開発者コミュニティを育てるには DevRelCon Tokyo 2018開催
JAWS-UGの例に見る開発者コミュニティを育てる方法
小島英輝氏は「ZEN of Community Marketing」と題し、前職であるAWSでのJAWS-UGコミュニティの経験を元に、企業が開発者コミュニティをいかに育てるかについて語った。
小島氏はコミュニティマーケティングの特徴を「効果的」「スケールする」「質素」の3点で説明した。
従来のマーケティング手法では、人々をボーリングのピンの集まりのように狙うが、コミュニティマーケティングでは「1番ピン」を狙う。また、従来のマーケティングでは認知からセールスなど段階を進むごとに人数が減るが、コミュニティマーケティングでは人が人を呼ぶ。また、コミュニティマーケティングでは顧客が顧客を獲得するので、予算を浪費することがない。
ここで小島氏は、TEDの講演「社会運動はどうやって起こすか」の中で上映された動画を映した。人々が集まっている場所で、1人が踊り出す。最初は笑われるが、最初のフォロワーが続き、どんどん人が増えて集団となることで、最初の1人はリーダーになる。
「コミュニティも同じ」と小島氏は語る。コミュニティも、最初のリーダー(5%)、それに続くフォロワー(15%)へ、さらに一般の人たち(805)へという3段階で成長するという。このリーダーやフォロワーが前述の「1番ピン」となる。
「1番ピン」を獲得するための原則として、小島氏は「Context First」「Output First」「Off-line First」の3つを挙げた。
「ビール&ピザ(懇親会)は楽しいが、Contextにはならない」と小島氏。アウトプットを起点にしてコミュニティからさらに外の人が呼び込まれる。さらに、その過程において、オフラインからオンラインへ、さらにオフラインへと広がっていく。「私はオフラインから始めることを勧める。そしてハッシュタグはオフラインとオンラインをつなぐのに有効」と小島氏。
さらに人数が多くなってくると、JAWSでは、contextual(テーマ別)の支部やregional(地域別)の支部に分かれて活動を広げたという。
こうしたコミュニティマーケティングを始めるには、まずファンが必要だと小島は語った。「enthusiasm(熱意)がコミュニティづくりの燃料。そこがインフルエンサーマーケティングとは違う」(小島氏)。
そのために、ファンから「1番ピン」を探す。その候補の人たちに会って、応援していく。「もちろん、DevRelは1番ピンを探すのによい機会だ」と小島氏は語った。
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