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| ますます多様化する企業のIT活用目的 | ||||||||||||
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野村総合研究所(以下、NRI)は、企業のITマネジメントに関するアンケート調査を、継続して実施している。本連載では、2003年11月と2004年11月の調査をもとにした分析結果を紹介する。いずれの調査においても、全業種にわたる上場企業約450社から回答をいただくことができた。回答者は各企業のIT(情報システム)担当役員やIT部門長である。 第1のポイントは、企業のIT投資額の増減についてである。2004年度のIT投資を、前年度と比べてみると、39.9%の企業が「ほぼ同額」、15.2%の企業が「10%未満の微増」、11.3%の企業が「10%未満の微減」と回答しており、おおかたは横ばいであった。一方、「30%以上の大幅増」と回答した企業が10.2%あるのに対して、「30%以上の大幅減」とした企業は、3.6%と少なく、全体としては、増加した企業数が減少した企業数を大きく上回っている。 これを、「2003年度はその前の年度より増えたか」、「2005年度は増える見込みか」という時系列で比較すると、「10%未満の微増」と「20%までの増加」とする企業の合計が17%、23%、29%と増えており、少しずつではあるが、IT投資を積極的に行う企業は増加する傾向にあるようである(図1)。 第2のポイントは、今後の重点的IT活用テーマについてである。企業は、IT投資を主にどんな目的に振り向けているのであろうか。 2004年に「最重視」または「重視」と回答した企業の合計は、「業務プロセス標準化支援」「情報活用支援」「業務効率化支援」「経営管理機能強化支援」が、それぞれ3割前後となっており、拮抗している。ただし、「最重視」と回答した企業だけでみると、「事業・サービス創造支援」が17%弱で、「業務プロセス標準化支援」と並んで、最も多くの企業があげている。このように、かつてはIT活用といえば、「業務効率化」が主目的とされていたことと比べれば、大きく様変わりしていることがわかる(図2)。 2003年の調査結果からの変化をみても、前年の2大テーマであった「業務効率化支援」と「情報活用支援」をあげる企業が減り、「情報・プロセス統合支援」も一段落したのか、大幅に減っている。「業務プロセス標準化支援」と「事業・サービス創造支援」を重要視する企業が増えているのは、グループ経営を志向する企業や攻めの経営に転じた企業が増えていることの表れといえようか。 いずれにせよ、各企業が置かれている事業環境や抱えている経営課題によって、IT活用の目的もますます多様化し、より企業個別の戦略を反映したものになってきていることがうかがえる。 |
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