第4回:インストール時の注意点とチューニングポイント (2/4)

VMware ESX Server サーバ統合ガイド
VMware ESX Server サーバ統合ガイド

第4回:インストール時の注意点とチューニングポイント

著者:デル   2006/8/14
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インストール後

   ESX Serverソフトウェアのインストール後は、次を実行します。
  1. VMkernel用のスワップ・ファイルを作成し、それを有効にします。このスワップ・ファイルは、VMに割り当て可能な予備メモリとして活用できるため、リソース管理能力が強化されます。
  2. ローカルのVMFSパーティションに名前を付けます。これによって使い勝手が向上すると共に、たとえ、1台以上の周辺機器が追加または削除されたとしても、このローカルなVMディスク・ファイルへのアクセスを維持することができます。
  3. サーバ内のVMにアップリンクが必要な場合は、仮想スイッチを作成し、その仮想スイッチに1つ以上の外部送信用アダプタをバインドします。

表3:インストール後の手順

   これらの手順に関する詳細は、「VMware ESX Server 2.5.1 Installation Guide」をご参照ください。


VMotionの構成に関する推奨事項

   VMotion機能を利用するには、次のガイドラインに従ってください。

  1. VMFSボリュームを「public」モードに設定します。
  2. VMotionを使用するには、VMotion用に構成するすべてのESX Serverシステム間で、Gigabit Ethernet対応のネットワークをセットアップする必要があります。
  3. 各仮想NICに、ファーム内全域で通用するグローバルなネットワーク・ラベルを付けます。

表4:VMotion機能を利用する際のガイドライン

   VMotion構成のセットアップに関する詳細は、以下のURLをご参照ください。



デル・ブレード・サーバにESX Serverをインストールする方法

   デル・ブレード・サーバにESXをインストールする手順は、以下のURLのリソースセンターに掲載されているガイド、「Deployment of VMware ESX 2.5.1 Server Software on Dell PowerEdge BladeServers」(日本語版:「Dell PowerEdgeブレード・サーバを対象としたVMware ESX Server 2.5.1の導入」)をご参照ください。



ESX Serverソフトウェアを運用するSAN環境のセットアップ

   VMotionテクノロジなどの拡張機能を利用するには、Dell | EMC CX300、CX500、または、CX700などのストレージ・デバイスを採用したストレージ・エリア・ネットワーク(SAN)環境が必要です。ここからは、SAN関連の一般的な用語をご紹介した後、SAN環境のセットアップ手順を説明します。

LUN
論理ユニット番号(Logical Unit Number)の略です。1台または複数の物理ディスクから成るディスク・セットを識別するために付けられます。
RAIDグループ
1台または複数の物理ディスクを集めたものです。LUNを使用するには、RAIDグループを作成した後、それをLUNにバインドする必要があります。
ストレージ・グループ
1台〜複数のサーバと、1つ〜複数のLUNを1つにまとめたグループを指します。ストレージ・グループ内のサーバは、同じストレージ・グループ内にあるLUNのみにアクセスできます。ストレージ・グループは、一般にアクセス制御を行う手段として利用されます。 Navisphere環境内でストレージ・グループを作成、使用するには、Access Logix(注3)オプションを有効にする必要があります。
ゾーニング
ゾーンを設定することで、ファイバチャネル・デバイス間のアクセス制御が可能になります。たとえばスイッチ側でゾーンを設定すると、特定のストレージ・デバイスにアクセスを許すサーバ・グループを切り分けることができます。

表5:用語解説

※注3: Access Logixとは、Navisphereに含まれるソフトウェア・コンポーネントの1つで、上述のストレージ・システムにインストールする必要があります。

   通常、SANをセットアップする際は、次の手順を踏みます。

  1. CX300、CX500、または、CX700ストレージ・デバイスをインストールした後、セットアップします。
  2. スイッチにてゾーンを設定します。
  3. RAIDグループを作成します。
  4. LUNを作成し(注4)、RAIDグループにバインドします。
  5. SANに接続する各サーバ(ホスト)を手動で登録します(詳しい手順は、下記をご参照ください)。
  6. ストレージ・グループをいくつか作成し、各グループにESX ServerシステムとLUNを加えます。

表6:SAN環境のセットアップ手順

※注4: LUNを作成するときは、ストレージ・プロセッサにLUNが自動的に割り当てられるよう、「Auto Assign」を選択してください。この方法により負荷分散の効率性が上がるため、強くお勧めします。

