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第2回:ソーシャル・コミュニティ・マーケティングを実践しよう!
著者:イースリー  戸辺 淳一郎   2006/3/22
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STEP1:集客

   今回は前回で取り上げたモデルケースを使いながら、本格的なソーシャル・コミュニティ・マーケティングの実践に迫ります。まず、モデルケースを表1に再掲します。
実施企業 自社ブランドを持つスポーツグッズ販売ECサイト「イースリー」アンテナショップとして機能する実店舗が1店だけある
ブランド名 eFutsal
目的 顧客を増やす → 顧客が顧客を呼ぶ仕組み(唱和する顧客)の形成顧客の購買単価 = ライフタイムバリューを上げる → 顧客と長く付き合える仕組みの形成自社ブランドを確立する → フットサルのスポーツグッズといえば「eFutsal」という意識の形成
SNSツール comnit

表1:モデルケース(再掲)

   核になる初期会員というのは200〜300名程度が妥当なのですが、前回紹介した「コミュニティサイト立ち上げ初期の会員(顧客)は質を最重要視する」ということを考えると、この数を集めることだけでも大変です。今回の仮想企業「イースリー」では、まず表2の2つの手段で初期の会員を集めました。

  1. ECサイトで購買した顧客の中でRFM分析のランクが高い方へメール配信
  2. アンテナショップに来店してくれた顧客の中から、特に親しい人にだけ直接お知らせ

表2:コミュニティサイト初期会員の募集方法

   しかし集まった数は予定には少し足りず、120名程度でした。招待制のコミュニティの会員数の増加は図1のような曲線を描くのが一般的ですので、この会員数のまま進めてしまっては、コミュニケーションが活性化しはじめる人数である200〜300名になるまでに時間がかかってしまいます。

会員数の増加曲線
図1:会員数の増加曲線


会員の一般公募での注意点

   そこで、今回イースリーでは表1の手段に加えて一般公募も行いました。「一般公募で入会者に特典を与えたりするキャンペーンを行うのでしょうか?」とんでもありません。そんなことをしてしまってはインセンティブ目当ての会員が集まってしまい、「質を最重要視」という考え方と正反対の結果になりかねません。

   ここでは多数の会員を集めることではなく、あくまでも目標となる初期会員数に足りない分を補うということが目的となります。

   ですので、「質を最重要視」という考え方を忘れてはいけません。こういう目的の場合は、応募資格を定めることにより、質を落とすことなく会員を集めることができます。応募資格の定め方はコミュニティの位置づけや実施企業の業種などによって様々ですが、表3の項目を基準として考えるとよいと思います。

  1. 自社の顧客となり得ること
  2. インターネットに対する興味が高いこと
  3. まわりへの影響力がある程度見込めること

表3:コミュニティサイトの応募資格の定め方

   この考え方をもとに、イースリーでは「フットサルチームに所属しており、チームのWebサイトがあること」を会員条件としました。これを踏まえ、表4のステップで足りない分の初期会員を募集しました。

  1. コミュニティサイトがオープンしたことをWebサイト上で告知する
  2. 基本的には招待制であることを伝えた上で、モニタの募集を行っている旨を説明する
  3. 「フットサルチームに所属しており、チームのWebサイトがあること」を応募資格とする
  4. 応募フォームでは上記のチームのWebサイトのURLを入力させる
  5. イースリーの事務局にて応募内容を審査し、合格した方へ改めて招待状をだす

表4:不足会員を募集する際のステップ

   これで、このコミュニティの核となる会員を、なんとか200名ほど集めることができました。

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株式会社イースリー 代表取締役CTO 戸辺淳一郎
著者プロフィール
株式会社イースリー
代表取締役CTO   戸辺淳一郎

2003年8月にイースリーを設立。Webシステム構築の請負、パッケージ開発を行うかたわら自社サービスの展開を目指している。Webアプリの開発の現場においては、最高の品質を提供できるようにすることを追求している。現在では主にプロジェクトマネジメントに携わっているが、現場の技術から離れないように、毎日趣味でのプログラミングも欠かさない。毎日何かを吸収しないと気がすまない。

INDEX
第2回:ソーシャル・コミュニティ・マーケティングを実践しよう!
STEP1:集客
  STEP2:コミュニケーションを育む
  事務局側が準備すること
  悪いコミュニケーション促進の例