真のSEOを達成するための構築手法
ユーザーとユーザーニーズの把握
ビジネス成果の獲得という真のSEO目的を達成するためには、ユーザーとユーザーニーズを把握する必要があります。まず、自社のターゲットとなるユーザー層とはどのような人々でどのようなニーズを抱えているのか、これを余すところ無く詳細に洗い出しを行います。これによって、Webサイトで提供すべきサービスや情報を明確に把握するところから始めます。
具体的な方法として、まずは現状のWebサイトに対する客観的な調査を行います。アクセスログ解析によるユーザーニーズや利用状況の把握、ユーザービリティやアクセシビリティの観点でのチェックによる情報構造上の問題点の把握、有効キーワードによる検索結果の順位など、複合的な調査によって客観的事実を積み上げていきます。
また、企業内のさまざまな担当者に対するヒアリングを行うことによって、Webサイトのみならずリアルのユーザーニーズ、担当者自身が考えるWebサイトの問題点、利用状況に対する認識、企業内におけるWebサイトの位置づけなど、今後のWebサイト方針に関する事柄までをも拾い上げます。この作業を通じて、単にWebサイトをどうするという話だけではなく、企業戦略の一部としてどのようにWebサイトを活用すればよいのか、全体方針を導き出していきます。
この結果、ネットとリアル双方を含めたユーザーとユーザーニーズを具体的に把握することができます。ここにヒアリングを通じて得たWebサイトの位置づけや今後のWebサイト方針などを加味することで、企業としてWebサイトで達成すべき目的を明確に見据えることが可能になります。
単にユーザーとユーザーニーズを洗い出すのではなく、企業としてどのようにしてユーザーにアプローチしていくのかを見据えた全体戦略を合わせて明確にすることによって、ビジネス成果をもたらすWebサイトの準備を整えることができるのです。
ユーザー体験シナリオの作成
次にユーザーが目的を達成するまでの導線を確立します。具体的には前回触れた「ユーザー体験シナリオ」の作成を通じて行います。ユーザー体験シナリオとは、企業とユーザーの間に発生する定常的な関係性を図式化したものです。
SEO施策が成果に結びついていない企業のWebサイトでは、企業とユーザーとの関係性に少なからず問題が発生しているものです。この問題に対する改善ポイントを明確にし、ユーザーとの間で企業が実現すべき関係性を導き出すのがユーザー体験シナリオの本来の役割です。この工程ではユーザーが企業とのすべての接点において満足体験を得て、問題解決に至るまでの導線を確立することが一番の課題となります。
ユーザーの目指すゴールは、Webサイトの中だけに限られるものではありません。資料請求であったり、営業担当者との面談であったりと、リアルでの対応が必要な場合もあります。つまり、Webサイトの外での施策を含めた導線の用意がユーザーの満足体験には必須です。ここでヒアリングを通じて得た情報が役に立ってきます。企業としてWebサイトの外で行っているユーザー対応や今後新たに行うべき取り組みについても、ユーザー体験シナリオを通じて得ることができます。
ユーザー体験シナリオの作成は、まずユーザーニーズに対するゴールを設定し、そこから想定されるユーザーアクションをさかのぼっていくところから始めます。次に、定義されたユーザーアクションの各工程において企業が提供すべきサービスを1つずつ付記していきます。こうしてすべての項目が埋まると最終的にシナリオと呼ばれる導線が完成します。このシナリオこそがユーザー導線の基準となるものです。
ユーザー導線の精度を上げるためには、ユーザーニーズの数だけこのシナリオを作ることが望ましいでしょう。あらゆるユーザーニーズに対応したシナリオを定義することによって、想定されるすべてのユーザーニーズに対する導線が事前に確立できるためです。
こうして得られたシナリオによって、ユーザーが目的を達成するために必要な導線が導き出されます。Webサイトの設計においてこの導線を生かすことによって、ユーザーの目的を達成することができる構造を具現化することができる、というわけです。
加えてシナリオからは、各工程においてユーザーが目的達成のために必要とするコンテンツが導き出されます。各工程におけるWebサイトですべき事柄を提供すべきサービスとしてとらえることによって、最終的にWebサイトで必要とされる情報が何かを明確につかむことができるのです。
ユーザー導線だけではなく、ユーザーの目的達成のために必要なコンテンツまでをも導きだすユーザー体験シナリオは、真のSEO効果を獲得する上で欠かせないアプローチ手法と言えるでしょう。