第4回:インストール時の注意点とチューニングポイント (4/4)

VMware ESX Server サーバ統合ガイド
VMware ESX Server サーバ統合ガイド

第4回:インストール時の注意点とチューニングポイント

著者:デル   2006/8/14
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ゲスト・オペレーティングシステム

   今回の最後にゲストOSと各VMwareツールの性能をあげるチューニングポイントを紹介します。

   仮想マシンのインストール方法については、最新の「VMware Guest Operating System Installation Guide」をご参照ください。

ゲストOSの性能チューニング

   以降の推奨事項に従うと、デフォルト設定を使ってインストールしたゲストOSと各VMwareツールの性能を飛躍的に向上させることができるため、デルのサポート構成では是非実施してください(性能向上に対する実際の効果は、構成内容によって異なります)。


最新バージョンのVMwareツールをインストール

   最新バージョンのVMwareツールをインストールすると、ビデオとマウスの性能が向上するうえ、その他の利点も得られます。

   ゲストOSがLinuxの場合、ゲストOSにVMwareツールをインストールしてから、Xサーバの構成に移ります。たとえば、ビデオ・カードをインストールするときは、「Skip X Configuration」を選択します。


視覚効果を無効にする

   CPUを大量に消費するスクリーンセーバーや視覚効果は無効にします。

   ゲストOSがWindowsの場合、視覚効果をなるべく使わないようにします。新しいバージョンのWindowsでは、メニューやダイアログボックスの表示にアニメーション効果、影付き、スタイル、その他の視覚効果を加えることができますが、これらの機能は性能低下を招きかねず、仮想マシンの応答速度に遅れが出る可能性があります。このような視覚効果を無効にするには、次の手順に従ってください。

  1. ゲスト・オペレーティングシステムのデスクトップ上で「マイコンピュータ」を右クリックします。
  2. 「プロパティ → 詳細設定」を選択します。
  3. 「パフォーマンス」セクションの「設定」をクリックします。
  4. 「パフォーマンスを優先する」を選び、すべての視覚効果を無効にします。
  5. オプションで、「パフォーマンスオプション」ダイアログボックスの「カスタム」セクションから不要な機能を無効にすることもできます。

表10:視覚効果を無効にする際の手順

仮想CD-ROMドライブの切断

   仮想CD-ROMドライブを使用する必要がない場合は、切断してください。VMは、CD-ROMではなく、サービス・コンソール内のISOファイルに接続することで性能が向上します。


vmxnetデバイスを用いる

   仮想NICとして使用するvlanceデバイスを、vmxnetデバイスに変えます。PXE(Pre-boot Execution Environment)経由でブートする必要のないVMはすべて、仮想NICにvlanceではなく、vmxnetを使うよう強くお勧めします。vmxnet仮想NICのインストール手順は、「ESX Server 2.5 Installation Guide」をご参照ください。Gigabit Ethernetを使用し、VMに広バンド幅が必要な環境では、この方法で性能を向上することができます。


ページング・ファイルのサイズを固定する

   ページング・ファイルのサイズを、一定の値に固定します(Windowsのみ)。

   ページング・ファイルのデフォルト設定をそのまま採用すると、Windowsは必要に応じて、ページング・ファイルのサイズを設定値の範囲内で動的に変えてしまいます。ページング・ファイルの拡張・縮小はドライブのI/O処理が伴うため、性能低下の原因となります。ページング・ファイルのサイズを固定するには、次の手順に従ってください。

  1. ゲスト・オペレーティングシステムのデスクトップ上で「マイコンピュータ」を右クリックします。
  2. 「プロパティ → 詳細設定」を選択します。
  3. 「パフォーマンス」セクションの「設定」をクリックします。
  4. 「詳細設定」タブをクリックします。
  5. 「仮想メモリ」セクションの「変更」ボタンを押します。
  6. 「初期サイズ」と「最大サイズ」に同じ値を設定します。ここには、割り当てられたメモリ量以上の値を設定してください。
  7. 「設定」をクリックしてから、「OK」を押します。

表11:ページング・ファイルのサイズを固定する際の手順


適切なカーネルのインストール

   VMに割り当てたプロセッサ数に応じて、適切なカーネル(UPまたはSMP)をインストールします。

   VMに割り当てる仮想プロセッサ数を1基から複数に変更する場合、ゲストVMはSMPカーネルを使う必要があるため注意してください。


ゲストOSにインストールされたアプリケーションの性能チューニング

   Windowsターミナルサービスを使用する場合、ワークロード属性を「Terminal Services」に設定します(Windowsのみ)。

   ワークロード属性を「Terminal Services」に設定すれば、Windowsターミナルサービス(WTS)の性能を向上することができます。このオプションは、MUIを使って仮想マシンを作成するときに選択できます。また、仮想マシンの構成ファイルに次の行を加えても、同様の設定が可能です。

workload = "TerminalServices"

   性能向上に関するその他の推奨事項は、以下のURLに掲載されている「Guest Operating System Installation Guide」をご参照ください。


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デル株式会社
著者プロフィール
著者:デル株式会社
デルはスケーラブル・エンタープライズ戦略の重要な要素の1つとして、VMware社の仮想化技術を用いたサーバ統合ソリューションを提供しています。業界標準技術を採用した、デルのPowerEdgeサーバとDell | EMCストレージから構成されるハードウェアプラットフォームと、仮想化ソフトウェア「VMware ESX Server」、仮想マシン管理ツール「VirtualCenter」、仮想マシンの無停止マイグレーション技術「VMotion」を組み合わせることにより、柔軟でコストパフォーマンスに優れるサーバインフラストラクチャが構築可能です。

http://www.dell.com/jp/


INDEX
第4回:インストール時の注意点とチューニングポイント
  ESX Server 2.5.1ソフトウェアのインストール
  インストール後
  VMware ESX Server環境で利用するDell OpenManage
ゲスト・オペレーティングシステム
VMware ESX Server サーバ統合ガイド
第1回 VMware関連基礎用語
第2回 仮想化環境の設計と物理サーバから仮想マシンへの移行方法
第3回 サーバの構成
第4回 インストール時の注意点とチューニングポイント
第5回 SANブート
第6回 ブレード・サーバへの導入
第7回 Dell PowerEdge 1855ブレードサーバのVMware VMotion性能
第8回 ブレードサーバで構築するVMware ESX ServerのVLANネットワーク
第9回 VMware ESX Serverの性能〜ベンチマークテスト
第10回 ブレードサーバのLAMP性能特性とサイジング(前編)
第11回 ブレードサーバのLAMP性能特性とサイジング(後編)
第12回 メール・プロトコル環境における仮想CPU(導入編)
第13回 メール・プロトコル環境における仮想CPU(仮想化CPU機能編)
第14回 メール・プロトコル環境における仮想CPU(リソース管理編)
第15回 デュアルコア・サーバによるVMware ESX Serverの性能向上

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