Visual Editorを使ったSWT開発 1

SWTの特徴

はじめに数年前までのJava製クライアントアプリケーションは遅く、見た目も劣っていた印象がありましたが、Eclipseの登場で状況は一変しました。 Javaで開発されたクライアントアプリケーションがネイティブなクライアントアプリケーションに匹敵する軽快さ、操作感を持っていることに驚かされたの は記

edit

2006年3月13日 20:00

はじめに

数年前までのJava製クライアントアプリケーションは遅く、見た目も劣っていた印象がありましたが、Eclipseの登場で状況は一変しました。 Javaで開発されたクライアントアプリケーションがネイティブなクライアントアプリケーションに匹敵する軽快さ、操作感を持っていることに驚かされたの は記憶に新しいのではないでしょうか。

そのEclipseのユーザーインタフェースに使用されているのが、本稿で解説するSWT(Standard Widget Toolkit)です。

SWTの特徴は次のとおりです。


軽快な動作を実現
同じJavaのGUIツールキットであるSwingと比較して優れたパフォーマンスを発揮できます。ただし、使用するPCのスペックが良くなってきたことや、Swingのパフォーマンスが改善されてきているため、以前ほどの差はなくなったように感じます。
ネイティブなルック&フィール
SWTはネイティブAPIを呼び出しているため、プラットフォームネイティブなルック&フィールを実現できます。
動作するプラットフォームは限られている
前述したようにネイティブAPIに依存しているため、主要なプラットフォームではすべて動作するものの、完全なマルチプラットフォームではありません。
表1:SWTの特徴

このような特徴を持っているSWTですが、進化し続けるEclipseを背景にさまざまなアプリケーションに使われており、今後も活躍の場を広げていくのは間違いありません。

本稿では、手軽に開発を始められるように、GUIビルダーを使ってSWTアプリケーションを開発する方法を解説していきます。

GUIビルダーを使うことで、高い生産性が期待できるだけなく、自動生成されたソースコードを使ってGUI開発の学習にも使用できます。

Visual Editor

手軽にSWTアプリケーションの開発を始めるために、今回はVisual Editorプラグイン(以降VE)を使用することにします。

VEは、Eclipseのツールプロジェクトで開発、提供されているオープンソースGUIビルダーです。AWT/Swing/SWT/Eclipse RCPの開発をサポートしています。

VEはWYSIWYGな開発環境を提供しており、画面デザインから自動生成されるのはシンプルなJavaコードのみで余計なファイルが生成されることがありません。そのため、自動生成されたソースコードを使ってGUI開発を学習するのに向いていると言えるでしょう。

開発環境のインストール

本稿で説明するSWTの開発に必要な環境は次のとおりです。


  • Eclipse SDK 3.1.1 + LanguagePack
  • VE 1.1.0.1 + LanguagePack
  • EMF build 2.1.0
  • GEF Build 3.1
表2:SWTの開発に必要な環境

Eclipseのダウンロードサイト(注1)からダウンロードし、Eclipseインストールフォルダーに展開してください。



この記事をシェアしてください

人気記事トップ10

人気記事ランキングをもっと見る