IoTがヘルスケアを変化させる3つの例
IoTは今やクールな考え方と認識されるようになった。自動運転車から音声認識デバイスを備えたスマートホームなど、IoTイノベーションに感銘を受けないことはないほどだ。だがIoTは日々のタスクやビジネス目標の達成を簡単なものにするだけでなく、それ以上のこと、例えば人命救助にも役立つ。
日々、我々はヘルスケアの問題と取り組み、新しいIoTアプリケーションを目にする。この分野での驚くべき成果はどこまで行っても底が見える気配がない。そこで、IoTがヘルスケアの提供をどのように変えるかを示す3つの例を紹介しようと思う。
Curo – 高齢者の自立を叶えるIoT
課題
ヘルスケア業界の飛躍的な進歩は、予測寿命や世界的な長寿化に直接的な影響を与えている。確かに人は長く健康的に生きるようになったが、高齢化に伴う慢性病や運動能力の低下、救急救命の必要性が高まるという問題も出てきた。これまでの場合は、病気になると長期入院や介護設備のある施設へ移り住むのが普通だった。
今日ではCuroのような革新的なヘルスケア企業の存在により、高齢者のケアはKOREセルラーネットワークを通じてよりフレキシブルかつ便利に行うことができ、高齢者が自宅で独立した生活を送ることが可能になっている。
解決策
もともとオーストラリアに本拠地があったCuroは、老後の自立の実現だけでなく、愛する人達と満ち足りた生活を送ることができ、緊急時には救護者が迅速かつ効率的に対応できる「自宅での老後生活」の為のソリューションへのニーズに気がついた。
そこでCuroはユーザーの家に取り付けられたセンサーからの情報で状態をモニターするSaaSベースのIoTヘルスケアソリューションを開発した。数多く取り付けられたセンサーからは自動的にデータが送信され、ユーザーは何かのデバイスを身につけたり操作を行ったりする必要がない。
主な成果
・ 介護者が必要な時に駆けつけられることを保証
・ 家族や愛する人々に情報と安全を提供
・ 介護会社がより多くの情報にアクセスできるようになりサービスが改善
・ 高齢者にとって苦痛や煩わしさがない方法を提供
・ 緊急時の早期介入と低コストでの対応が可能
OrganTracker – 安全で効率的な移植臓器の輸送を可能に
課題
全米臓移植のためのネットワーク(UNOS)によると、アメリカでは移植臓器を待つ患者が10万人以上いる。患者によっては最大5年も臓器提供を待つこともある。またその臓器を移植に使えるのは4~24時間以内に限られる為、提供された臓器が患者まで迅速かつ安全に届けられることが重要となる。物流でのエラーや連絡の行き違いが起これば提供された臓器が無駄になるばかりか、患者の命も失われかねない。
解決策
既に土建や保険業、保安業者向けの輸送部隊とGPSトラッキングソリューションを持っていたNovipodは、この従来のアプリケーションを超え、新しい製品 OrganTrackerを開発した。OrganTrackerはハードウェアと通信技術、およびソフトウェアプラットフォームを組み合わせ、臓器移植のためのデータをリアルタイムで送信するものだ。
Position Logic製の高精度のGPS機能に加え、OrganTrackerは温度、光量、衝撃、湿度、気圧など、臓器輸送上重要な数値もIoTを通じて医療機関に送信する。
主な成果
・ ドナーから患者までの臓器輸送を効率的かつ安全に輸送する
・ ヒューマンエラーや誤った連絡の行き違いを低減
・ 臓器移植の成功率向上
・ 臓器移植に関するより良い情報に基づいた、意思決定を可能にする能力
Livongo – 糖尿病管理の簡素化
課題
2012年のアメリカでの糖尿病患者数は2910万人であり、更に8600万人がこの疾患を発症するリスクが高い。糖尿病は潜在的な合併症や、病状管理が複雑かつコストもかかり、生活の上でも重い負担となり、人々に大きな影響を及ぼす。
自動化されたIoTソリューションはこれまで多くの慢性疾患のケアの提供を簡略化、改善してきたが、糖尿病について大きな取り組みはされてこなかった。Livongoは医療用デバイス業界におけるこのギャップに気づき、糖尿病を含む多くの病気治療の為のデジタルヘルスソリューションを提供する早期導入の草分けとして出発した。
解決策
Livongoはこの種のデバイスとして初めて自動的に血糖値の情報をクラウドにアップロードし、患者や医者だけでなく家族などもネットでデータにアクセスできるIoT計測器を開発した。デジタル記録記憶装置は、糖尿病患者が血糖値記録を付けなければならない煩わしさから解放した。さらにLivongoのアプリケーションは生のデータを貴重な情報に変換し、患者のケアや糖尿病管理のパーソナライゼーションに効果的に役立つデータを提供する。
主な成果
・ 血糖値データに簡単にアクセスでき、記録及び追跡の実現
・ 糖尿病管理を改善する為、リアルタイムに個人に合わせたメッセージを得る
・ 血糖値が閾値を超えた際は医師や家族に自動的に通知
・ 計測値のデータ解析に基づく適切な意思決定の実現
・ 認可を受けた糖尿病指導者から受けられるリアルタイムのサポート
これらは、IoTテクノロジーがどのようにヘルスケアを変えるのかという3つの例に過ぎない。もし同じような製品やソリューションをもっており、それを早く市場に出したいというのであれば、我々に相談することを考えてみてほしい。
この記事はKOREとの協力により執筆された。
著者はKORE Wireless Group IncのCEOであり、ヨーロッパ、北米、アジアを含む世界中のネットワーク・通信業界で20年以上の経験を持つ。彼は無線、企業向けサービス、固定回線サービスにおいて豊かな見識があり、米国・カナダの数あるテクノロジー企業の諮問委員会にも席を置く。2015年にはIoTおよびM2Mの取引団体 IoT M2Mカウンシルの議長を一年勤めた。
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