SteelEye LifeKeeperとは
SteelEye LifeKeeperとは
LinuxならびにWindowsに対応したHAクラスタソフトウェアに、米国SteelEye Technology社が開発した「SteelEye LifeKeeper」(以下LifeKeeper)がある。

図1:SteelEye Technology社開発センター(South Carolina州Columbia)
LifeKeeperは、ソフトウェアでありながらシステム全体の稼働率を99.99%にまで高めることが可能なアプリケーションであり、日本国内 の総販売元ならびに製品サポートはサイオステクノロジーが行なっている。LifeKeeperは1999年に販売が開始され、これまでにワールドワイドで 4,000ライセンスを越える稼働実績があり、日本国内においても2,000ライセンスを越える導入実績を持つHAクラスタソフトウェアである。
一般的に「HAクラスタの構築・運用は難しい」といわれているが、LifeKeeperはその概念を打ち破るソフトウェアである。LifeKeeperの主な特徴は、表2のようになる。
- インストール・設定から運用まで、すべての操作をGUIで行うことが可能。GUI操作により、管理者の負担と操作ミスを軽減(図2)
- 設定は、簡単操作のウィザード形式で構成チェックも同時に行うことが可能
- SAN、NAS(Linuxのみ)、SCSIなどの様々な共有ディスクの構成が可能(図3)。また、2台のサーバに搭載した内蔵ディスクをネットワークミラーする構成もでき、ハードウェアコストを削減
- Red Hat Enterprise Linuxをはじめとした主要なLinuxディストリビューションやWindows Serverに対応。Windows ServerについてはStandard Edition上でのHAクラスタを実現
- サーバノード障害検出、IPフェイルオーバーを基本アプリケーションに搭載
- オプションのリカバリーキットにより、主要アプリケーションや数多くのOSSも簡単にHA化することが可能。複数アプリケーションの依存関係を設定・変更する際もすべてGUI操作で可能
- 各アプリケーションに特化したリソース定義、リソース間の依存関係定義、障害検出機能、フェイルオーバー機能、運用管理機能を提供
- リソース定義・修正時には動作環境のチェックも同時に行うため、従来必要だったスクリプトのテストが不要
- 2ノードから32ノード構成による、圧倒的なスケーラビリティと柔軟な構成が可能。また相互にアクティブ/アクティブ、アクティブ/スタンバイが可能
- 対応CPUはx86、IA-64、Itanium2、IBM POWERなどのアーキテクチャをサポート
- VMware ESX ServerやIBM POWERのLPARでの仮想OS環境でも稼働し、大規模環境でのサーバコンソリデーションに対応

図3:LifeKeeper基本構成の例
表2であげた以外にも様々な特徴があり、今後の連載でそれぞれの特徴についてさらに詳細に解説する。
まとめ
今回はイントロダクションとして、HAクラスタをご存知でない方でも読んでいただけるよう、できるだけやさしい言葉で書いたつもりである。
HAクラスタの基本とLifeKeeperの概要を紹介したが、今後は長期にわたりLifeKeeperに関するテクニカルな内容について深く掘り 下げ、「LifeKeeperはこのような用途に使える」「LifeKeeperでいろいろなことができる」といった、これまでは公開したくても機会がな く、なかなか公開できなかった内容を数多く紹介していきたいと思う。
また、LifeKeeperを通じて、HAクラスタソフトウェアの特性や用途をご理解いただき、今後の導入の際の参考にしていただけたら幸いである。