   ストレージ・デバイスのセットアップや、LUN、RAIDグループ、ストレージ・グループの作成方法に関する詳細は、「EMC Navisphere Manager: Administrator’s Guide」をご参照ください。このガイドは、CXシリーズ・ストレージ製品に添付のCD-ROMに収録されています。


手動によるサーバの登録

   Navisphere Managerを使用し、手動でホスト・サーバを登録するには、次の手順に従います。

  1. Navisphere Managerを起動し、「Storage」タブをクリックします。目的のストレージ・システム上で右クリックし、「Connectivity Status」を選択します。すると、接続しているホストに搭載された全HBAのWWN(World Wide Number)が表示されます。
  2. WWNを選んだ後、「Register」を選択すると、そのWWNに対応するHBAが上記で選択したストレージ・デバイスに登録されます。
  3. 次のオプションを選択します。
    • 「Initiator Type」:CLARiiON Open
    • 「Failover Mode」:1
    • 「Array CommPath」:Enabled
    • 「Unit Serial Number」:Array
  4. サーバのホスト名とIPアドレスを入力したら、「OK」を押します。当該ストレージ・デバイスに接続されているすべてのWWNについて、この手順を繰り返します。
  5. 以上で、ホスト・サーバがストレージ・デバイスに登録されます。次に、ホストをストレージ・グループに加えます。このとき、VMFSファイルの保存に使用するLUNも同じグループに追加します。

表7:手動でホスト・サーバを登録する手順

※注5: ESX Serverソフトウェアは、EMCのPowerPathをサポートしません。いずれにせよESX Serverソフトウェアにはマルチパスとフェイルオーバ機能が含まれているため、PowerPathが必要になることはありません。

   特定のサーバにインストールされたHBAのWWNを確認するには、次のコマンドをサービス・コンソール上で実行します。


wwpn.pl


負荷分散の手動セットアップ

   ESX Serverソフトウェアは、負荷分散の自動設定をサポートしません。負荷分散を実施するには、ESX MUIを使い、各LUNを対称に優先パスを手動で設定する必要があります。負荷分散の詳細は、以下のURLに掲載されている「Configuring redundancy and load balancing in Dell |EMC Storage for VMware ESX Server Software」をご参照ください。


SAN上にディスク・イメージを配置したWindows仮想マシンに関する推奨事項(Windowsのみ)

   SANにディスク・イメージを格納してWindowsのVMを運用する場合、「regedit」ユーティリティを使ってWindowsのレジストリを次のように変更します。

  1. 次のレジストリ・フォルダを右クリックします。
    KEY_LOCAL_MACHINE\System\CurrentControlSet\Services\Disk\
  2. TimeOutValueという名前の新しいDWORDを追加し、この値を60秒以上に設定します。

表8:Windowsのレジストリ変更手順

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デル株式会社
著者プロフィール
著者:デル株式会社
デルはスケーラブル・エンタープライズ戦略の重要な要素の1つとして、VMware社の仮想化技術を用いたサーバ統合ソリューションを提供しています。業界標準技術を採用した、デルのPowerEdgeサーバとDell | EMCストレージから構成されるハードウェアプラットフォームと、仮想化ソフトウェア「VMware ESX Server」、仮想マシン管理ツール「VirtualCenter」、仮想マシンの無停止マイグレーション技術「VMotion」を組み合わせることにより、柔軟でコストパフォーマンスに優れるサーバインフラストラクチャが構築可能です。

http://www.dell.com/jp/


INDEX
第4回:インストール時の注意点とチューニングポイント
  ESX Server 2.5.1ソフトウェアのインストール
インストール後
  VMware ESX Server環境で利用するDell OpenManage
  ゲスト・オペレーティングシステム
VMware ESX Server サーバ統合ガイド
第1回 VMware関連基礎用語
第2回 仮想化環境の設計と物理サーバから仮想マシンへの移行方法
第3回 サーバの構成
第4回 インストール時の注意点とチューニングポイント
第5回 SANブート
第6回 ブレード・サーバへの導入
第7回 Dell PowerEdge 1855ブレードサーバのVMware VMotion性能
第8回 ブレードサーバで構築するVMware ESX ServerのVLANネットワーク
第9回 VMware ESX Serverの性能〜ベンチマークテスト
第10回 ブレードサーバのLAMP性能特性とサイジング(前編)
第11回 ブレードサーバのLAMP性能特性とサイジング(後編)
第12回 メール・プロトコル環境における仮想CPU(導入編)
第13回 メール・プロトコル環境における仮想CPU(仮想化CPU機能編)
第14回 メール・プロトコル環境における仮想CPU(リソース管理編)
第15回 デュアルコア・サーバによるVMware ESX Serverの性能向上

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