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| ハリケーン・カトリーナ危機に対するBCMに成功した米国企業 | |||||||||||||||
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「第1回:BCMとは何か」では、連邦・州・地方政府のハリケーン・カトリーナ危機への対応について様々な問題点が明らかにされたことについて解説しました。このこととは対照的に、BCMの一環として当該危機への対応に成功し、連邦議会(上院)から賞賛された米国企業があります。 その代表的な企業として、Southern Company(以降、サザンカンパニー)、Starwood Hotels and Resorts Worldwide(以降、スターウッドホテル)、Wal-Mart Stores(以降、ウォルマート)をあげることができます。 これらの企業は、連邦政府のハリケーン・カトリーナ対応問題に関する上院の聴聞会(議題:「連邦政府が民間企業のハリケーン・カトリーナ危機への対応から学ぶべきことは何か?」)に喚問され、当該災害に対してどのように準備して対応したかについて証言を求められ、BCMに成功した秘訣を聞かれました。 本連載では上院の聴聞会の内容などをもとに、上記3社の当該災害に対するBCMの成功事例について紹介します。第2回となる今回は、サザンカンパニーの事例を取り上げます。 なお、これから述べる事例は、上院の聴聞会のビデオ・資料およびその他公開情報に基づき、筆者の判断で整理したものであることを、あらかじめお断りしておきます。 |
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| サザンカンパニーが被ったハリケーン・カトリーナによる被害 | |||||||||||||||
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サザンカンパニーは、ジョージア州アトランタに本社を持つ、米国南西部最大の地域エネルギー会社(従業員約26,000人)です。同社はミシシッピ電力、アラバマ電力、ジョージア電力、ガルフ電力などの子会社を有する米国有数の発電会社であり、420万ものクライアントを持っています。 ハリケーン・カトリーナ災害は、同社にとって過去最悪の自然災害でした。表1に示した通り、同社はその子会社であるミシシッピ電力がもっとも大きな被害を受け、全クライアント(19万5千)が停電するなどの大打撃を受けました。
※注1:
ハリケーン・カトリーナが直撃し、甚大な被害を与えたメキシコ湾岸地域にあるガルフポート市に位置する。
※注2: ハリケーン・カトリーナは最初にフロリダ半島に上陸し、その後メキシコ湾に抜けてルイジアナ州南部に上陸した。再上陸後のメキシコ湾沿岸地域の被害が甚大であった。 表1:ハリケーン・カトリーナによるサザンカンパニーの被害状況 (上院聴聞会のビデオ・資料、その他公開資料を参考にみずほ情報総研作成) 同社の子会社全体では、322の送電用鉄塔、2,500マイルにも上る電力線、10,400本の電柱が破壊されるなどの被害により、97万ものクライアントが停電しました。 しかし驚くべきことに、このような被害にもかかわらず同社は当該災害に対する周到な準備および迅速な復旧活動により、ハリケーン・カトリーナ再上陸後、わずか12日間で停電の復旧に成功しました。 このため、同社は2006年に、米国の電気事業者組織の1つであるエジソン電気協会(EEI:Edison Electric Institute)から、当該災害における抜群の復旧活動について、「応急対応賞」が贈られています。 |
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