新しいSOAの実装方法「クライアント型SOA」のすすめ 7

今回のまとめ

今回のまとめ

   ご存知のように、SOAとはService Oriented Archtectureの略であり、サービスの組み換えを念頭に置いたアーキテクチャです。そしてその本意はユーザオリエンテッドであることであると確信しております。

   今回、例として取り上げたモデルは、まさに利用者であるネットショップを中心にした販売先(ECモール)と仕入れ元(ecosecを代表するような卸サービス)のチェーンを低価格に作業効率よく実現しているユーザオリエンテッドなアーキテクチャです。

   用途が見えてこないとささやかれているSOAですが、クライアント型SOAという形でこういった分野から普及がはじまるかもしれません。

   現状のシステム環境を見てみると、利用者はクライアントPC上のブラウザを通して放射線状に複数のサービスを利用しています。しかしこれだけではク ライアント型SOAのような連携性がないため、各サービスと自社システムとの連携そして各社のサービス間の連携が取れていない独立した状態になっていま す。これらを組み替え、連携させ、実現するSOAがクライアント型SOAなのです。

   このクライアント型SOAの適用範囲は今回紹介しましたネットショップのみならず、利用者が複数のサービスを利用しているような市場であれば、サービスプロバイダおよび利用者は、どこでもクライアント型SOA活用メリットを享受できると考えています。

   ぜひ皆様もSOAの新しい形としてのクライアント型SOAをご自身のビジネスに置き換えて、採用メリットをイメージしてみてください。今まで気がつ かなかった新しいビジネスが見えてくるかもしれません。そして今後のクライアント型SOA市場の動向に是非ご注目ください。

次回について

   今回で7回目を数える本コラムですが、今までは比較的社外サーバとの接続を中心に解説を行ってきました。この部分がクライアント型SOAのわかりや すい適用範囲ということもありましたが、次回はいよいよ社内使用におけるクライアント型SOAについて触れていきたいと思います。

   かなり主観が入っていますが、一般的なSOAベンダーが訴求している内使用におけるSOAの用途というものは、ERPに興味を持たれなかったお客様に対してSOAという別の切り口でアピールするための施策に思えてなりません。

   SOAはサービスオリエンテッドでなければなりませんので、柔軟性が不可欠です。システム的に柔軟性がなければ論外ですが、システム的に柔軟でも、 その裏腹に大きなコストがかかるようであれば、それはコスト的に柔軟ではないのです。サービスオリエンテッドなシステムをシステム面とコスト面で実現して こそ、実践的なSOAであると信じています。

   私が所属しているサイオという会社では、現在社内システムでのクライアント型SOAのソリューションの確立に取り込んでいます。このコラムを執筆し ている時点では訴求力が高い汎用的なクライアント型SOAの社内向けソリューションは確立されていませんが、そのソリューションの中でも効果が高いと思わ れるソリューションモデルを次回紹介したいと思います。是非ご期待ください。

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