実践!Samba移行術 2

導入前に決めておくパラメータ

導入前に決めておくパラメータ

   さっそく設定に入るが、設定に入る前に以下のパラメータを管理者は決定しておく必要がある。


「NetBIOSドメイン名」

 

  • Windowsのドメイン名に相当する、NetBIOSのドメイン名(英大文字と数字で15バイトまで、ホスト名やユーザ名、グループ名)
     
  • 新規にSambaでドメインを構築する場合は、既存のドメイン名と重複しないこと
     
  • 既存のWindowsドメインを移行する場合は、既存のドメイン名と同じものを指定する。 

「DNSドメイン名」

 

  • 複数のピリオド(.)で区切られたDNSドメイン名
  • DNSがない場合は、LOCALやlocaldomainとしても良い。

「管理者のアカウントとパスワード」

   Windowsでは通常管理者としてAdministratorというアカウント が1つだけ用意されているが、LinuxではLDAPサーバの管理者とSamba(Windows)ドメインの管理者は、別なアカウントを設定できる。今 回はWindowsとの互換性と容易性を考え、LDAPとSambaで同一の管理者を設定する方法を解説する。(このアカウントはrootなどのよう に、"/etc/passwd"や"NIS"に登録されているアカウントを使ってはいけない。)

   この場合そのアカウントとパスワードはLDAP(slapd.confとデータベースの中)、Samba(smb.confと secret.tdb)、smbldap-tools、計5カ所の設定ファイルに設定される。設定を変更する際はすべて変更する必要があるので、操作順序 を含めて注意して欲しい。

「ゲスト接続のためのゲストアカウント」

   このアカウントも"nobody"などのように、/etc/passwdやNISに登録されているアカウントを使ってはいけない。

「PDCのマシン名とIPアドレス」

   新規にSambaでドメインを構築する場合は、既存のWindowsマシン名 /IPアドレスと重複しないこと。しかし既存のWindowsドメインを移行する場合、既存WindowsのPDCをWINSサーバ、またはファイルサー バとして利用しているという理由により、マシン名/IPアドレスを移行したい場合もあるだろう。

   その場合は、移行作業中は既存のマシン名/IPアドレスと重複しないように設定し、移行作業完了後、Windows PDCの電源を停止してからマシン名/IPアドレスを既存同じものを指定する。今回の設定例では以下のパラメータを利用するので、読者の環境に合わせて変 更して欲しい。


  • NetBIOSドメイン名:MIRACLELINUX
     
  • DNSドメイン名: miraclelinux.com
     
  • 管理者アカウント:Administrator
     
  • 管理者パスワード:miracle(本来パスワードは英大文字・小文字・数字を取り混ぜて、もっと複雑にすべきである。)
     
  • ゲストアカウント:Guest

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