaaSや、Azure Resouce Templateの充実を希望した。

 さらに、基調講演でもデモされたVisual Studio Live Shareについて「とてもすばらしい」と期待を寄せた。

「{ MySauce (Factory); }」のシステム構成
「{ MySauce (Factory); }」のシステム構成
Microsoftへの期待
Microsoftへの期待

経費精算サービスをダウンタイムなしでAzureへ移行

星川高志氏(株式会社クラウドキャスト)
星川高志氏(株式会社クラウドキャスト)

 株式会社クラウドキャストは、中小企業のB2Bを対象に、フィンテックなどのサービスを提供している。

 代表プロダクトはクラウド経費精算サービスの「staple」で、Good Design Award 2007受賞を受賞している。stapleでは、交通系ICカードによる精算や、領収書のスマートフォン撮影による精算などをサポートしている。

 同社の星川高志氏はMicrosoft出身で、「実は、MS Expenseが使いづらかったのがきっかけでstapleを開発した」という。ちなみにLiuson氏も「Microsoft社内ハッカソンでは、毎回MS Expense対抗ソフトが出てくる」と言って笑った。

 Microsoftプラットフォームの利用としては、まずICカードデータ変換や、タイムスタンプサービスにAzureを使っている。また、社内人事情報の取り込みにAzure ADを利用。カレンダー連携のためにOffice 365を利用している。

 特に、交通系ICカードデータ変換のstapleリーダーはAzureに完全移行した。Dockerコンテナの採用により、数時間でダウンタイムなしに移行できたという。なお、移行を機に、もともとRailsで書いていたものをWindowsプラットフォームに変えたという。

 Azureの特徴としては「日本での強みは営業支援」と星川氏は述べた。またMicrosoftへの要望としては、フィンテックへの投資を期待したいと語った。

stapleでのMicrosoftプラットフォームの利用
stapleでのMicrosoftプラットフォームの利用
stapleリーダーのAzureへの移行
stapleリーダーのAzureへの移行

互いに興味を持ったところは?

 筆者は3者に対し、それぞれ互いの話で興味を持ったところ、見習いたいところを聞いてみた。

 イノベーションの矢ヶ崎氏は自社について「まだAzureを使うというところまで」と分析。ほかの事例の、開発ツールとクラウドの融合を参考にしたいと語った。

 オルターブースの松村氏は、コグニティブサービスによるデータ解析を見習いたいと語った。

 クラウドキャストの星川氏は、まだAzureの一部の機能しか使っていないとして、「新規機能の利用を考えたい」と語った。

フリーランスのライター&編集者。IT系の書籍編集、雑誌編集、Web媒体記者などを経てフリーに。現在、「クラウドWatch」などのWeb媒体や雑誌などに幅広く執筆している。なお、同姓同名の方も多いのでご注意。

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