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| サザンカンパニーの社内無線システムの効果 | ||||||||||||
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ミシシッピ電力は、ハリケーン・カトリーナ再上陸の24時間前に本社の暴風対策センター機能をバックアップオフィスに移転させました(表3)。
表3:ハリケーン・カトリーナ再上陸前の具体的な応急対策・対応の例(再掲) (上院聴聞会のビデオ・資料、その他公開資料を参考にみずほ情報総研作成) 当該災害を通して、このバックアップオフィスは生き残りましたが、固定電話および携帯電話は不通の状態でした。この際、最後の通信手段となったのが、SouthernLink Wireless(サザンカンパニーの通信子会社)が提供する無線システムでした。 この無線システムは、モトローラのiDEN(integrated Digital Enhanced Network)技術を利用した商用無線システムです。この無線システムの最大の特徴は、プッシュ型無線通信機能(トランシーバのように、ボタン操作でグループ会話が可能)を備えていることです。それ以外に、デジタル携帯電話、SMS(注3)、無線データ・ファクシミリ通信などの機能を利用することができます。
※注3:
SMS(Short Message Service)とは、携帯電話同士で短い文字メッセージを送受信できるサービス。
しかもこの無線システムは、強風に強い無線塔と冗長化した電子機器を持つ基地局を備えています。ハリケーン・カトリーナ再上陸後、いくつかの基地局が被害を受けましたが、3日後には災害前のレベルにまで機能を回復したようです。 なお、サザンカンパニーでは、この無線システムを日常の業務用通信システムとして採用していましたが、この他にも非常用通信システムとして、衛星電話やマイクロ波回線、衛星インターネットサービスなども導入していました。 日本国内においても、大規模震災に備えて災害に強い通信システムの整備が検討されており、この一環として、自治体レベルで衛星電話が非常用通信システム(バックアップ通信システム)として導入されています。 サザンカンパニーのケースのように、日常の業務で利用している通信システムが非常用通信システムとして機能したことは、企業における今後の非常用通信システムのあり方を考える際に、大きな示唆を与えるものではないでしょうか。 次回は、スターウッドホテルの事例について解説します。 |
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