Cisco認定試験の概要、OSIネットワーキングモデル(前編)
シスコ技術者認定試験 公式ガイドブック Cisco CCENT/CCNA ICND1 100-101J
新CCENT/CCNA対応の公式ガイドブック 米国ベストセラーシリーズの翻訳書!この記事は、書籍『シスコ技術者認定試験 公式ガイドブック Cisco CCENT/CCNA ICND1 100-101J』の内容を、Think IT向けに特別公開しているものです。
Cisco 認定試験の概要
ICND1、ICND2、CCNA 試験の合格基準はかなり高く設定されています。試験勉強をすれば、ほとんどの人が試験に合格できますが、本書を流し読みし、受験料を払えば合格できるようなものではありません。
これらの試験の難しさには、さまざまな理由があります。これらの試験の出題範囲には、さまざまな概念はもちろん、Ciscoデバイス固有のさまざまなコマンドが含まれています。これらの試験では、知識だけでなく、高度なスキルも要求されます。ネットワークで実際に起きることを分析し、推測できなければなりません。Ciscoデバイスをネットワークで正常に動作させるための設定を行うことができなければなりません。また、ネットワークが正常に動作しない場合に、問題をトラブルシューティングする能力も要求されます。
より難易度の高い問題はさながらジグソーパズルのようですが、たとえば5つのうち4つの割合で、それらのピースが部屋の中にすらないような状態です。パズルを解くためには、欠けているピースを頭の中で再現しなければなりません。そのためには、各ネットワーキング概念を理解し、それらの概念がどのような関係にあるかを覚えておかなければなりません。また、デバイスでコンフィギュレーションコマンドを実行したときのデバイスの動作とそれらの概念を結び付けなければなりません。さらに、それらの概念や設定をさまざまなトラブルシューティングコマンドの出力の意味と結び付けることで、ネットワークの動作の仕組みや、ネットワークが正常に動作していない理由を分析する必要もあります。
……中略……
これらのスキルを身につけるには、本書を読み、内容を暗記する以上の準備が必要となります。もちろん、さまざまな事実と、そうした事実の関係を学ぶためには、本書の多くのページを読む必要があります。しかし、本書の大部分には、読むだけではない演習が含まれています。それらは、こうしたネットワーキングパズルを解くスキルを身につけるのに役立つ演習です。
<ここでは、本書の内容の一部を紹介し、どのようなスキルを身につける必要があるのか、のぞいてみましょう。>
OSIネットワーキングモデル
OSIモデルの歴史の中で、前述のネットワーキングモデルの戦いにOSIが勝利するだろうと多くの人が考えていた時期がありました。そうなっていたとしたら、世界中のすべてのコンピュータでTCP/IPではなくOSIが実行されていたことでしょう。
しかし、OSIはその戦いに敗れました。OSIモデルで参照されていた初期のプロトコルの一部は今でも存在していますが、実際には、OSIはもはやTCP/IPの代わりに使用できるネットワーキングモデルではなくなっています。
では、本書にOSIモデルが登場するのはなぜでしょうか。用語の問題です。OSIモデルがネットワーキングの世界で主流になるだろうと多くの人が考えていた1980年代後半から1990年代前半にかけて、多くのベンダーやプロトコルのドキュメントでOSIモデルの用語が使用されるようになりました。その用語がしぶとく残っているのです。OSIを使用するコンピュータの操作が今後必要になることはありませんが、現代のネットワーキング用語を理解するためには、OSIについて理解しておかなければならないことがあります。
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