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| ERP5の導入 | ||||||||||
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最終回の今回は、「第3回:ERP5を支える思想と技術」で紹介したオープンソースERP「ERP5」の導入事例を見ていきましょう。 ERP5導入の全体的な流れは図1のようになります。これはその他のERPにも適用できます。なお実際のプロジェクトではこれらのステップが前後することもあります。 ![]() 図1:ERP5導入の全体的な流れ |
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| ERPの選択・検討 | ||||||||||
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ERP導入を考慮する企業では、まず「自社がERPを必要としているのか」と問うことからはじめねばなりません。ERPは全社に関わる意志決定によって導入されるべきなので、ERPの効用を吟味し、企業としての方針を打ち立てることが重要です。 その際、新規のERP導入によって、どこまでERPを業務に適用するかを決める必要があります。ERPシステムを採用するからといって、すべてをERPによって管理しなければならないわけではありません。実際、ERP5の導入を決定したセネガル共和国のADIE(Agence Del'informatique de l'Etat:情報省)では、会計や予算管理に利用を限定しました。ERP5では既存のシステムとの連携を容易に実現できるので、全面的な置き換えというリスクを背負うよりも、部分的な適用の方がコストに見合う場合も多いのです。 ERP導入を決定した場合、「第2回:ERPの選択基準」で述べた選択基準を元に、どのERPパッケージを導入するかを決定します。あらゆるERPを検討することは困難ですが、興味のある代表的なERPを調査するとよいでしょう。 この段階では、ベンダーに問い合わせを行い、デモンストレーションを行ってもらい、実際にアプリケーションが動作する様子を確認することが肝要です。 |
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| 仕様の策定 | ||||||||||
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導入するERPが決定したら、ソフトウェアの機能や動作について、仕様を策定しなければなりません。ベンダーは顧客の現場の視察やビジネスコンサルティングによって、相互理解を深めつつ、現実的な仕様の決定を手助けし、スケジュールを確認していきます。 策定された仕様の扱い方は顧客次第ですが、ERP5にはコンサルティング用のビジネステンプレートが用意されており、このビジネステンプレートに含まれるモジュール群を活用することができます。 例えば航空宇宙産業のInfoterraのERP5導入事例では、親会社であるEADSの要求上、ISO9000などの規格に基づく数多くの文書が必要でした。このような場合、これらの大量の文書を「ドキュメントモジュール」によって管理することで、共同作業で文書の作成を進めることができます。 しかし、品質保証規格による文書作成には相当なコストがかかりますので、予算が潤沢でないならば、文書化作業を縮小した方がよい場合もあります。小規模の企業では、そこまで厳密な文書を必要としないことが多いので、その場合には比較的緩やかな形式で済ませます。 また、こうして策定された仕様の一部は「ユースケースモジュール」に登録することができます。例えば現場で行われる業務のパターンをユースケースとして記述することができます。図2は中央銀行の事例で、小切手の現金化に関わる窓口業務のユースケースの一部を簡略化して示します。 ![]() 図2:銀行業務におけるユースケースの一部 登録されたユースケースは、機能テストに変換して品質保証を行うテストとして実行したり、後日のユーザテストで活用することができます。また開発者が開発時にモデルとして参考にする場合もあります。 |
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