ブレードサーバによる仮想化テクノロジーの活用 2

ブレードサーバの仕組みと管理ツール

プラットフォーム標準化の切り札   第2回の今回は、x86サーバの標準化やコロケーションで特に近年注目を集めているブレードサーバのテクノロジーを紹介する。

森田 宏

2006年2月20日 20:00

プラットフォーム標準化の切り札

   第2回の今回は、x86サーバの標準化やコロケーションで特に近年注目を集めているブレードサーバのテクノロジーを紹介する。

   ブレードサーバはサーバ業界の各社から出荷されており、x86サーバを中心にラインナップされている。いくつかのベンダーではx86サーバにとどまらず、広い範囲を考慮したソリューションを独立したブランドとして展開している。

   例えば、HP BladeSystemではx86サーバとItanium2を搭載したUNIXサーバを同じブレードとして利用できる。これはx86サーバだけではなくUNIXサーバの環境も集約して標準化とコロケーションを行うことができるということだ。

   ブレードサーバは、従来のラックマウント型のサーバに比べて効率よくサーバを集約でき、さらにストレージやネットワークといったサーバに接続される機器の集約もあわせて行うことができる。

   このようなブレードサーバは、既存環境からの水平移行だけでなく管理およびサーバ自体のプラットフォーム標準化の切り札として再認識されている。


ブレードサーバへの集約
図1:ブレードサーバへの集約
(画像をクリックすると別ウィンドウに拡大図を表示します)

ブレードサーバのハードウェアテクノロジー

   ブレードサーバは、CPUやメモリなどを含むマザーボード部分を中心にモジュール化されたサーバブレード(ブレード:刀の刃の意)と、シャーシやエンクロージャと呼ばれるブレードモジュールを格納する部分から構成されている。

   ブレードサーバは従来のラックマウント型やタワー型のサーバと異なり、複数のサーバを集約して利用することを前提としている。


複数のサーバを集約するブレードサーバ
図2:複数のサーバを集約するブレードサーバ
(画像をクリックすると別ウィンドウに拡大図を表示します)

   そのため、サーバのコア部分(サーバブレード)と共用可能な電源部や外部のI/O機器(ネットワークやSAN接続)などをエンクロージャ部分として構成を分けている。

   サーバブレードのエンクロージャは、サーバブレードを格納するとともに共用部分との接続機能や管理機能などを提供する。サーバブレードとエンクロー ジャ間の接続はケーブルレス化されており、ホットプラグ(スワップ)対応コネクタで接続されている。またエンクロージャ内では、他のサーバブレードの動作 中でもサーバブレードの追加・交換が可能となるように、サーバ個々の独立性も保たれている。


ブレードサーバの仕組み
図3:ブレードサーバの仕組み
(画像をクリックすると別ウィンドウに拡大図を表示します)

   エンクロージャからは、ネットワークやSANのI/O出力を提供するばかりでなく、エンクロージャ内にネットワークスイッチやSANスイッチを搭載 した構成をとることもできる。共用部分をエンクロージャ側に集約することで、消費電力の削減や外部接続ケーブルの削減が可能である。さらに、この共用部分 によるスペース効率の向上によって、同じラックスペースで同じスペックのラックマウントサーバに比べて多くのサーバブレードが集約できる。

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