第3回:KDDIテクノロジー斉藤社長が欲しい「究極のレジュメ」

第3回:番号ポータビリティで加入者急増。「au」事業の中心を担う技術者集団 KDDIテクノロジー斉藤社長が欲しい「究極のレジュメ」
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第3回:KDDIテクノロジー斉藤社長が欲しい「究極のレジュメ」
編者:Tech総研  2006/11/15
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au事業の中核プロジェクトを任せたい人材とは?

 今回話を聞いたのは、移動体通信サービス「au」を展開するKDDIの技術者集団、株式会社KDDIテクノロジーの斉藤利治社長。自身も技術者として、88年の同社創業時から画像通信システム開発に携わり、36歳という若さで現職に抜擢。KDDI合併後、事業の軸足を携帯電話の商品開発に転換してからは、第2創業期の意気込みでさまざまなサービスを展開している。

 現在、KDDIグループが全社をあげて取り組んでいるのが、プラットフォームの共通化。その技術開発の中心を担うのがKDDIテクノロジーなのである。番号ポータビリティを迎え、熾烈な競争が繰り広げられる携帯端末の開発。はたして斉藤氏は、どんなエンジニアにau事業の骨幹を担うプロジェクトを任せたいと考えるのか? そのスペックについて明らかにしていこう。

株式会社KDDIテクノロジー/ケータイを技術力で進化させるプロジェクトリーダー及び候補
事業概要 au携帯に実装されるプラットフォーム開発、アプリケーション開発、実装支援、移動機品質評価など、ケータイを支えるコアな部分を作り上げていく技術者集団。料金を大幅に低価格化した「EZチャンネルプラス」や、他キャリアの利用者とも通話できる新方式の「テレビ電話」など、利用者のニーズを網羅するサービス展開が注目されている。
■プラットフォームの共通化に乗り出す

 携帯電話サービスの加入者数は9500万件を超え、年間の端末出荷台数は4000万台強。携帯端末も「多品種少ロット化」が進んでいる。だが、さすがにこれだけ多くの端末が次から次へと発売され、しかも端末ごとにユーザー満足度の高いソフトウェアを組み込むとなると、メーカー側の開発コストは膨れ上がる。これではあまりにも大変。

 今はコンプライアンス重視の観点から、メーカーは自社でソフトを作らず、大手ベンダーに外注しているケースがほとんど。しかしこのようなやり方では、膨れ上がる開発コストは抑えられない。ではどうするか。コストを削減し、かつ「モノづくり」の現場をしっかり見ていくには誰が適任か。そこで名乗りを上げたのが、我々キャリアというわけだ。

 開発コストを抑え、メーカーの負担を軽減し、さらにユーザー満足度の高いサービスを提供していくために、我々はプラットフォームの共通化に乗り出す。ソフトウェアで差別化する時代はもう終わり。これからは、例えばどんな端末でも「LISMO」が使えるようにならないと。そうすればユーザーもあれこれ悩まず、単純にデザインなどのハード面で端末を選べるようになる。auはもともと「商品企画」(コンテンツ)に強く、成功してきた実積がある。今後はその勢いを堅持しつつ、さらに「商品開発」の分野にも注力していく。「モノづくり」の現場を知っている経験豊富な技術者が必要だ。
斉藤利治氏
株式会社KDDIテクノロジー
代表取締役社長
斉藤利治氏

学歴・年収・語学・言語  年齢相応の年収をもらっていない人は不安 

最終学歴 大学卒
年収

(中堅)1000万円
(若手)600万円
英語力実務経験 文書読解
実務内容 海外のニュースなどは、大体読めるレベル。
備考欄 会話は得意ではありませんが、海外のエンジニアとのメールのやりとり、簡単なニュースや文献なら読むことができます。
使用言語関連 C 実務経験3年以上
C++ 実務経験3年以上
斉藤利治氏  理工学部出身が望ましいが、あくまでも経験重視。逆に、学歴や学部に固執していたり、経験不足を資格でカバーしている人はいらない。英語力や使用言語も、正直あまり気にしない。もちろん、どちらもスキルがないよりあったほうがいいが、ないからといって評価を下げることはしない。年収は、年齢相応の金額をもらっているかが気になるところ。例えば、40歳で「700万欲しい」と相場より低い金額を言ってくる技術者は、当社ではいらない。むしろ27歳で「700万欲しい」と言ってくるような実力派の技術者が欲しい。40歳であれば、現在1000万前後もらっていて、「1200万欲しい」と言えるような人であってほしい。若手の場合、例えば25歳くらいで現在の年収500万前後でも、優秀なら700万出してもいい。いや、それくらい出したいと思える人が欲しい。


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