開発者コミュニティを育てるには DevRelCon Tokyo 2018開催
7月15日に、カンファレンス「DevRelCon Tokyo 2018」が開催された。
DevRelとは、企業が外部の開発者との関係を構築しようとするマーケティングの一種だ。DevRelConは、DevRel関係者どうしで経験を共有するためのカンファレンスとして2015年にロンドンで始まり、以後サンフランシスコや東京、中国(北京、蘇州)など世界で開催されている。
今回のDevRelCon Tokyo 2018は、日本での2回目の開催となる。今回もスピーカーや参加者が世界中から集まった。
ここでは4つの基調講演から、Tomomi Imura氏と小島英輝氏による講演をそれぞれレポートする。
さまざまな方法で開発者に学んでもらう
SlackのTomomi Imura氏は、「Because We Learn Things Differently」と題して、開発者の多様な学び方と、企業がそれに対応する必要性を語った。
Imura氏は、一般的な学び方を「視覚(絵を見る)」、「聴覚(説明を聞く。動画を含む)」、「読み書き(言葉で書かれたものを読む)」、「身体感覚(実践で学ぶ)」に分類。そしてこれらを、開発者向けの説明にあてはめた。
視覚には、ダイアグラムやスクリーンショット、動画、スクリーンキャストなどがある。Imura氏は、APIをイラストやGIFアニメで説明するSlackの例や、スクリーンショットや図を多用したAmazon Alexaの例、フローチャートやダイアグラムを使ったNexmoの例、写真などのビジュアルを使ったAdafruitの例を紹介した。
聴覚には、講義やカンファレンス、ミートアップ、動画、ウェビナー、ポッドキャストなどがある。Imura氏は、Google CloudのYouTubeビデオでの説明や、Microsoftの動画サイトChannel 9の例、AWSのTwitchでのライブ中継の例を紹介した。
読み書きには、ドキュメントやチュートリアル文書、技術記事、本、ソースコード、掲示板などがある。「おそらくこれが、最も一般的な説明方法」だとImura氏は語った。
そして身体感覚には、人生経験、ハンズオン、ワークショップ、ハッカソンなどがある。Imura氏は、Stripeのインタラクティブなオンラインチュートリアルの例を紹介した。
Imura氏はそのほか、DevRelにおける多様性やユニバーサルデザインについても語った。氏自身が女性でアジア人という立場で米国で働いている。それがカンファレンスでトークをするようになり、そこからさまざまな地域や言語のDevRel関係者と知りあったという。
ユニバーサルデザインとしては、非英語地域への考慮がある。その例として、Imura氏は言葉に依存せず図で説明するIKEAの組立説明書を挙げ、同様の手法で公開鍵暗号について解説した例を紹介した。
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