動画配信サーバーと配信インフラはどう?
まずは動画の配信方法から
動画の配信方法には、「ライブ配信」と「オンデマンド配信」があります(図1-1)、配信方式には「ストリーミング方式」と「ダウンロード方式」があります(図1-2)。
ライブ配信は、映像をリアルタイムエンコードし、順次動画配信する必要がありますのでストリーミングサーバーが必須になります。また、オンデマンド配信はWebサーバー/ストリーミングサーバー両方の使用が可能です。
オンデマンド配信は、Webサーバーからの配信の場合、一度にデータを配信するので回線やサーバーに負担をかける恐れがあります。一方、ストリーミングサーバーからの配信の場合は、ネットワーク環境/再生環境に合わせて動画データを転送するので、動画の途中で好きなところから映像を見たり、早送りする事もできます。通常、動画配信ではストリーミングサーバーを使用しますが、Webサーバーに比べ、ストリーミングサーバーのほうが使用料が割高なので、Webサーバーからのダウンロード配信が使われる事もあります。
また以前は、Windows Mediaストリーミング配信ならばクライアントPCに映像を保存できませんでしたが、現在ではフリーツールでダウンロード保存ができます。コンテンツビジネスにとってはWindows Media DRM対応になります。
次に、動画配信システムのそれぞれの特徴を紹介します。
Windows Media VideoとFlash Video
現在、PC上の動画配信で普及しているプラットフォームはWindows Media VideoとFlash Videoです。
Windows Media Videoは、Windows Serverの機能であるWindows Mediaサービスがストリーミングサーバー機能を提供しており、Flash VideoではFlash Media Serverがストリーミングサーバー機能を提供しています(図1-3)。両者の主な違いは3つ挙げられます。
1つ目は、プレーヤーの違いです。
もちろんWindows Media VideoはWindows Media Playerが必要で、Flash Videoではswfファイルを利用するためFlash Playerが必要になります。Macではブラウザ/デフォルト環境としても、Windows Media Playerの使用に制限があります。一方、Flash PlayerはMac、Windows、Linuxなど幅広い環境で利用可能です。
2つ目は、DRM(Digital Rights Management:デジタル著作権管理)の問題です。
Windows Mediaは以前からWindows Media DRMが用意されており、コンテンツビジネスで数多く活用されていますが、Flash Videoはツールを使えば映像コンテンツをローカルにダウンロードできる問題があるため、RTMPEを新たに実装してきていますが、現状で実績が少ないようです。
3つ目は、ライブ配信の実績です。
Windows Mediaは以前からWindows Mediaエンコーダとストリーミングサーバーを使ったライブ配信で実績が豊富です。Flash VideoでもAdobe Flash Media Live EncoderとFlash Media Serverを使ったライブ配信が可能ですが、現状で実績が少ないようです。
ここで、メタファイルについて説明します。
メタファイルとは、テキストファイルで、動画コンテンツを送信するための番組表とイメージしてください。また、動画のさまざまな属性を定義したりします。Webサイトを公開する時は、ページ間にリンク設定をしますが、ストリーミングの場合は、直接動画データにリンクをはらずに、「メタファイル」という番組表経由でリンク設定します。リンクをクリックすると、メタファイルの番組表を見て動画配信の順番や条件を判断します。
次は、どういった動画配信を実施したいかを踏まえた自社サーバー/ホスティングサーバーの選択について紹介します。