第3回:Storage Foundation の仮想化プラットフォーム (2/3)

シマンテックイエローブック
ストレージ管理の標準化

第3回:Storage Foundation の仮想化プラットフォーム

著者:シマンテック   2007/5/1
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仮想ボリューム

   VxVMが提供する仮想ボリューム(通常は単にボリュームと呼ばれる)は、ファイルシステムやユーティリティからすれば、ディスクドライブのようなブロックストレージデバイスとして映ります。VxVMは管理対象のディスクドライブやLUN の主な特性を生かすことによって、基盤になっているハードウェアデイバスよりも高い信頼性やI/O処理速度を実現するだけでなく、ディスクドライブにはない高度な機能(デバイスのキャパシティを増減する機能や、たとえばRAID5からミラー化に透過的に切り替える機能など)も提供します。

   ディスクドライブによく似たボリュームの動作には、大きな利点があります。ほとんどのストレージユーティリティプログラム、ファイルシステム、データベース管理システムは、ディスクドライブに格納されているデータを操作するように設計されています。

   ボリュームはディスクドライブのように動作するので、余分の労力をかけなくても、それらのアプリケーションやデータマネージャでボリュームをそのまま利用できます。また、仮想ボリュームのデータの信頼性の高さやI/O処理速度の速さという恩恵を、特に変更を加えることなくそのまま受けることもできます。

   ボリュームの高度な機能特性に対応したVxFSファイルシステムなどのアプリケーションやデータマネージャは、その高度な機能を利用できます。たとえば、VxFSの管理コマンドによって、ファイルシステムが占有するボリュームのサイズを増やしたり、ファイルシステムのデータ構造を変更して追加のストレージキャパシティを利用したりすることが可能です。

   他のベンダーによって開発されたアプリケーションも、VxVMのボリューム特性を活用できます。たとえば、クラッシュ後の再起動を制御するODM(Oracle Disk Manager)機能を使えば、VxVMがミラー化ボリューム内の特定のミラーからデータを読み取ったり、ミラー化ボリュームの書き込みログをバイパスしたりすることが可能になります。

ボリュームとLUN

   ディスクアレイによって構成されるストレージの論理ユニット(LUN)とボリュームには多くの共通点があります。アプリケーションやデータマネージャの観点からすれば、どちらもディスクドライブのように動作します。どちらの実装にも、複数のディスクドライブを管理し、ディスクドライブのような仮想デバイスを提供するソフトウェアを使用します。どちらも、基盤になっているディスクより、速いI/O処理速度や高いデータの信頼性を実現できます。それでも、ディスクアレイによって構成されるLUNとVxVMのボリュームの間には、表1に示す通り6つの重要な違いがあります。

特性 VxVM のボリュームとディスクアレイのLUN の違い
適用範囲 ストレージネットワークにLUNを提供するソフトウェアはディスクアレイの中で実行されるので、その制御範囲はそのアレイの中のディスクドライブに限定されます。VxVMは、アプリケーションまたはデータベースサーバーの中で実行されるので、サーバーからアクセスできるあらゆるLUNを仮想ボリュームに組み込むことができます。別のディスクアレイによって構成されるLUNも対象になります
サポートされているデバイス ディスクアレイのLUNは、必然的にそのアレイの中のディスクドライブによって構成しなければなりません。ディスクアレイのハードウェアオプションは通常、2、3種類のディスクドライブに限定されています。VxVMは原則として、ホストオペレーティングシステムによって提供される、物理ストレージデバイスまたは仮想ストレージデバイスを利用できます。
仮想デバイスの種類 ディスクアレイのLUNの設定オプションは、VxVMによってサポートされている構成オプションよりも少なくなる傾向があります。たとえば、VxVMの場合は、さまざまなデバイスに格納されているデータのミラー(同一コピー)またはストライプ(セグメント)の数に関して特に制限はありませんが、ほとんどのディスクアレイでは、そのどちらについても数が制限されています
仮想デバイスの命名方式 ディスクドライブとディスクアレイのLUNの名前は通常、オペレーティングシステムがI/Oバスまたはストレージネットワークのアドレスに基づいて決めるので、管理者は、デバイスをアプリケーションやファイルシステムと関連付けるリストを管理しなければなりません。VxVMには、オブジェクトを相互に関連付けるためのデフォルト名に関する柔軟な命名スキームが用意されています。さらに、管理者が、物理的な位置、格納先のファイルシステムやデータベース、業務上の目的などのアプリケーション関連の要件に基づいて、ボリュームに名前を付けるのも自由です
サポートされている設定 ほとんどのディスクアレイでは、1 つのLUNを構成するすべてのディスクドライブが同一の種類になっていなければなりません。VxVMは、多種多様なストレージデバイスからなるボリュームをサポートできます。たとえば、エンタープライズディスクアレイで構成されるLUNを、同じ種類の別のアレイで構成されるLUN や、別の種類のアレイで構成されるLUN、さらにはコントロールサーバーに直接接続したディスクドライブによってミラー化することも可能です。
マルチパス
による
アクセス
ディスクアレイの中のディスクドライブは通常、1つか2つの物理I/Oパスでコントローラに接続します。一方、ディスクアレイのLUNは、複数のストレージネットワークパスでサーバーに接続するのが普通です。VxVMは、耐障害性のためにLUN とホストの間の複数のパスを管理しており、特にマルチパスによるLUNへの同時アクセスをサポートするディスクアレイの場合は、処理速度を改善することも可能です。

表1:LUNとVxVMのボリュームの違い


仮想ボリュームのコストと利点

   サーバーベースのボリュームの利点にはコストも伴います。ディスクアレイのLUNの管理に必要な計算処理能力は、ディスクアレイのプロセッサが提供するので、実質的に「埋没した」コストと言えますが、VxVMは、ボリュームの管理のためにアプリケーションサバーの計算処理能力を使用します。

   ほとんどの種類のボリュームでは、VxVMが消費する計算処理能力は微々たるものです。ただし、小規模なアプリケーション書き込みを頻繁に繰り返すRAID5のボリュームは例外です。この種のボリュームの場合は、ディスクアレイベースの同等のRAID5で設定したボリュームの場合と比べて、パリティ更新と書き込みログに必要な計算処理とI/Oによって、小規模な書き込みの処理速度にかなりの違いが生じる可能性があります。

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株式会社シマンテック
著者プロフィール
株式会社シマンテック
シマンテックは、情報のセキュリティ、アベイラビリティ、整合性の確保に役立つソリューションを個人や企業のお客様に提供する世界的なリーダーです。米国カリフォルニア州クパティーノに本社を置くシマンテック コーポレーションは、現在、世界40ヶ国以上で事業を展開しています。

http://www.symantec.com/jp


INDEX
第3回:Storage Foundation の仮想化プラットフォーム
  Veritas Storage Foundation
仮想ボリューム
  VxFSファイルシステム
ストレージ管理の標準化
第1回 ストレージ管理の必要性
第2回 ストレージ管理の複雑さを解消するための方法
第3回 Storage Foundation の仮想化プラットフォーム
第4回 マルチティアストレージの有効利用
第5回 Storage Foundationのコアの概要(VxVM)
第6回 Storage Foundationのコアの概要(VxFS)
第7回 Storage Foundationの使い方

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