Eclipse3ではじめるJava Webアプリケーション開発 11

Antの利用

Antとは   AntはApache Antプロジェクトが提供しているビルドツールです。

宮本 信二

2005年3月30日 20:00

Antとは

   AntはApache Antプロジェクトが提供しているビルドツールです。

   EclipseなどのIDEを使っていると忘れてしまいがちですが、Java Webアプリケーションを実行するまでには、ソース編集 → コンパイル → パッケージング → デプロイという流れの作業が必要になります。これら一連の作業を記述しておき、コマンド一発で呼び出すのがビルドツールです。

   Antもビルドツールの一種ですが、Antは以下のような特徴を持っています。

  • Ant自体はJavaで書かれている
  • ビルドファイルをXML形式で記述する
  • さまざまな「タスク」が提供されている

Javaで書かれており、XMLでビルドが記述されているため、同じビルドファイ ルでマルチプラットホームに対応できます。また、さまざまな既存タスクを利用することにより、単にパラメータを指定するだけでパッケージング、デプロイと いった処理を苦労せず実現することができます。


   AntのWebサイトはhttp://ant.apache.org/になります。
AntのWebサイト
図1:AntのWebサイト

   AntのライセンスはApacheライセンスで、ユーザは無償で利用することができます。また、既に広く利用されており、安心して利用できるツールです。

※注:ここでは、Eclipseとの連携に絞って説明しているため、ビルドファイルの基本などについては説明しません。Antの基本について知りたい方は、「Ant翻訳マニュアル
http://www.jajakarta.org/ant/ant-1.6.1/docs/ja/)」などを参考にしてください。

EclipseのAnt機能を使ってみよう

   Eclipseでは、Antが非常によく統合されており、簡単にビルドの記述や実行を行うことができます。いくつかの例を示しながら、EclipseのAnt機能を紹介していきます。

例1 Webアプリケーションのパッケージング

   まず、簡単なパッケージングの例を紹介しましょう。第8回で作成したmyjsfプロジェクトのパッケージング、デプロイを行うビルドファイルを作成します。

ビルドファイルの作成

   ビルドファイルは、通常のファイル(Eclipseメニューからファイル → 新規 → ファイル)として作成します。ただし、デフォルトでは名前を「build.xml」とする必要があります。以下はmyjsfプロジェクト直下に build.xmlという名前のファイルを作成したところです。
ビルドファイルの作成
図2:ビルドファイルの作成

 

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