競技部門1位のチームメンバーが解説する、ETロボコンの攻略ポイント(前編)

2013年4月11日(木)
岡嵜 雄平

1. まえがき

1.1. 執筆にあたり

2012年11月14日、パシフィコ横浜にて「ETロボコン2012 チャンピオンシップ大会(以下、CS大会)」が開催されました。

我々のチーム「猪名寺駅前徒歩1分」は競技部門にて見事1位を獲得しました。本記事では、ETロボコン2012への参加にあたり、我々のチームがどのように活動し、競技部門での全国制覇を成し遂げたのかを書き綴ります。

ETロボコン2012を一言で表現すると「楽しかった」です。エンジニアにとって、ものづくりとは本来楽しむべきことであり、ETロボコンは楽しさを実感するための良い機会となるはずです。筆者が本記事を執筆することで、読者の皆様にも「ETロボコンに参加することの楽しさ」が多少でも伝わることを祈っています。

1.2. 本記事の内容と対象読者

本記事は活動記録として執筆します。読者として下記の方々を対象とします。

  • 今後ETロボコンへの参加を考えているチーム
  • これまでもETロボコンに参加しているものの、満足できる結果を得られていないチーム

ETロボコンの概要、競技規約については「ETロボコン公式サイト」を参照ください(尚、ETロボコン2013のトップページに掲載されている画像は、我々のチームの走行体です)。

1.3. チーム紹介

「猪名寺駅前徒歩1分」は、大会出場7度目となる、関西地区内でもいわゆる「ベテランな」チームです。しかし、近年は成績が振わず、関西地区の一部関係者には「本番に弱い、いないち」という不名誉な呼び名も定着するほどでした。チーム名は弊社がJR猪名寺駅の目の前に位置することから、初代メンバーが命名したものです。

2012年度、我々のチームは5名で活動しました。男性3名、女性2名という、ある意味バランスのとれたチームです。弊社は「若手がものづくりの楽しさを経験するための機会」としてETロボコンへ参加しているため、メンバーは入社2年目~5年目の社員で構成されています。

図1:チームロゴ

CS大会出場時、我々のチームを全国へ知らしめるために、チーム初の「ロゴ」を作成しました。チーム名にちなんで駅をモチーフとしたロゴとなっています。

2. 活動の始動

2.1. 前年度の雪辱戦

2012年の「猪名寺駅前徒歩1分」を語る上で、前年度に開催された「ETロボコン2011」の関西地区大会について語らねばなりません。この大会で、我々のチームはスタート直後に転倒・リタイアするという失態を犯してしまいました。

1走目のアウトコースを1位で走破、モデル部門でも上位に入っていただけに、筆者自身、その時に落胆したことは今でも忘れることができません。

そして迎えた2012年。前年の雪辱を誓い、我々のチームは始動しました。

2.2. メンバー集め

ETロボコンへ出場するためには、メンバーを集めてチームを結成する必要があります。正確には一人でも参加可能ですが、我々は社会人チーム、ETロボコンよりも業務が優先です。そのため、「業務が忙しくなった時」にメンバー同士で作業調整できるよう、メンバーの勧誘を始めました。

弊社では毎年3月頃に全社からメンバーを募ります。しかし、筆者は「募集のみで目標人数を集めるのは難しい」と判断し、年末の段階から若手社員への声掛けを始めていました。

結果、ETロボコン2011で悔いを残してしまった、筆者を含む2名と、活動に賛同してくれた3名のメンバーが参加することとなり、無事にチームを結成することができました。

図2:チーム紹介画像

関西地区大会のオープニングにて「最も笑いをとった」であろうチーム紹介画像です。

2.3. キックオフ・ミーティング

メンバーが決定した4月初旬、キックオフを開催しました。キックオフでは、下記内容について説明・話し合いをしました。

各メンバーの自己紹介(名前、入社年度、目標、得意なことなど)

  • ETロボコンとは(公式資料を用いて説明)
  • 昨年度の成績
  • 本年度の目標
  • 今後の活動方法

キックオフをすることにより、初参加のメンバーにも「我々が目指す目標」を認識してもらえたようです。また、各メンバーについて知るという意味で良い機会となりました。

三菱電機マイコン機器ソフトウエア(株)

1989年生まれ。山口県下松市出身。徳山工業高等専門学校卒業。
FA分野における組込みS/Wの設計・開発に従事している。ETロボコン2012では「猪名寺駅前徒歩1分」のチームメンバーとして参加、チャンピオンシップ大会の競技部門にて優勝した。

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