導入前に決めておくパラメータ
導入前に決めておくパラメータ
さっそく設定に入るが、設定に入る前に以下のパラメータを管理者は決定しておく必要がある。
「NetBIOSドメイン名」
-
Windowsのドメイン名に相当する、NetBIOSのドメイン名(英大文字と数字で15バイトまで、ホスト名やユーザ名、グループ名)
-
新規にSambaでドメインを構築する場合は、既存のドメイン名と重複しないこと
- 既存のWindowsドメインを移行する場合は、既存のドメイン名と同じものを指定する。
「DNSドメイン名」
- 複数のピリオド(.)で区切られたDNSドメイン名
-
DNSがない場合は、LOCALやlocaldomainとしても良い。
「管理者のアカウントとパスワード」
Windowsでは通常管理者としてAdministratorというアカウント が1つだけ用意されているが、LinuxではLDAPサーバの管理者とSamba(Windows)ドメインの管理者は、別なアカウントを設定できる。今 回はWindowsとの互換性と容易性を考え、LDAPとSambaで同一の管理者を設定する方法を解説する。(このアカウントはrootなどのよう に、"/etc/passwd"や"NIS"に登録されているアカウントを使ってはいけない。)
この場合そのアカウントとパスワードはLDAP(slapd.confとデータベースの中)、Samba(smb.confと secret.tdb)、smbldap-tools、計5カ所の設定ファイルに設定される。設定を変更する際はすべて変更する必要があるので、操作順序 を含めて注意して欲しい。
「ゲスト接続のためのゲストアカウント」
このアカウントも"nobody"などのように、/etc/passwdやNISに登録されているアカウントを使ってはいけない。
「PDCのマシン名とIPアドレス」
新規にSambaでドメインを構築する場合は、既存のWindowsマシン名 /IPアドレスと重複しないこと。しかし既存のWindowsドメインを移行する場合、既存WindowsのPDCをWINSサーバ、またはファイルサー バとして利用しているという理由により、マシン名/IPアドレスを移行したい場合もあるだろう。
その場合は、移行作業中は既存のマシン名/IPアドレスと重複しないように設定し、移行作業完了後、Windows PDCの電源を停止してからマシン名/IPアドレスを既存同じものを指定する。今回の設定例では以下のパラメータを利用するので、読者の環境に合わせて変 更して欲しい。
-
NetBIOSドメイン名:MIRACLELINUX
-
DNSドメイン名: miraclelinux.com
-
管理者アカウント:Administrator
-
管理者パスワード:miracle(本来パスワードは英大文字・小文字・数字を取り混ぜて、もっと複雑にすべきである。)
- ゲストアカウント:Guest