CVSのその他の話題
CVSのその他の話題
EclipseでCVSを利用する際の便利な機能や注意点などについて解説します。
リソース・ヒストリー
ファイルの改訂の履歴は「リソース・ヒストリー」で閲覧することができます。例え ば、パッケージ・エクスプローラー上でファイルを右クリック → チーム → リソース・ヒストリーに表示で表示できます。リソース・ヒストリービュー上では、主に以下の操作が可能です。
| 操作 | 説明 |
|---|---|
| 改訂をダブルクリック | Javaエディタでファイル内容を表示 |
| 改訂を右クリック → 注釈の表示 | "誰がどの箇所を変更したか"を注釈ビューで表示 |
| 2つの改訂を選択して右クリック → 比較 | 2つのファイルを比較エディタで比較 |
表3:リソース・ヒストリーの主な操作

図6:リソース・ヒストリー
(画像をクリックすると別ウィンドウに拡大図を表示します)
CVSにコミットしたファイルは、すべて差分情報が保存されていますので、俺そんな変更してないよ、と言っても言い逃れすることはできません。
バイナリとテキスト
CVSに登録するファイルには、バイナリとテキストという種類があります。基本的 には、JavaやXMLなどのファイルはテキストとして登録すべきです(テキストでないと比較がうまく動作しません)。Eclipseでは、設定画面の チーム → ファイル・コンテンツで拡張子ごとにバイナリ/テキストを指定できます。JSPなどは先にテキストとして指定しておくとよいでしょう。
競合の回避
競合が頻発すると開発効率が低下する上、精神衛生上好ましくありません。なるべく 競合を減らすようなファイル配置やプロジェクトルールを検討するとよいでしょう。例えば設定ファイルなど、共通で利用されるようなファイルについては頻繁 にコミットするようにする、あるいは可能であれば、ファイルを分割するのがよいでしょう。
CVSはVisual SourceSafeなどと異なり、変更前にロックをかけず、ローカルで変更したファイルをどんどんコミットしていく方式なので、競合は避けられません。 変更前にロックをかけるか否かは、安全性と生産性のトレードオフです。変更前にロックをかけるのは間違いのない方法ですが、誰かがロックをしているうちは 別の人の作業が進みません。ロックしたまま帰宅した人がいると、残業しても作業が進まないという悲しい事態も起こりえます。
なおEclipseでは、他の人が変更中のファイルを監視して、なるべく競合を起こさないようにする機能もあります。これは、Eclipseの設定 画面のチーム → CVS → 監視/編集で設定します。ただ、全員がこの設定をしないと意味がなく、筆者の身の回りではそれほど利用例を見ていません(ちゃんと使えば便利かもしれませ んが)。
まとめ
今回はCVSとの同期方法について説明しました。今回まででEclipseの基本 事項についての解説は終了です。この連載ではEclipseの利用について、重要な部分に絞って足早に解説していきました。さらに多くのことを知りたい場 合は、Eclipseのヘルプ、Webや書籍などで調べてみてください。この連載が、Eclipseの利用法の理解やトラブルの解決に役立てば幸いです。