2006年のERP市場は、中堅企業向けが主戦場に
中堅業向けERPで伸長したパッケージは(2004年、2005年調査)
大企業向けERPを含めた全体の動向では、前回(2004年)調査同様に首位はSAPで、2位はOracleだった。ただしSAPは1.6ポイント 減、Oracleは5ポイント減で両社あわせて39.3%となり、全体のシェアの中では4割を切っている(前回45.9%)。また3位は SuperStreamで9.4%だった。

図3:ERPパッケージの導入状況
出展:ERP研究推進フォーラム
一方、中堅企業向けERPで伸びが大きかったのは、COMPANY(2.0% → 6.5%)、OBIC7(2.0% → 4.3%)で、それぞれ5位と6位だった。前回調査で9.7%(3位)だったGLOVIAは今回、GLOVIA-Cとglovia.comの2つに分け た。結果はそれぞれ7.2%(4位)と2.9%(9位)で、合わせると10.1%となり、前回を若干上回った。
今回の調査の傾向として、前回調査と同様に中堅・中小企業向けに注力している製品のシェアが高まったといえよう。
また中堅企業向けには、国産のERPパッケージベンダーが多くのパッケージを投入しており、2006年度は大手ERPベンダーの中堅企業向けERPパッケージと国産ERPパッケージの厳しい戦いになるものと予想される。
この中堅企業向けのERPパッケージは、大手ERPベンダーが中堅企業向けのパッケージをだしており、SAP JapanはSAP Business Oneを、日本オラクルではOracle NEOを市場に投入して、中堅企業を取り込む戦略にでている。
提供されるERPパッケージが増えるということは、利用者側にとって選択肢が増えるわけであり歓迎すべきことと考える。しかし、数多くのERPパッケージの中から、各企業の要求にあったERPパッケージを選択することは容易ではない。
ここまで述べてきたように、2006年度は中堅企業向けのERPに注目が集まっていることは明らかだ。そこで本連載では中堅企業向けERPパッケージ9社の協力により、各社の製品・サービスの紹介を行い選択の指針としていただければ幸いである。
ノークリサーチの調査によると2005年度のERPの市場規模は約676億円、2006年度では約740億円で、年率9%を超える伸びが見込まれている。大企業向けERPの伸び率がほぼフラットになっている傾向からも、2006年度は中堅企業向けが主戦場になることは間違いなさそうである。