機能一覧表とI/O関連図

2005年7月1日(金)
梅田 弘之(うめだ ひろゆき)

機能一覧は各工程で活用される


   機能一覧表は、文字通り開発対象となるアプリケーション機能を一覧にしたもので、システム化の対象を明確に表す資料となります。「機能一覧表」は、契約時に作成しておくドキュメントですが、表1のようにプロジェクトの各段階でその情報が活用されます。
工程 利用形態
見積 見積範囲の明確化と機能ごとの見積工数(金額)
契約 開発範囲の明確化
詳細設計 詳細設計作業の進捗管理(担当者割当/予定・実績管理)
プログラミング プログラミング作業の進捗管理(担当者割当/予定・実績管理)
単体テスト 単体テストの進捗管理(担当者割当/予定・実績管理)
マニュアル作成 マニュアル作成の進捗管理(担当者割当/予定・実績管理)

表1:機能一覧の利用形態

   図2のように、見積範囲を明確化する「機能別見積一覧表」が作成済みであればそれをもとに作成しますが、ファンクションポイント法などのように機能別ではなく本数換算で見積を行った場合は、契約時に請負範囲確定のために作成します。

   また、スケジュール管理のため機能ごとの進捗管理を行う場合、この機能一覧表」をもとにして「機能別進捗管理表」を作成します。これは機能単位に担当者を割り当て、作業の予定と実績を対比させる形式です。詳細設計、プログラミング、単体テスト、マニュアル作成など、機能単位で作業を行うものに対して有効な進捗管理表となります。

   弊社の体系では、コスト管理、スケジュール管理のための管理資料(「機能別見積一覧表」と「機能別進捗管理表」)はPYRAMIDの範疇で、「機能一覧表」はユーザに提出する設計ドキュメントの一覧を表すものとしてDUNGEONのアウトプットとしています。

機能一覧情報の展開
図2:機能一覧情報の展開

著者
梅田 弘之(うめだ ひろゆき)
株式会社システムインテグレータ

東芝、SCSKを経て1995年に株式会社システムインテグレータを設立し、現在、代表取締役社長。2006年東証マザーズ、2014年東証第一部、2019年東証スタンダード上場。

前職で日本最初のERP「ProActive」を作った後に独立し、日本初のECパッケージ「SI Web Shopping」や開発支援ツール「SI Object Browser」を開発。日本初のWebベースのERP「GRANDIT」をコンソーシアム方式で開発し、統合型プロジェクト管理システム「SI Object Browser PM」など、独創的なアイデアの製品を次々とリリース。

主な著書に「Oracle8入門」シリーズや「SQL Server7.0徹底入門」、「実践SQL」などのRDBMS系、「グラス片手にデータベース設計入門」シリーズや「パッケージから学ぶ4大分野の業務知識」などの業務知識系、「実践!プロジェクト管理入門」シリーズ、「統合型プロジェクト管理のススメ」などのプロジェクト管理系、最近ではThink ITの連載をまとめた「これからのSIerの話をしよう」「エンジニアなら知っておきたいAIのキホン」「エンジニアなら知っておきたい システム設計とドキュメント」を刊行。

「日本のITの近代化」と「日本のITを世界に」の2つのテーマをライフワークに掲げている。

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