Yahoo! JAPAN、新コンセプトモデル「さわれる検索」の3Dデータとアプリケーションをオープン化
ヤフー(以下、Yahoo! JAPAN)は、9月より実施してきた「さわれる検索」プロジェクトの活動報告と今後の展開について発表した。
「さわれる検索」とは、これまでのインターネット利用のスタイルであった文字・音声入力によって情報を「見る」「聞く」ことから、情報を「さわる」ことに発展させたコンセプトモデル。3Dデータベースと3Dプリンタを融合させることにより、音声入力によって認識されたキーワードを3Dプリンタからの出力によって実際の「立体物」を生成し、アウトプットするという仕組みになっている。
Yahoo! JAPANの広告全般を統括する部門であるマーケティングソリューションカンパニーは、広告領域において「アート&サイエンス」を推進、新しい広告を積極的に提案しており、このコンセプトモデルを通じて、「インターネットを通して、ユーザーに立体イメージを届ける」という新しい広告表現の可能性を提示し、より良い広告の未来にチャレンジしていきたいと考え、「さわれる検索」を開発し、プロジェクトを実施してきた。
◆「さわれる検索」プロジェクト活動報告
「さわれる検索」プロジェクトは、9月20日(金)から10月31日(木)まで筑波大学附属視覚特別支援学校(盲学校)で実施し、視覚障害を持つ生徒たちが90個以上の「さわれる」を体験した。生徒たちは自分が知っているものを出力して形を再確認したり、名前は知っているが形のイメージがはっきりしないものを出力し、実際に触ることで自己の認識を補完するなど、それぞれが自由に学んだ。また、法人・個人を問わず世界中から投稿・蓄積されたデータを中心に、約240個の3Dデータが「さわれる検索」マシンから検索可能となった。
◆「さわれる検索」プロジェクト今後の展開
Yahoo! JAPANはこのインターネットの未来を表現した「さわれる検索」をもっと広く、もっと多くの人に届けるために、作成した3Dデータ並びにアプリケーションをオープン化することを決定した。さらに「さわれる検索」マシンは筑波大学に寄贈することを決め、今後は筑波大学の管轄のもと、より多くの方々に触れて頂く機会を設けることになった。
・「さわれる検索」で作成した3Dデータは、 MakerBot社の運営する世界最大級の3Dデータ共有コミュニティサイトThingiverseにアップロード。無料でダウンロードが可能になる。
・「さわれる検索」アプリケーション(音声入力から3D出力までの自動化)はソースコード共有コミュニティサイトGitHubにてオープンソース化する。
・「さわれる検索」マシンは筑波大学に寄贈し、年度内は塙保己一(はなわ ほきいち)学園、横浜市立盲特別支援学校の2校への貸し出しを予定している。
また、今回「さわれる検索」マシンに使用した3Dプリンタ(Replicator2)のメーカーであるMakerBot社は、このプロジェクトに賛同し、「さわれる検索」アプリケーションのオープンソース化を記念して、「Replicator2」を日本の盲学校に寄贈する予定。進捗は、プロジェクトサイト(http://sawareru.jp)で随時報告する。
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