シスコがPistonを買収しOpenStackを強化、NTTデータが「Hinemos」をバージョンアップ、ほか

2015年6月5日(金)
吉田 行男

こんにちは、日立ソリューションズの吉田です。

梅雨の季節になってきました。今週は九州をはじめ、四国と中国地方、さらに近畿地方まで梅雨入りが発表されました。関東地方もこの週末には梅雨入りが予想され、本格的な蒸し暑い季節が到来します。体調管理が難しくなってきますので、今まで以上に健康に留意したいものです。

今週も注目すべきトピックをまとめましたので、ゆっくりとご覧下さい。

PostgreSQLエンタープライズ・コンソーシアムセミナーレポート

5月14日にPostgreSQLエンタープライズ・コンソーシアムの活動成果発表会が開催されました。このコンソーシアムは、企業の業務システムでPostgreSQLがどこまで使えるか、使うにはどうすればよいかということを検証し、情報共有することを目的としています。ふだん競合となりうる企業が一緒に検証するということで、自社以外の技術者と本音で情報交換できるとても良い場所となっているようです。

[1]PostgreSQL 9.4、仮想環境を見据えたスケールアップ検証
(参照記事:http://www.nikkeibp.co.jp/atcl/news/1505/060100822/

[2]コンテナ環境「Docker」、仮想化環境「KVM」で性能はどうなるか
(参照記事:http://www.nikkeibp.co.jp/atcl/news/1505/060200860/

[3]異種DBMSからPostgreSQLへのデータベース移行を検証
(参照記事:http://www.nikkeibp.co.jp/atcl/news/1505/060300909/

シスコがPistonを買収、サービスとしてのOpenStackを強化

米国シスコシステムズ社が、OpenStackディストリビューションのベンダである米国Piston Cloud Computing社を買収することが6月3日に明らかになりました。Piston社は、NASAでクラウド基盤ソフトウェア開発プロジェクトのチーフアーキテクトであったJoshua McKenty氏が、米国Rackspace出身のChristopher MacGown氏と創業した企業です。Piston社は、OpenStackディストリビューションベンダとしては、草分け的な存在で、人手の介在なしに、ほぼ自動的にインストールができることが特徴です。このような買収の背景として、OpenStackに詳しい人材の獲得競争が始まっているという見方もあるようです。

(参照記事:http://www.atmarkit.co.jp/ait/articles/1506/04/news047.html

NTTデータ、OSSの統合運用管理ソフト「Hinemos」をバージョンアップ

5月27日にNTTデータ社は、OSSの統合運用管理ソフトウェア「Hinemos」の新バージョンである「同Ver.5.0」を提供開始しました。「Hinemos」は2005年からOSSとして公開しており、システム監視とジョブ管理を備える統合運用管理ソフトウェアです。また、国内・海外を合わせ700以上のエンタープライズ・システムへの導入実績があるそうです。新バージョンでは、従来の機能に加え環境構築機能を新たに追加し、DevOpsを実現可能にしました。

(参照記事:http://news.mynavi.jp/news/2015/05/28/115/

車載Linux開発に注力するトヨタ、課題解決に向け開発体制の一本化を提案

6月1~2日に都内で開催された「Automotive Linux Summit 2015」の基調講演で、トヨタ自動車の村田賢一氏が登壇しました。、トヨタ自動車が、Linuxベースの車載情報機器の開発に注力してきた目的は、「ソフトウェア開発コストの削減」、「市場投入スピードの向上」、「オープンイノベーションの促進」の3つですが、いずれの目的も現状では達成できていないようです。なかでも「オープンイノベーションの促進」という視点では、3つの開発組織が並立しており、知見が分散化していることが問題で、開発体制の一本化を村田氏は提唱しています。

(参照記事:http://monoist.atmarkit.co.jp/mn/articles/1506/02/news046.html

LPI-Japan、「Linuxシステム管理標準教科書」を無料配布、LPIC学習にも最適

6月1日に特定非営利活動法人エルピーアイジャパン(LPI-Japan)は、OSS/Linux技術者育成・教育のための教材「Linuxシステム管理標準教科書」をPDF版とEPUB版で無料公開しました。ライセンスは、クリエイティブ・コモンズ・ライセンスで、非営利、改変禁止になっています。また、最新技術動向に対応するため、随時アップデートを実施するほかテキスト作成やアップデートについて、Wikiサイトにて意見交換にも参加可能です。

(参照記事:http://cloud.watch.impress.co.jp/docs/news/20150602_704839.html?ref=rss

編集後記

今週は、LinuxConが開催されるなど、海外から多くの技術者が日本に来ていました。『英語をもっと話せれば、彼らとコミュニケーションがとれるのに』ということで、勉強しなければと思いますが、これも一時のことで、すぐにそんなことは忘れてしまいます。こんなことをしていたら、いつまで経っても英語がものにならないのですが、これがいつものパターンです。相変わらず『今年こそは』と思っている今日この頃です。

2000年頃からメーカー系SIerにて、Linux/OSSのビジネス推進、技術検証を実施、OSS全般の活用を目指したビジネスの立ち上げに従事。また、社内のみならず、講演執筆活動を社外でも積極的にOSSの普及活動を実施してきた。2019年より独立し、オープンソースの活用支援やコンプライアンス管理の社内フローの構築支援を実施している。

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