Eclipseで実現するリッチクライアントの世界 2

プラグイン・マニフェストファイル(plugin.xml)の編集

プラグイン・マニフェストファイル(plugin.xml)の編集

プラグイン・プロジェクトを作成すると、プラグイン・マニフェストファイルが開かれた状態になりますので、ここでEclipse RCPベースのアプリケーションに必須なプラグインと拡張ポイントを定義します。

必須プラグインとは作成するアプリケーションの動作に必要なプラグインのことをさします。ここではEclipse RCPベースのアプリケーションに必須な2つのプラグインを追加します。

「依存関係」タブを選択。「追加」ボタンをクリックして必須プラグインに"org.eclipse.core.runtime"、"org.eclipse.ui"の2つを追加します。

依存関係の追加
図4:依存関係の追加
(画像をクリックすると別ウィンドウに拡大図を表示します)
 

次に先ほど決定した拡張ポイントを追加します。まずはEclipse RCPベースのアプリケーション必須の拡張ポイント(org.eclipse.core.runtime.applications)を定義します。

「拡張」タブを選択して追加を押し、一覧から"org.eclipse.core.runtime.applications"を追加します。

追加した"org.eclipse.core.runtime.applications"を選択し、「拡張詳細」の「プロパティ:ID」に"SimpleBrowser"と入力します。

"org.eclipse.core.runtime.applications"を右クリックして「新規→application」を選択します。

追加した「application」を右クリックし、「新規→run」を選択。追加した"run"の「プロパティ:class」を"sample.SimpleBrowserRunnable"と変更します。

ここで指定したクラスがアプリケーションの起動時に呼びだされるメインのクラスとなります。

続いて、初期レイアウトを決定するパースペクティブ(org.eclipse.ui.perspectives)の拡張ポイントを定義します。

先ほどと同様に「拡張」タブから"org.eclipse.ui.perspectives"を追加。追加した"org.eclipse.ui.perspectives"を右クリックして「新規 → perspective」を選択して、プロパティに表3の値を入力します。


プロパティ
id SimpleBrowserPerspective
name シンプルブラウザ パースペクティブ
class sample.SimpleBrowserPerspective
icon -
fixed -
表3:パースペクティブのプロパティ
 

次にツリーのお気に入りメニューとWeb表示用のビュー(org.eclipse.ui.views)の拡張ポイントを追加します。

「拡張」タブから「追加」クリックし、「拡張ポイントの選択」で"org.eclipse.ui.views"を選択。お気に入りメニューではサンプルのツリー・ビューアーを元に作成するので、「サンプル・ビュー」を選択して「次へ」をクリックします。


拡張ポイントの選択
図5:拡張ポイントの選択
 

「ビュー内でホストされるビューアー・タイプの選択」で「ツリー・ビューアー」を選択し、「ビュー・クラス名」「ビュー名」に表4のように入力して、「次へ」をクリックします。


入力項目 入力値  
Javaパッケージ名 sample.views
ビュー・クラス名 FavoriteView
ビュー名 お気に入り
ビュー・カテゴリーID SampleBrowser
ビュー・カテゴリー名 シンプルブラウザ
テーブル・ビューアー チェックOFF
ツリー・ビューアー チェックON
リソース・パースペクティブにビューを追加 チェックOFF
表4:メイン・ビュー設定
 

「ビュー・フィーチャー」では、「ダブルクリックサポートの追加」のみにチェックを入れ、ウィザードを終了します。

最後にWeb表示用のビューを追加します。

「拡張」タブで、先ほど追加した"org.eclipse.ui.views"を右クリックし、「新規→ View」を選択。プロパティに表5の値を入力します。


プロパティ
id sample.views.BrowserView
name ブラウザ
class sample.views.BrowserView
category SampleBrowser
icon icons/sample.gif
fastViewWidthRatio -
allowMultiple -
表5:Web表示ビューのプロパティ
 

以上でプラグイン・マニフェストファイルの編集は終了ですので、「plugin.xml」のタブを選択し、以下のようになっていることを確認します。

   プラグイン・マニフェストファイル(完成版)



  id="SimpleBrowser"
  name="SimpleBrowser プラグイン"
  version="1.0.0"
  provider-name="">

  
    
       
    

  

  
    
    
         id="SimpleBrowser"
      point="org.eclipse.core.runtime.applications">
    
      
    

  
         point="org.eclipse.ui.perspectives">
             class="sample.SimpleBrowserPerspective"
        name="シンプルブラウザ パースペクティブ"
        id="SimpleBrowserPerspective"/>
  
         point="org.eclipse.ui.views">
             name="シンプルブラウザ"
        id="SimpleBrowser"/>
             class="sample.views.FavoriteView"
        icon="icons/sample.gif"
        category="SimpleBrowser"
        name="お気に入り"
        id="sample.views.FavoriteView"/>
             icon="icons/sample.gif"
        class="sample.views.BrowserView"
        category="SimpleBrowser"
        name="ブラウザ"
        id="sample.views.BrowserView"/>
    

 

まとめ

今回はプラグイン・マニフェストファイルの編集まで行いましたが、いかがでしたでしょうか。

今回説明したプラグイン・マニフェストファイルの編集までが、Eclipse RCPベースのアプリケーション開発やプラグイン開発の独特の作業になります。 ここまでをしっかり理解しておけば、あとは拡張ポイントのルールに従ってクラスを実装していくだけですので、通常のJavaのコーディングとさほど変わり ません。

次回は、引き続きサンプル・アプリケーションを作成します。

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