クラスルームPC管理ソフトウェアの動作イメージ
クラスルームPC管理ソフトウェアの動作イメージ
「クラスルームPC管理ソフトウェア(spcman)」は、本実証実験で開発したコピー管理方式のPC管理ソフトウェアです。IBMのDevelopers Worksでオープンソースとして公開されています。
クラスルームPC管理ソフトウェアの動作イメージを下図に示します。
クラスルームPC管理システムは、1台の管理サーバ、1台の参照PC、複数台のクライアントPCから構成されます。
管理者は参照PCに対して、ソフトウェアの導入、アップデート、デスクトップの調整など、必要な設定を随時行います。そして、毎晩あるいは週1回程度、夜間に自動で参照PCのディスクイメージが各クライアントPCにコピーされます。
実際には、以下のような手順でコピーを行います。
- 参照PCのディスクイメージを、管理サーバが吸い上げる
- 管理サーバはクライアントPCをネットワークブート(PXEブート)する
- 起動されたクライアントPCでディスクコピープログラムが起動し、管理サーバからディスクイメージをダウンロードし、ディスクに書き込む
- 上記2、3をすべてのクライアントPCに対して行う
ただし正確には、各クライアントPCは完全に同一ではなく、個別の設定情報が5つ(ホスト名、IPアドレス、標準ゲートウェイ、主DNS、副 DNS)あります。これらの個別情報はイメージ配布が完了した3の後に、管理サーバから情報をダウンロードして上書きされます。
また、My Documentなどの保護ディレクトリを設定することもできます。こちらは、3の直前に保護ディレクトリ以下をtarで固めて、一旦管理サーバにアップロードし、イメージ配布が完了した後に再びダウンロードして復元します。
クラスルームPC管理ソフトウェアのメリット
クラスルームPC管理ソフトウェアを用いれば、教員が管理するのは参照PCだけでよくなります。ソフトウェアのインストールやアップデートも参照PCだけに行えばよいのです。
誤操作やいたずらでデスクトップが壊れたり、ネットワーク設定が壊れた場合でも、一晩待てば自動的に参照PCのイメージがコピーされるので、管理者は何もする必要がありません。
ハードウェア故障時も、故障部品を交換してネットワークに繋ぐだけで、自動的に復旧します。
このように、クラスルームPC管理ソフトウェアは、PC管理作業を大幅に削減することができるのです。
他のPC管理ソフトウェアとの比較
商用製品でも数多くのPC管理ソフトウェアが発売されています。

表4:PC管理ソフトウェアの比較
(画像をクリックすると別ウィンドウに拡大表示します)
クラスルームPC管理ソフトウェアと同様に、コピー管理方式をサポートする製品もいくつかあります。 「瞬快」「PCVisor」「Power Cockpit」などです。しかし、これらは企業向けであり、いずれも1台あたり数万円のライセンス料です。このため40台で50〜100万円のコストを 要します。
クラスルームPC管理ソフトウェアは、オープンソースであるため、利用は無料です。今後100台単位でクライアントPCを管理することを考えると、この低コストさは大きなメリットです。
