ファイルサーバ乱立を統合ストレージで解決!
「作成されるデータ量>ストレージ容量」の現実
企業内には数多くのファイルサーバが立ち上がっていることが多く見受けられる。多くはWindowsサーバの内蔵ディスク、もしくはにDAS(直接接続型ストレージ)形態で接続したシステムになっている。だが、この「DASを使用するサーバ」というアプローチは、サーバの増加、使用率の低下、非効率なバックアップにつながりやすい。また、管理オーバーヘッドが高くなるため、システム拡張も困難である。
このような場合は、システムをファイバ・チャネルSANに移行することも容易ではない。
そこで、既存のネットワークで接続できる専用NASを導入することで課題の解決を考えてみよう。既存のLANインフラストラクチャに接続することにより、ファイルまたはブロックのどちらを保存しているかにかかわらず、すべてのDASを専用NASに統合が可能である。ここでは、Windowsファイルサーバ乱立の傾向と、具体的な対策方法について解説する。
企業において保管されるべきデータは増加する一方だ。IDCの最新の報告では、すでに2007年の時点で毎年生成されるデータ量が実ストレージ容量を上回っているという(図1)。
このデータ量の増加に対し、なぜストレージ容量は増えていないのだろうか。その要因のひとつとして、増え続けるデータ量に見合ったIT投資が行えないことがあげられる。
限られたIT投資の中で必要なデータを確実に保存できる環境を整えるためには、長期的な観点に立ったストレージの確保が急務だ。そこで本記事では、このギャップが生まれる原因から解決の道筋までを紹介していく。
データ量増加の原因は非構造化データにある
現在増加しているデータには大きく分けて「構造化データ」と「非構造化データ」の2種類がある。特に増加が著しいものが非構造化データで、これはビジネスで利用・保存されるべきデータが変化している現れとも言える。
この非構造化データは、これまで紙で管理していた書類の電子化や、オフィスドキュメント、画像、映像、リッチコンテンツなど、従来は各ユーザが個別のPCに保存していたものである。情報の共有の観点から、これらのファイルをファイルサーバ上で管理するという形態が注目されているほか、コンプライアンスの観点から一定期間データを保存しておく必要が生じたことも、データ量の増加の要因となっている。
このような非構造化データの保存先は、安価なIAサーバを使って部門ごとにWindowsファイルサーバを構築/運用しているケースが多い。しかも専任ではない人員が運用にあたっている場合、運用のポリシーに一貫性が無く、非常に無駄の多い環境となっている。次ページでは、この問題点について見ていこう。